これは新居浜のレコードもある古本店にてゲット品。

2階吹き抜けの回廊状の通路の床置きエサ箱に、ガサッとぶち込まれているレコード群から突如コレが出現。外袋はかなりホコリが付着しており、かなりの年月売れ残ってきたと思われます。こういうところでこういうレコードを拾うのは、レア盤があるのが当然の店でレコードを見つけるよりもキブンがアガります。
さてコレは、アメリカのサックス奏者ベニー・カーターのリーダー作『ストリート・オブ・ドリームス』。高音質録音盤を通販で頒布していたレーベル、ロブスター企画の音盤。リーダー以外は日本人で、ドラムなしギターありのワンホーン・カルテットの国内録音です。
さてこの録音はかなり特殊な音。というのはサックスがこんなに近接録音されているのはあまり聴いたことがないのです。あまりに近いためかサックスの「リードの音」がハッキリと聴こえます。
サックスは管楽器の中で「リード楽器」に分類され、クラリネットの仲間。リードというのは音の元になる振動板のことで、オーボエやファゴットはコレを2枚使うので「ダブル・リード」楽器と呼ばれます。草笛をぷ〜と吹いて遊ぶ、アレですね。これが1枚なのがサックスというわけ。演奏するときにはリードを装着したマウスピースを口にくわえ込み、振動を制御するためくわえる力を調節して息を吹き込むとリードが振動して音の元になるのです。ジャケットのベニー・カーターを見ると、ハムっとマウスピースをくわえ込んでいるため頬にエクボができてますね。(このハムつとくわえる口の形をアンブシュアと呼びます)リードが振動する音はあまり心地よいものではないので通常録音されませんが、ここではガンガンに録音されているのが貴重です。
リードが振動する音は「コツン」みたいな硬い音で、聴くと少しゾワッとくるところは咀嚼音などゾワる音である「ASMR」的といえるかも。演奏が終わってマウスピースを口から離す「プハッ」という音がしっかり収録されている曲もあります。
演奏はスイング時代から活躍していたレジェンドだけあり、自在な演奏に凄みを感じます。