高齢になった親の居場所がわからなくなった、会わせてもらえないという状態に私もなりました。
高齢の親が家族(自分以外のきょうだいなど)によって“囲い込まれる”という問題が、実際にいろいろな家族で起きているのです。
この記事では、この「高齢親の囲い込み問題」について、なるべくわかりやすく整理し、家族として何ができるのかを考えるきっかけになればと思い、書きました。
高齢親の囲い込み問題とは?
現代家族が抱える新たな課題
はじめに
「気づいたら、親と2年以上会えていない」
「兄に親の居場所を聞いても教えてくれない」
そんな声が増えています。
今、高齢の親が家族の一部によって“囲い込まれる”問題が深刻化しています。
この記事では、実際に何が起きているのか、なぜ問題なのかをわかりやすく解説します。
囲い込み問題とは?
高齢親の囲い込みとは、ある家族(主にきょうだいの一人)が、高齢の親との面会や連絡を、他の家族や親戚、友人などから遮断してしまうこと。
例えば――
- 兄が父を施設に入所させたが、施設名を教えてくれない
- 「混乱するから会わせない」と言って、連絡先も会う機会も封じられる
- 財産や介護情報も一切知らせてくれない
このようなケースが、いま各地で増えています。
なぜ問題なのか?
1. 親の人権と尊厳が奪われる
たとえ認知症があっても、「誰に会いたいか」は本人の意思。
それを無視して周囲から隔離するのは、人権侵害に近い行為です。
2. 家族関係の分断を引き起こす
「自分だけが正しい」という思い込みや相続トラブルが絡み、きょうだい間の断絶を生みます。
3. 虐待や不正の温床になることも
面会を制限されると、介護放棄や金銭トラブルが外部から見えにくくなるため、深刻な事態につながる可能性も。
なぜ今、増えているのか?
現代の家族の構造や社会背景には、以下のような要因があります。
- 少子化により、介護が一人に集中しやすい
- 核家族・遠距離・関係の希薄化
- 過去の家族の確執や信頼関係の崩壊
- 「親を守る」という正義感が、支配欲に変わるケースも
- 施設や成年後見制度への理解不足
どうすればいい?
▶ 親の意思を尊重することが最優先
「会いたい」「話したい」という気持ちを叶えることが基本です。
▶ 家族全体で話し合う機会を持つ
できれば親が元気なうちに、終活や介護・相続の希望を話し合っておくのが理想です。
▶ 専門機関に相談する
- 地域包括支援センター
- 家庭裁判所(面会交流の調停・審判)
- 弁護士や行政書士など専門家
まとめ
高齢親の囲い込みは、単なる「兄妹ゲンカ」ではありません。
これは、親の尊厳・きょうだいの関係性・家族の未来に関わる、大きな問題です。
もしあなたや周囲の方が「もしかして…」と感じたら、どうか一人で抱え込まず、信頼できる第三者に相談してみてください。