この子も、やがてぼくのオカンくらいの年齢になる。

「風の中のマリア」という本を読みました。

百田尚樹さんのずいぶん前の小説です。

とても変わった題材で、主人公はスズメバチ。

おとぎ話？

絵本？

・・・どちらも不正解で、ほんものの蜂の物語を描いた小説です。

つくりものだから名前があったりセリフがあったりしますが、実際の生態として描かれています。

女王バチの産卵のために餌を取りに行き、巣を守り、恋もせず、ひたすら帝国のために戦い、最後まで子孫繁栄のために生きる、メスバチの物語。

たった30日ほどの成虫の人生に、あどけなさと老練さが、学ぶ側・教える側、それぞれの側面が浮き彫りになり、存在したことそのものがバトンのようにして消え去っていく・・・一匹の、人間から見たら小さな小さな生き物の物語です。

何度も泣きそうになる、すばらしい小説でした。（読み終わるのがイヤで、後半ちょっとずつ読んでました）

そして、現実世界に目を向けると、もうすぐ春。

ぼくの絵画教室も、進学などで生活スタイルが変わり、アトリエを去る人、新しくやってくる人、いろいろな変化が訪れます。

絵を描いている小学生の女の子を見ているとふと思うことが。

「この子も、やがてぼくのオカンくらいの年齢になる」

退院して来たばかりのオカンも逆に、この子くらいの時代があり、「風の中のマリア」の主人公のように本人にしかわからない生き様の歴史があるのだなあ、とふと思いました。

絵画教室では、常にぼくは目撃者でしかありませんが、ここでしか出会えない人々と、また時間を紡いでいきます。

さて、お知らせです。

現在、切り絵アーティストHachは、これまでと少しちがったアート展開催を企画中。

そのためのクラウドファンディングを実施しております。

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※2024年3月現在

写真×切り絵/画期的なアート展「きりあと」
クラファンがスタートしました

【3月の展示・イベント情報】

【展示】

終了しました●「猫を愛する芸術家の仲間達2024」

2/22~3/3

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3/23（土）TORES（姫路市）

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