こんにちは。
高齢親の買い込み 解放アドバイザーの白岩俊正です。
公認会計士・税理士として静岡市で会計事務所の代表を務めております。
その相続業務の中などで、40~50代などになった子どものひとりが高齢親を囲い込んで他の兄弟、親戚などに会わせないというケースが散見されます。
きょうだい・家族の不仲、財産目的、また他の兄弟の虐待から親を守るため、など様々な状況がありますが、その解決は困難です。
ですが何もしないと状況は解消に向かわないため当事者の方はぜひ積極的に行動されてください。まずは情報収集をおすすめします。
今回は「囲い込まれた高齢者が受ける心理的・身体的影響」についてお話しします。
高齢化が進む現代において、見過ごされがちな「囲い込み」という問題。
一見すると守られているように見える環境でも、実は高齢者の尊厳や心身の健康が脅かされていることがあります。
動画も作りました。
「囲い込み」とは何か?
「囲い込み」とは、高齢者が家族や特定の人物によって、外部との接触を断たれ、自由な意思決定や行動が制限されている状態を指します。
たとえば──
- 親戚や友人との交流を禁じる
- 外出を制限する
- 情報や金銭の出入りを管理される
など、一見“保護”のように見えても、実際には孤立とコントロールを生む行動です。
囲い込みが起こる背景
囲い込みは、以下のような理由で起こることがあります。
- 財産管理や相続の利権をめぐる争い
- 介護保険や年金の独占
- 家族内の支配欲や対立
- 「外部からの影響を避けたい」という過剰な保護欲
本人の意思を尊重することなく、周囲の事情や感情が優先されると、囲い込みは静かに始まります。
心理的な影響
囲い込まれた高齢者は、次のような深刻な心理的影響を受けます。
① 孤独感の深まり
外とのつながりを絶たれた高齢者は、「自分は誰からも必要とされていない」と感じやすくなります。
長年築いてきた人間関係を断たれることは、大きな喪失体験です。
② 抑うつ・無気力
楽しみが減り、外出や会話もなくなると、心のエネルギーが枯渇します。
うつ状態や無表情、認知症の進行にもつながる恐れがあります。
③ 自己否定・無価値感
「家族に迷惑をかけている」「生きている意味がない」といった思考に陥ると、心の痛みはさらに深まっていきます。
身体的な影響
囲い込みによって活動範囲が制限されると、身体面にも悪影響が及びます。
① 活動量の低下
歩く機会が減り、筋力が衰え、転倒や骨折のリスクが高まります。
「寝たきり」へとつながるきっかけにもなります。
② 生活習慣の乱れ
昼夜逆転、食欲不振、薬の飲み忘れなど、基本的な生活習慣が乱れ、健康状態は急速に悪化します。
放置すれば、心身ともに悪化の一途へ
囲い込みは、本人が声を上げにくく、外部からも気づかれにくいという特徴があります。
ですが放置すれば、心と体の両面で深刻なダメージが蓄積していきます。
最後に:次回予告
次回の記事では、**「囲い込みに気づくためのチェックポイント」と「実際に起きた事例」**を取り上げます。
ご家族や周囲の方にとって、気づきのきっかけになれば幸いです。
動画も作りました。