これはデッカのたぶん廉価盤規格である「フェーズ4」の1枚。このシリーズではアメリカのトンデモ指揮者、ストコフスキーの演奏がたくさんリリースされてますが、これは指揮者フィストラーリがイギリスのロイヤル・フィルを振ったチャイコフスキー交響曲第4番、通称「ちゃいよん」で71年発売。ネット上で見つけたこの演奏評を見てみましょう。曰く「バレエの指揮で名をなしたフィストラーリによるチャイコフスキー。リズムの明快なわかりやすい音楽づくりには、そうした彼のバレエ音楽の指揮と一脈通じるところがあるようだ。ただ、全体的にスケールはやや小さく、表現の底が浅い印象も否めない。」CDジャーナルのロゴがあるサイトだったので再発CDによる評かもしれませんが、これを読んでわざわざ聴こうと思う人ははたしているでしょうか?
ではこの演奏、UKオリジナル盤で聴いてみましょう。一楽章の冒頭からロイヤル・フィルの美しい金管が響き渡り、ゆったりとしたテンポで歌い込めた演奏が続きます。そして一楽章の中間のもっとも盛り上がるところの前あたりで、それは突然やってきます。急に重力がねじ曲がったかのようにさらにテンポが落ちて、マグマがドロドロに溶けたような地獄絵図に。テンポが遅すぎてホルンの息が切れる様子がリアルに見えるなど面白すぎ。かと思うと最後の旋律の1回めはゆったりとしていたのに2回めに突然加速して暴走。イヤ〜一楽章だけでお腹いっぱいな激オモロ盤。
改めて批評を見てみましょう。「リズムが明快」?どこが?「スケールが小さい」?「表現の底が浅い」?このCD評のこと?たくさんのCDをつまみ聴きしながらやっつけでレビューしているのがよくわかりますね。
ではあらためてこの演奏のレビューを。「オリジナル盤、サイコ〜!」