親の尊厳を奪う“静かな支配”に気づいていますか?
こんにちは。「高齢親の囲い込み 解放アドバイザー」公認会計士・税理士の白岩俊正です。
最近、私のもとにこんな相談が増えています。
- 「父の居場所がわからない」
- 「母に電話しても出てくれない。番号も変えられていた」
- 「兄が“親に会うな”と言ってくる」
- 「父の遺言が急に書き換えられていた」
こうした出来事の背景にあるのが、**高齢親の“囲い込み”**です。
動画でも解説しています
(作成途中)
■囲い込みとは何か?
囲い込みとは、高齢の親を特定の子どもが囲い込み、他のきょうだいや親族との関わりを断つ行為です。
- 親の住んでいる場所がわからない
- 面会を拒否される
- 電話や手紙も届かない
- 医療・介護の情報が共有されない
- 親名義の財産がいつの間にか動いている
本人は「家族の中で守られている」と見せかけながら、実は「社会的に孤立」させられている状態なのです。
■囲い込みは“心理的虐待”です
「虐待」と聞くと、暴力や暴言を想像されるかもしれません。
しかし、近年問題視されているのが、**目に見えにくい“心理的虐待”**です。
厚生労働省は、心理的虐待をこう定義しています。
「脅迫や侮辱、無視などによって精神的苦痛を与えること」
囲い込みは、この心理的虐待に該当する可能性が非常に高いのです。
- 会話の自由を奪う
- 判断の自由を奪う
- 人間関係の自由を遮断する
- 財産の管理権を事実上奪う
これらは、親の尊厳を静かに破壊する行為です。
■親自身が気づいていないことが多い
囲い込みの怖いところは、親本人が「それが正しい」と思い込んでいる場合が多いことです。
- 「私が迷惑をかけているから、会えなくても仕方ない」
- 「この子が一番よくしてくれてるから…」
- 「他の家族は私のこと、心配なんてしていないわ」
これらは、心理的な支配と依存の中で植え付けられた思考である可能性があります。
■「支配と依存」の構造
囲い込みには、以下のような共依存の構造が潜んでいます。
子ども(囲い込む側) |
親(囲い込まれる側) |
自分だけが正しいと信じる |
この子しか頼れないと思う |
情報を独占する |
他の人に頼るのが怖い |
財産も管理下に置く |
判断する自信がない |
他の家族を遠ざける |
罪悪感や寂しさに支配されている |
この関係が続く限り、親は自由を取り戻すことができません。
■第三者が気づくべき“異変のサイン”
囲い込みが進行しているかどうかは、以下のような兆候から見えてきます。
- 急に親と連絡が取れなくなった
- 親の通帳や印鑑が手元にない
- 医療・介護の現場と接触できない
- 面会を「本人の希望」として拒否される
- 財産の名義変更・贈与などが急に行われている
これらはすべて、**「心理的虐待の赤信号」**です。
■法的対応も視野に入れて
事態が深刻な場合は、以下のような法的手段も検討が必要です。
- 成年後見人の申立て
- 面会交流の調停申立て
- 家庭裁判所への申立て
- 財産の不正流用に対する刑事告発
大切なのは、“何かおかしい”と気づいたときに動くことです。
■“自由に会える”ことは「当たり前」ではない
私がこの活動を通じて最も大切にしている視点があります。
それは、
「親が会いたい人に自由に会える」
「話したい人と自由に話せる」
「自分で選び、自分で決めることができる」
という、当たり前のようで、当たり前でなくなっている
**“人としての尊厳”**を守ることです。
■親の尊厳を守るために、あなたにできること
- 「囲い込み=心理的虐待」という視点を持つ
- 違和感を感じたら、遠慮せず“介入”を考える
- 家族だけで抱え込まず、専門家に相談する
そして、
「今からでも遅くない。親とのつながりを取り戻したい」
そう願う方が一人でもいる限り、私はそのためのサポートを惜しみません。