お子さんが気持ちいっぱいになって動けなくなる
その時に必要なことは安心して休むこと
その際、インターネットやゲームなどで
空いた時間を埋めてしまうということが起きがちで
親御さんも「ネット・ゲームくらい良いじゃない」と思いがちですが
脳の神経ネットワークの乱れや萎縮を伴う依存症になってしまい
取り返しのつかないことになる場合もある
前回はそんな内容を綴りました
今回は依存性に陥いる仕組みとその症状についてまとめてみました
=依存症の仕組み=
1998年、イギリスの研究機関と病院がネイチャーに投稿した論文の内容です
8人の成人男性に50分間ゲームをしてもらい
プレイ前、プレイ後で脳内のドーパミン量を調べると
その量は2.0倍になっており
覚せい剤を静脈注射した際のドーパミンの増加量2.3倍に匹敵する量であることがわかっています
ドーパミンとは人が「快」を感じることに関係する物質で
その過剰分泌状態が長く続くと
脳内でドーパミンに対する感受性が弱まってしまい
今までと同じだけの「快」を得るためにはより強い刺激が必要となってきます
結果、依存対象となる刺激をもっと必要とするようになる
これが依存症の仕組みです
=呈する症状=
インターネット・ゲーム依存症が呈する症状として以下のものが挙げられています
神経過敏
不機嫌になりやすい
焦燥感(イライラ)
不安
うつ状態
無気力
注意力・集中力の低下
他者への共感性の低下
自制心の低下
これらの症状はコカインや覚せい剤などの依存者にも共通して見られる症状で
脳の画像診断で萎縮や神経ネットワークの乱れが認められた
眼窩前頭葉、外包、前帯状回がコントロールしている能力と符合していることが分かっています
また脳の処理速度にも著しい低下が見られ
就業や就学に困難を抱えている事例も紹介されています
たががゲーム、たかがネット
私もこの情報に触れるまで正直そう思っていましたが
数十年前からその危険性を示す研究結果が示されていたのだそうです
深刻なインターネットゲーム依存が社会問題になった韓国
かつて阿片で国中が汚染された歴史をもつ中国
これらの国が先手先手の対策を講じているのとは対照的に
日本ではタバコの例同様に
巨大な市場となっている業界団体への配慮から
対応が後手後手に回っているというのが現状なのだそうです
子どもたちを危険から守るためには
誰かの発する情報を鵜呑みにすることなく
「本当だろうか?」と疑問を抱き主体的に調べていく
大人にはそういう姿勢が求められるのだと感じます
今回参考にしている書籍は以下です
インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで 岡田尊司 著
ご興味があればぜひ手に取ってみてください
次回に続きます