今日は少し長めです
すみません
(2009年9月11日付読売新聞記事より)
法律家 問われるモラル
「もうけ本位」 生活再生の視点なく
「松山たちばなの会」の青野さんは「面接なしの処理では、債務者の生活状況に見合った解決は図れない」と話す(松山市で)
愛媛県松山市にある多重債務者の支援団体「松山たちばなの会」には、今年に入り、「弁護士による債務整理で、ますます暮らしが大変になった」という相談が寄せられるようになった。同会の相談員、青野貴美子さんは「債務整理の目的である生活再生の視点が欠けている。法律家の信用問題だ」と嘆く。
松山市の男性(38)は昨年6月、インターネットで見つけた東京の弁護士に、消費者金融4社から借りた約69万円の債務整理を依頼した。その結果、和解額が3万円減の66万円、弁護士報酬が17万円だった。合計額は83万円。男性は「債務を整理した意味がない」と訴える。
昨年2月、東京の弁護士に債務整理を依頼した県内の主婦(36)は200万円を超える過払い金(貸金業者に払いすぎた利息)を取り戻した。しかし、弁護士とのやり取りは電子メールと書類のみ。「夫に知られたくない」との思いから、夫名義やヤミ金からの借金計5件は弁護士に告げなかった。
過払い金は、ヤミ金に言われるがままの額を一括返済したり、滞納していた税金の支払いや生活費にあてたりしているとなくなった。まもなく完済しきれなかった夫名義の借金の返済が滞り、再びヤミ金からの借金が始まった。借り入れた5万円の利息は、1週間で5万円。
ヤミ金への返済をヤミ金からの借金で賄う自転車操業に陥り、返済に窮すると、ヤミ金の指示で携帯電話を女性名義で購入したり、銀行口座を作ったりという詐欺行為に手を染めた。1年後には約270万円の借金を抱えることになってしまった。
たちばなの会から連絡を受けた地元弁護士は「多重債務者は後ろめたさや恥ずかしさで、簡単にはすべての問題を明かさない。根気強く問題点を聞き取って解決に導く弁護士としての職務を怠り、女性の立ち直りを遅らせた」と、面談なしで処理した東京の弁護士に疑問を呈する。
◎
法律家による債務整理が、生活再生に結び付かないケースが顕在化している。
多重債務問題を巡っては、2006年1月に最高裁が利息制限法と出資法の上限金利の間の「グレーゾーン金利」を認めない判決を出して以降、過払い金の返還を求める動きが活発化。債務整理を手がける法律家が急増した。
一方で目につき始めたのが、「過払い金が戻ってこない」「報酬が高くて支払えない」といった法律家への苦情や相談だ。テレビやインターネット広告を見て、遠隔地の弁護士に依頼し、コミュニケーション不足でトラブルになる例もみられる。
全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の本多良男さんは「法律家のもうけ本位が目に余る。潜在的な被害はもっとあるはずだ」と指摘。今後、各地の被害者団体から情報を集め、悪質事例については、各地の弁護士会などへ苦情を申し立てる考えだ。
◎
トラブルの増加を受け、日本弁護士連合会は7月、直接面談を原則とすること、他の債務の存在を知りながら過払い金返還請求のみを引き受けないことなどを求める指針をまとめた。
弁護士で、全国クレジット・サラ金問題対策協議会(神戸市)代表幹事の木村達也さんは「指針の内容は極めて当然のこと。法律家にも厳しい目が向けられており、自らの役割と責任を再認識する必要がある」と話している。
(2009年9月11日 読売新聞)
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I、弁護士費用について
弁護士費用については、依頼事件に着手した段階で支払う「着手金」と、一定の成果を出せた場合に支払う「報酬」とがあり、相手方の業者の種類によって多少の違いがあります
具体的な金額については、以下のようなものが一般的です
①相手方が一般業者の場合
<着手金>
1業者あたり3~4万円
<報酬>
基本:1業者あたり3~4万円
返済額が減額された場合:減額された額の1割
過払いとして返還を受けた場合:上記の報酬の他にその返還額の2割
②相手方が高利業者(いわゆるヤミ金など)の場合
<着手金>
1社から10社まで:1社当たり3~4万円
51社以降:1社当たり5千円
<報酬>
返済額が減額された場合:減額された額の1割
過払いとして返還を受けた場合:上記の報酬の他にその返還額の2割
ただし、上記の金額はあくまで弁護士会が定めた報酬基準なので、各法律事務所ごとに差異はあります。(例えば、着手金を低く設定して報酬金を高く設定するなど)
Ⅱ、借金減額の可能性について
借金は、基本的に返済期間が長くなればなるほど減額の可能性が高くなります
一応の目安として、5年間返済していれば半額、7年間返済していればゼロ、それ以上であれば過払いの可能性があると言えるでしょう
ただし、これもあくまで目安であり、頻繁に借りては返すという自転車操業では減額があまり期待できないこともなくはありません
Ⅲ、上記二項目より
Ⅰより、弁護士費用は借入を行っている業者数が多くなればなるほど大きな額になる可能性があります
これは、依頼を受けた弁護士が借入をしている業者それぞれと和解相談を行わなければならないためです
また、Ⅱより、返済額の減額は返済期間が短いほど期待できなくなります
これは、年月が経過すればするほど利息額が膨らんでいくためです
(借金額の減額は、業者の利息の取り過ぎを根拠に要求するものです)
したがって、極めて短期間の間に多数の業者から多額の借入を行ってしまった場合には確かに任意整理によるメリットが小さくなる可能性があります
しかし、一般的に今回取り上げた記事にあるようなケースは極めて珍しく、大抵は多少なりとも負担は軽くなるものです
なぜなら、このようなケースが頻発してしまっているとすると、債務整理を行おうとする人はそもそも少ないでしょうし、だとすると債務整理を行う法律事務所も今現在のように多くはないはずです
また、弁護士に債務整理を依頼する際のメリットは、なにも返済額の減額のみにあるのではなく、弁護士に頼んだ時点で借金の督促が来なくなるなどと言った精神的な安定にもあります
ですが、悲しいことですが確かに弁護士の中のごく一部には、もうけ本位の悪徳弁護士も存在します
それは、人命救助に尽力しておられる多くのお医者様の方々の中にも、本当にごく一部の悪徳な医者が混在していることと同様です
ですが、多くの弁護士の方々は、多かれ少なかれ、借金等の債務に困っている方々の手助けをしたいと思ったからこそ、このような業務に携わっているのです
ですので、ごく一部の悪徳な弁護士さんにおびえて借金生活を続けるよりは、是非一日でも早いご相談をおすすめします
そのためにも、上記の弁護士費用や債務総額の減額等の目安を参考にして頂けると嬉しいです