篤です。


企業理念のブログにようこそお越しくださいました。

ありがとうございます。


昨日の続きです。

アシックスの企業理念①



利他の精神を発揮した鬼塚氏ですが、

この精神は戦後の状況をみて現れたものでは

ありません。



姫路の軍隊の戦友だった上田中尉という方から、


「もしものことがあったら、神戸にいる鬼塚という

身寄りのない老夫婦を養ってほしい」


と頼まれ、それを実行しているのです。




鬼塚氏の旧姓は坂口氏でした。


ご両親の大反対を押し切って実行されました。


なかなかできることではありません。




さて、靴を作ることにした鬼塚氏ですが、

全くの素人です。



靴作りの見習いから始めました。


一年後に見習い先のメーカーの社長に

鬼塚氏の企画・ブランド名の靴を作ってくれと

依頼してしまいます。



最初は「人を馬鹿にするな!」と怒っていましたが、

鬼塚氏の志を聞いて、


協力メーカーとしてスポーツシューズを作って

くれることになったのです。



成し遂げたいことがある場合、

一からコツコツと積み上げる方法もありますが、


利用できるものはどんどん利用して、

志を遂げるべく猛進していきます。



時間を掛ければかけるほど、

スポーツマンシップから学べる子どもが

大人になってしまうのです。


ここまでの行動力は、並大抵のことではない

と思いました。




そして、販売も「鬼塚式錐揉み商法」として、

大手が参入しない分野に一点集中していきます。


企業経営の戦略として、

中小企業は差別化戦略、

大企業はスケールメリット戦略として、


中小零細企業はとことんまで

自分の味をだしていくよう、

繰り返し語っています。




鬼塚氏が一点集中の錐揉み先として

選定したのは、バスケットシューズでした。


スポーツシューズとして最も難しいと

言われていたからです。



毎日練習を見ては、観察・研究を重ねます。


そうするうちに選手から機敏に止まれる靴を

要求されます。


やれる範囲のことから錐揉み先を選択するのではなく、

「最も難しい」といわれるところを選択し、

日々観察して努力し続けたのです。




こういうことが語り継がれたこともあって、

現社長の座右の銘も「努力」なのかと思いました。



この努力はマラソンシューズの時にも

発揮されています。



高橋尚子選手のシドニーオリンピックでの

金メダルも、こうした努力を積み重ねた

シューズの力もあったようです。


なんと片足で130gの重さしかないシューズで、

高橋選手特有の衝撃を和らげる工夫が

されていたそうです。



アテネオリンピックで金メダルをとった

野口みずき選手のシューズも、

アテネ特有の対策を施したものだったそうです。



こうして、アシックスは世界ブランドとして

定着していきました。



最初の一歩はたゆまぬ観察と工夫です。


現場なのです。


人間工学の理論からシューズを

作ったのではありません。


現場を観察して、工夫して、検証して、

日々進化させていったのです。



長くなりましたので、続きはまた明日^^/



最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。

世界の第一歩も現場から!