過日、レコードを置いているオーディオ店に赴いたときのこと。店員さん(現在の店主?)が近づいて来て「オニイサン、いいハナシあるんだけど」。それによると、あるオーディオ・メーカーの営業の人が「特別な」レコードを置いていった、と。
それはアナログ界隈ではよく知られているシンガー、井筒香柰江のなんと7インチ2枚組。二組持ってこられたので一つどうですか、と。そんな「いい古伊万里の皿入りましたから1枚どうです」的なのどうなの、と思いながらも一ついただくことに。
今メインで使っているターンテーブルは45rpmにするのがメンドくさいのでそのまま放置し、未聴のまま後日お店に行った時、またその店主さんからそのレコードについてのハナシが。それによるともう一組もほどなく売れて(売りつけて?)、買った方は凄く良い音だったと喜ばれているが、「もう一組を買った人(つまりワタシ)の聴いた感想を是非聞きたい」とおっしゃっていたとのこと。
これは同じレコードを買った同士への連帯感もありつつ、「お宅のオーディオはどうかな?」というオーディオ的挑戦状だと失礼ながら勝手に解釈し、キチンと聴かなきゃ、と思った次第。
このレコードについて解説したチラシもいただきましたが、井筒香柰江はアルバムを積極的にアナログ化して音質も評価が高く、アナログ系のオーディオ・ショーのライヴ・イベントに登場したり。今回は12インチのレコード制作のついでに拘った7インチを作ろう、というハナシで普通の黒盤とクリア・ヴァイナルを試しにプレスしてみたところ、どちらも捨てがたいためどちらも作りましょう、となったようす。一つのスタンパーからだいたい1000枚プレスできるが、余裕を持って400組800枚限定プレスとなった、との説明が。
コレは楽しみ、とまず黒盤からプレイ。7インチとは思えない鮮度でセンターからボーカルがポーンと出てくる快感。B 面の「竹田の子守唄」の方がしっとりしていて好みだな〜と。さて黒盤の次はクリア盤をセットして今度はB面から再生。すると突然ありえないような歪んだ音が。慌てて針を上げて盤面を横から眺めたところ、盤がお椀状に湾曲しており針先が競輪コースのバンクの上部をまくっている状態に。おそらくゴム系のシートだと問題ないかもですが、サエクのリジッドなシートなのでモロに影響が。
オーディオ店にメールで音質の報告がてら苦言を呈したところ、わざわざ置いていったメーカーに連絡していただいたようで交換対応していただけることに。最近の新品アナログのプレス品質の悪さには辟易していたので正直「またか」ですが、限定を謳う前に、音質を謳う前に、考えないとイケナイことがあるのでは。