9/17委員会傍聴レポート-保育園給食検査の陳情 | Relationship座間

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「保育園の給食の放射能検査を求める陳情(⇒こちら )」
前回6/13委員会にて継続審議(⇒こちら )となっていました。

 
続きの委員会審議が9月17日に行なわれました。
 
追加資料の説明と傍聴に行ってきましたので、ご報告します。
 
  健康福祉常任委員会
    <委員長>  佐藤弥斗さん(ざま大志会)
    <副委員長>小野たづ子さん(公明党)
    <委員>    竹田陽介さん(新政いさま)
            星野久美子さん(日本共産党座間市議団)
            伊田雅彦さん(新政いさま)
 
  市役所の担当部署
    福祉部の部長さん、保育課長さん、他
 
  傍聴されていた議員さん(座られていた順)
     安海のぞみさん・加藤陽子さん(神奈川ネットワーク運動・ざま)、
     沖永明久さん(会派に所属しない議員)、
     守谷浩一さん(日本共産党座間市議団)
 
  一般の傍聴者:2名
 
尚、傍聴しながらのメモなので、主旨はあっていると思いますが、言い回し等が
実際に語られた言葉と相違がある旨は予めご了承ください。
 
 ★   ★   ★   ★   ★
 
市役所からの案件の審議の後、13:50から陳情の審議が始まりました。
 
最初に追加で提出した参考資料を説明する時間をいただきました。
 
 【参考資料5】しきい値なし直線モデル(LNTモデル)と対策⇒こちら
 
 【参考資料6】子どもに対する被ばくによる健康影響⇒こちら
 
陳情者:参考資料5と6という2枚を追加で提出させていただきましたので、それについてのご説明をします。
      先ず【参考資料5】の「しきい値なし直線モデル」についてご説明します。

      これは日本政府が防護基準を採用している「国際放射線防護委員会(ICRP)」も支持している国際科学におい

      て主流の考え方です。

      どのような話しかと申し上げますと、”低線量の被ばくにおいて、被ばくの積算量と健康被害の確率は正比例す

      る”という理論です。

      資料の下の方に書いてある模式図的なグラフは、横軸が「被ばくの積算量」を表しており、縦軸が「健康被害の

      確率」です。上に上がれば上がるほど、右に行けば行くほど、増えるというグラフです。斜めの線が「しきい値なし

      直線モデル」の考え方を表しています。横軸の「被ばくの積算量」が増えていくと「健康被害の確率」が無段階に

      上へ上がっていく。例えば左側の図で”給食の分の被ばく量が減ると”という例えを書いてありますけれども、

      それが減ると「健康被害の確率」が下がります。右側の図では逆に”給食において被ばく量が増えると"という

      例えを書いていますが、それに伴って「健康被害の確率」が増えます。

      従って、被ばく量を減らす対策を一つ一つやることに効果がありますし、また、それを一つ一つ進めていくことが

      現実的な対策になる、ということを示しています。
      次に【参考資料6】の方です。グラフを書いてありますけれども、”同じ被ばく量を同じ人数の人が受けたときに、

      年齢によって放射線によるガン死がどのくらい違うのか”というグラフです。

      ご覧の通り、年齢が小さい方が人数が多く、”同じ被ばく量でも、平均的な大人40歳くらいを基準にしてみたとき

      に、子どもは少なめに見ても6倍以上の確率で健康被害を受ける”ということを表しています。

      それはなぜか?ということを補足しますと、”放射線によって遺伝子が壊されやすいのは細胞の分裂中です。

      従って、細胞分裂が活発な子どもは放射線による健康被害を受けやすい”。

      それを表しているグラフだということになります。
 
佐藤委員長(議長):陳情者の方に質疑のある方はいますか?
 
沖永議員:資料の提出をいただいた「しきい値なし直線モデル」と「子どもに対する被ばくによる健康影響」」については、

       わかりました。その上で陳情者にお聞きしたいのですが、率直に言ってこうした声も聞かれます。

       それは”給食というのは、一日の食事が通常3食だとして三分の一、更に年間トータルで言えば約六分の一

       程度である。それだけを測定しても意味がないのではないか。"という意見もあるようですが、こうした意見に

       ついて陳情者はどういう風にお考えですか。
 
陳情者:”六分の一もある”から栄養士さんを雇って栄養管理に気を配っているはずなのに、その論理が逆に使われてい

      ることを不思議に思います。
      今の論理は問題点が二つあると思っています。
      ただいま資料を出させていただいた【参考資料5】の「しきい値なし直線モデル」、これを理解していないのではな

      いかというのが、先ず一点目です。”六分の一”での被ばく量が抑制できれば、それだけ被ばくによる健康被害の

      確率を抑制できます。逆に、そのぶん被ばくすれば、健康被害の確率が上がる訳です。ですから、意味がないと

      いうことはないというのが私の考えです。
      それから、もう一点の問題です。”給食は保護者が食材を選択することができない”という特性があることを忘れ

      ているのではないかと思います。家庭においては各保護者が、品目、産地、放射能検査の検査の状況、流通経

      路などの色々な情報に基づいて、食材を選択することができます。一方で給食は、”子どもの心の問題などを考

      えると、事実上、給食を食べざるを得ないという半強制的な側面がある”と思うのですが、その中で保護者は食材

      を選ぶことができません。ですから、そういった特性を考えた時に”給食は可能な限りの安全の確保と信頼の確

      保を得るように努力しなければいけない”と思います。その点でも、今の論理はおかしいと考えます。
 
(ここから市役所との質疑応答になりました)
 
星野議員:当局(市役所側)にお聞きします。以前の委員会では”国が安全と言っているものは安全なので”とおっしゃっ

       ていましたが、今、福島第一原発にて汚染水が非常に漏れ、それが海に流出し、土壌にも染み込み、前回の

       委員会とは状況が変わってきたと思うのですけれども、それに対して”まだ国の検査が追いついてきている状

       態ではないのではないか”と考えますが、その件についてはどのようにお考えですか。
 
部長:国に要望を上げさせていただいて、それは基本的には食材が必ずしも安全ではないと...。それで国にて基準を

    作っているのは事実...それは影響があるからという認識でいます。

    只、一点、先ほど陳情者の説明で六分の一の食材という話しがあったのですけれども、じゃあ六分の一の全部が

    汚染されているのか?...全部だとは思っていません。
 
星野議員:たぶん陳情者の方は六分の一の全てが汚染されていると言ったのではなくて、汚染されている物質を摂取す

       ることが少なければ少ないほど健康被害の確率が下がるということをおっしゃっているのだと思います。
       国に要請は出していると今おしゃったのですけれども、それは”国がもう少しちゃんと検査してくれ”という風な要

       望を出しているということですか。それとも”基準を下げてください”という要望を出しているということですか。
 
保育課長:一律の基準で全国統一して欲しいという考え方です。その中で安全な食品の流通をお願いしたいということ。
 
沖永議員:当局(市役所側)に質問します。今回配られた参考資料で「子どもに対する被ばくによる健康影響」というの

      は、恐らく、よく言われる”子どもの放射線に対する感受性”を示しています。これを見ても、0歳児と平均的な大

      人を比べると約8.8倍、5歳児では7.8倍。保育園の対象年齢から言えば、この対象になります。

      特に、こうした”保育園に預けられる年齢層の子供たちが、同じ量の被ばく量であっても大人に比べてはるかに

      健康被害の影響を受けるリスクが高まる”ということについて、当局は承知をされていましたか。また、これをどう

      思われますか。前提として承知をしていましたか?、その上でこの状況をどう思われますか?。
 
部長:こういう数値には色々な学者さんの色々な意見の方がおられると思うのですけれども、このこと事態は否定も肯定

    もできるだけの、申し訳ありませんが、そういった部分はない。ですから、こういった、ある程度の専門家が言うこと

    は”そういうことなんだ”というような知識しか持ち得ない...。
 
沖永議員:恐らく、子どもの被ばくに対する感受性が高いということについてはほぼ全員の学者の方々がどんな立場であ

       ろうと認められる事実だろうと思いますけれども、そういった認識であるということが良く分かりました。

       次にお伺いしたいのは、福祉部長に対して言えば、これまでどういう見解をとってきたかと言うと”国の流通全体

       あるいは食品全体の安全が担保されなければだめで、一部だけやってもだめである。国全体できちっと対応す

       べき。”と...これが前回の答弁の中身にありました。また、先ほどの陳情者の六分の一の話しがありましたけ

       れど、”六分の一全てではない”という話を先ほどの質疑に対してされていました。でも、そのリスクを最大限減

       らしていくということからすると累積の被ばく線量を少なくしていくということが大事だと思いますけれども、

       改めて、陳情者の意見に対してどのように思われましたか。
 
部長:やはりですね、本当に、里帰り出産から始まって、正確な情報でなくて申し訳ないのですけれども、だいたい7割くら

    いの方が里帰り出産をされるというようなことが言われております。ですから、座間市内にということではなくて、全

    国各地に当然散らばる訳です。そういった部分で、そもそも、そこから子育てが始まっていく訳です。それで、そうい

    った部分で、必ずしも座間だけに定着される訳でもないし、日常生活でも座間だけのものでもない。”母親になる若

    い女性にしても、全てが、基本的に、そういった物が体に入らないようにしなければならない”ことが大前提ですか

    ら、そういった意味ではやはり”国が、絶対に、しっかり、やっていただかなければいけない”ということを考え

    て...。
 
沖永議員:”六分の一だとしても”の累積被ばく線量の低減ということに関しては、直接のお答えになっていないのです

       けれども。

       その上で、”全国的に国できちんと対応すべき”ということについて、お伺いします。今年、「来年度の施策・

       制度・予算に関する要望書」の中で、「食における放射能対策について」というのを新規で要望事項に加えら

       れましたけれども、この要望に関しては、取りまとめたのは企画財政の方でしょうけれど、福祉部の方も要望

       として上げたということで宜しいでしょうか。
 
部長:その通りです。
 
沖永議員:私もこの要望書を拝見いたしまして、「食の安全は、学校給食や保育園給食における食材は当然ながら、全て

       のものが安全である必要があり、国の責任において食の安全対策を講じるよう要望します」と書いてあります

       が、”具体的に何を要望しているのか”が私には理解できませんでした。

       やはり受ける側の国としても”何を要望として求められているのか”を具体的に...。例えば、サンプリングに

       関して言えば”陳情者の資料でも明らかなようにサンプリングをくぐり抜けて流通している現実がある、今の基

       準である100Bq/kg以上のものが市場に流通している現状がある。”ということに対して、その”サンプリング

       を強化して欲しい”ということなのか。あるいは”この100Bq/kgという基準が高すぎるのではないか”というこ

       となのか。あるいは”保育園だとか学校だとかを地方自治体がやる場合にちゃんと財政的な補填をして欲し

       い”...まぁ現状は他のところも測定業務については東京電力に請求をしてほとんど払っていただいていると

       思いますけれども...そういう財政的な要望をするのか。そこら辺が明確でないんです。

       なぜ、こういう内容の要望書なんでしょうか。
 
部長:ちょっと抽象的であるというお話しですけれども、基本的にはサンプリングの強化が私たちの考え方にある...。

    結局、元から拡散した場合、いわば宝探しみたいなのが現状。極端な話し、言い方が悪いですけれども、”いったん

    散ってしまったら、そこのところでチェックする”ということになっている訳ですけれども、元々本来であれば”大元を

    シャットアウトすれば、そういう必要がなくなる訳です”と考えています。

    そういうところで、サンプリングの強化が...。
 
沖永議員:”サンプリングの強化”と言われるが、”サンプリングがどのような状況で行なわれているのか”を

       ご承知ですか。
 
部長:基本的には、各出荷元とか、各工場とか、そういうところで検査をされて、あるいは魚なんかにしても実験的に出荷

    できるか?できないか?というようなことで検査して高かったら...というようなことをやっているというような...

    ニュース情報ですけれども。。。
 
沖永議員:恐らく製造元で検査をしているとうことは、私の知る限りでは、事例として少ないと思います。

       基本的には、産地あるいは水揚げをしたところ、そういったところでどこが行なっているかというと、地方自治体

       が行なっているんです。国は実際にできない。地方自治体、県レベルの食品衛生研究所だとか、そういった

       ところが中心になって行なっています。

       それを更に強化をしようと思ったら、学校給食だとか、そういったところも含めて...国は機関をもっておらず、

       実際に測定を強化する場合でも実動となるのは地方自治体なんです...そういったところの活動を十分に

       研究をして、地方自治体に対して何らかの財政的な措置をして、各市町村へ、実際に実現できるようにという

       ことを迫るのが筋なのではないかと思うのですけれども。
 
部長:地方自治体ということなんですけれども、結局は国がしっかりとした方針を示していただく。だからサンプリングの

    強化であれば、そこのところでしっかりとした対策をしていただくということ。
 
沖永議員:分かりました。もういいです。
 
 
~質疑応答は以上でした。この後、別の陳情の審議がされ、休憩に入りました。(14:30)~
 
   休憩中に陳情の取り扱いについて、相談が始行なわれました。
   採決するか?継続審議とするか?の相談です。
   継続審議を求める委員さんはなく、採決されることになりました。
   尚、正式な議事録に休憩中のやり取りは残りません。
 
~休憩中の終わり。ここから正式な委員会が再開されました。(14:40)~
 
 
佐藤委員長(議長):委員会を再開します。
 
(討論については、賛成討論も反対討論も、ありませんでした)
 
佐藤委員長(議長):これより採決に入ります。
              陳情第9号を採決いたします。本陳情は採択されることに賛成される方の挙手を求めます。
 
        挙手をされた(採択に賛成された)議員さん…     星野議員(日本共産党座間市議団)
        挙手をされなかった(採択に反対された)議員さん…小野議員(公明党)
                                            竹田議員(新政いさま)
                                            伊田議員(新政いさま)
        (委員長の佐藤議員(ざま大志会)は議長なので採決に加わりません)
 
佐藤委員長(議長):挙手少数であります。よって、陳情第9号は不採択と決しました。
 
 ★   ★   ★   ★   ★
 
 
不採択という結果になり、6月30日(月)に行なわれた本会議に進みました。
 
 
大小指摘したいことがたくさんあります。しかし、ここでは二点についてだけ触れます。
 
座間市役所の姿勢について・・・
 
  質疑応答の中でも登場しましたが、
  座間市役所は、今年になって、”食の安全対策を講じる”ことを求める要望書を国へ提出しています。
 
    食の安全における放射能対策について(新規)
    東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故の放射能問題が今なお社会全体に様々な影響を

    与えている中で、日常生活における食の安全確保は必要不可欠なものであります。
    食の安全は、学校給食や保育園給食における食材は当然ながら、全てのものが安全である必要があり、国の

    責任において食の安全対策を講じるよう要望します。
 
  このことは給食食材の安全性に問題があると座間市役所が認識していることを意味します。
  それにも関わらず、そのまま給食として子どもたちに食べさせている。
 
  質問の主旨に沿った内容の答弁もほとんどせず、
  言い訳を一生懸命に探していらっしゃりますが、これが事実です。
 
 
反対された議員さんの姿勢について・・・
 
 6月の委員会でも、今回の委員会でも、一言も言葉を発せされませんでした。
 本当に一言も、です。
 
 「議会」の「議」、「議員」の「議」、は国語辞典によると・・・
 
    【議】 1.話し合い。相談。 2.意見。考え。提案。
 
 ...という意味です。
 
 そういう場になっているでしょうか、そういう役割を果たされているでしょうか。
 職責を放棄されていませんか。
 
 黙っていらっしゃるので、反対の理由も分かりません。
 
 黙して葬り去りたい、そういう事情があるのではないか?
 脳裏に子どもたちではない別の顔が浮かんでいるのではないか?
 そのような疑問も湧いてきます。
 
 
 
 
文章:高木 公房