「親の状況が全くわからない」

 

高齢親の囲い込みに直面した家族が、最初に突き当たる壁がこれです。

 

電話をしても出ない

手紙を送っても返事がない

施設や病院に問い合わせても「キーパーソン(介護者)の許可がないと教えられない」と言われる。

 

 

このように、親に関するあらゆる情報を特定の誰かが独占し、他の家族から遮断することを「情報遮断」と呼びます。今回は、なぜ情報遮断が囲い込みの第一歩となるのか、その構造と危険性について解説します。

 

 

情報の独占は「権力」を生む

 

人間関係において、情報の非対称性(一方が知っていて、もう一方が知らない状態)は、そのまま権力構造に直結します。

 

親の居場所を知っている人は、面会の入り口を握ります。

医療情報を知っている人は、親の健康状態の説明を握ります。

介護情報を知っている人は、日常生活の実態を握ります。

財産情報を知っている人は、相続や財産管理の入り口を握ります。

 

 

だからこそ、情報が一人に集中すると、家族全体がその人を通さなければ親に近づけない状態になります。この構造が固定されると、他の家族は親の子でありながら、親の状態を知ることすらできなくなります。

 

それは、親をめぐる家族関係が一人の管理下に置かれることを意味します。

 

 

透明性が親を守る

 

情報共有は、対立を深めるものではありません。本来、情報の透明性は親を守るためのものです。

 

医療や介護の方針を複数の家族が把握していれば、判断の偏りを防げます。財産管理の記録が残っていれば、不正や誤解を防げます。面会や連絡の履歴が共有されていれば、親の孤立を防げます。

 

情報を開くことは、誰かを責めるためではありません。親本人の利益を確認するためです。

 

 

 

情報を遮断された側ができること

 

情報を得られない場合、まずは何を知らせてもらえていないのかを整理します。

 

親の住所

施設名

主治医

ケアマネジャー

介護度

財産管理者

通帳や印鑑の所在

面会ルール

連絡窓口。

 

 

 

そのうえで、相手に対して一つずつ、文書やメールで確認を求めることが大切です。口頭でのやり取りだけでは、後から言った言わないになりやすいからです。また、必要に応じて、

 

地域包括支援センター

ケアマネジャー

施設

医療機関

弁護士

司法書士

家庭裁判所

成年後見制度

 

など、第三者に相談することも選択肢になります。

 

 

高齢親の囲い込みは、情報の遮断から始まることがあります。情報を握る人が、親の周囲の世界を決める。だからこそ、親を守るためには、情報を閉じるのではなく、必要な範囲で透明にすることが重要です。

 

 


 

プロフィール

 

高齢親の囲い込み解放コンサルタント 白岩俊正

 

白岩会計事務所 代表/公認会計士・税理士/株式会社みらい 代表取締役