祖母の話 続きです。
祖母はとてもお料理上手で
いつも手間と時間をたっぷりかけた
美味しいものをたくさん
家族7人分作ってくれました。
その中でも格別だったのが五目寿司。
家族の誕生日
お節句 お祭り お祝いごと
お客様がいらした時など
みんなの笑顔の中央に
いつも五目寿司の木桶が鎮座していてね。
今はレトルトでご飯に混ぜるだけで簡単!
という五目寿司もあるけれど
祖母は一から作っていたな。
かんぴょうを水で戻し
干し椎茸もやっぱり戻して甘辛く煮て
白滝 人参 レンコン 竹輪 絹さやを細かく刻み
それぞれ彩りよく味付け。
あとはシラス 桜でんぶ ゴマだったかな。
それら1つ1つの具材を準備しては
酢飯に混ぜていく。
小さな私は酢飯を冷ますうちわ係。
甘〜い桜でんぶをちょいちょいつまみ食いしながら
大きな木桶に広げられたご飯を
切るように混ぜる祖母の隣りでパタパタあおいだ。
少し大きくなって
最後にふりかける海苔を細く切れるようになり
もっと大きくなったら
飾りの薄焼き卵の細切りも
見よう見まねで作ってみたりしてね。
結婚してからこの五目寿司に挑戦して
何度か自分で作ってみたけれど
なんか全然違うんだよね。
とうしてもおばあちゃんのような美味にならない。
ミリンを煮切るとか
お砂糖と塩の塩梅とか
個々の具材の味付け具合とか
後はもう経験値かな
おばあちゃんだからこそのコツがあったのだと思う。
そして もうひとつ
懐かしいのが手作りの「草もち」
両親が自営業で仕事が忙しかったので
幼い頃から祖父母と出かけることが多く
よく連れられて行ったのがお墓参り。
今は祖父母と母が眠るここね。
親戚のお墓もこの一帯に点在していて
いくつかのお墓に手を合わせた後は決まって
今はもうないけれど 近くの小高い丘で
よもぎをいっぱい摘んだのね。
家に帰って
よもぎの土を洗い落として
大きな鍋でドサッとゆでる。
袋にいっぱい
あんなに何袋も摘んだのに
茹でてギュッとしぼるとすっかり小さくなっちゃって。
それをすり鉢ですって
お餅の生地に混ぜ合わせ
カレーパンマンみたいな形で
手作りのあんこをくるんで出来上がり。
これも大好物だったな。
よもぎの繊維が見える緑のお餅はちょっと弾力があって
ちょうどいい甘さのあんこも美味しかった。
お墓参りに喜んで行ったのも
(また 草もち食べられる~♬)
という安易な思いからだったかも。
なので 私の中では
「お墓参り&草もち」がセットになっているんだよね。
また食べたいけれど
同じ味はもう二度と味わえないな。
でも どんな味だったか どんな食感だったか
はちゃんと覚えているものだね。
覚えているのは料理や味だけじゃなくて
それらが作られるまでの時間と
その時間の中にいた祖母と私。
こうして思い返すと するする出てくる。
おばあちゃんの美味しい五目寿司と草もち
そして 重ね合わせた時間に思いを馳せつつ
合掌
手芸も得意だった祖母作 木目込みの毬
忘れられない思い出


