これはだいぶ前に買って聴いてなかったのを発見盤。
23歳でこの世を去ったトランペット奏者ブッカー・リトルの生前最後の録音盤。91年に新星堂が企画したレーベル横断アナログ再発の1枚。
再生すると演奏前に「サー」というホワイト・ノイズがわりと盛大に入りますが、ワタシはむしろコレがあるのが歓迎。というのはテープのヒスノイズが入っているということはマスターテープをフラットにトランスファーしている可能性が高いということだから。逆に妙に静かだと「何かいじったな」とイヤな気分になります。テープに問題があったのか2曲目だけモノラルで収録してます。(このアルバムは何回か国内盤で出ているようですが、これ以前のも同じようなので、元々かも)
このアルバムは61年後半という時期もあり内容は普通のハードバップではなく、バップのマナーに従いながら新しい響きを作っていかんとする雰囲気が。一曲のスタンダード以外はブッカー本人が作曲しているのも気合が入っていると感じます。
ああ、なのに!添付されているライナーの筆者は最後に収録されているバラード曲についてかく曰く。「絶作になるのを暗示するかのように、暗く沈鬱なムードに包まれた曲」「沈痛な響きがいつまでも耳の奥底に残るように感じる」この最後の曲は管アンサンブルでかなり複雑なハーモニーを演奏しており、新しい響きを創り出さんとする意欲がビシビシ感じられます。最後が和声的に解決感のない音で終わりますが、これは暗いのではなく「まだまだやりたいことあるぜ!、次はもっとやるぜ!」という意思表示でしょう。なので尿毒症で急逝してしまったのはさぞかし無念だったろうとは思いますが、それと筆者が勝手に感傷に浸るのは別のハナシ。
これ以前の国内盤のライナーも発見し別の人が執筆してましたが、その方はこの曲について「最後の作品と知って聴くと胸を打たれる曲」と記述。まだやや感傷は残っていて「最後と知らんと心打たれんのか〜い」とツッコミたくなりますが、曲の美しさにはキチンと言及しています。