書こう書こうと思っているうちに月日は思いの他早く流れるもので、もう4月も去ろうとしている。
新しい仲間、新しい教室、新しい先生…
クラス替えを挟み、また一味違った高校生活を始めると私の胸は躍りに躍った。
類稀なる才能を以て頭角を現し、文化祭で恋に落ち、人の温もりを感じ合う。
ところがどうであろう。
前年同様、クラスでは浮き、テストでは泣き、持久走では呻き、体力テストで筋肉は悲鳴を上げ。
やはり何か間違っている。
私は杏ジヤムの如く甘酸っぱい青春のメインストリートを走っているはずだ。
ならば、登校途中に、食パンをくわえた女子の一人や二人とぶつかってもいいのではないか。
悲憤慷慨である。神様は何をしている。大方ヴィーナスとの色事に明け暮れているに違いない。
「君の髪はさらさらだね、ヴィーナス」
「気持ち悪いわ」
「愛してるよヴィーナス」
「その口を縫って差し上げましょうか」
金色の雲の上ではこんな会話が天地開闢より幾度となく繰り返されていることだろう。
信者が知ったらどうするつもりだろうか。いや、どうもしまい。愛を語り合うのは至極の喜びである。
もはや神仏はあてにならん。自らの行動にて運命を変えるしかあるまい。
といって良案も浮かばない。
そしてこの状況である。
4月は去り、知己は去り、希望は去り。迫るのはテストと締切と現実のみ。
チャンスは来る気配すらない。
酸痛の限りである。
我が人生はいと儚し。
森見氏の新刊が発売間近だそうだ。
それにて心を癒すしかあるまい。