「お城のエヴァンス」で知られるピアニスト、ビル・エヴァンスの68年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでの演奏を収録したアルバム。ベーシストは70年代まで組んでいたエディ・ゴメスですが、ドラムが共演珍しいスーパー・ドラマー、ジャック・ディジョネットなのがポイント。超絶ドラムに煽られたハード・ドライヴィンな名演を楽しめます。このアルバムのUSオリジナル盤は当時輸入販売されたらしく、帯や日本語ライナーが添付された中古をよくみかけますが、音質についてはあまり評価されてません。しかしこのドイツ80年代後半プレスはまさに「ベールを脱ぎ捨てた」一枚。左にピアノ、中央にベース、右にドラムの音像がクッキリ見えるのですが、元々の遠目の音像は維持されているので「フェスのステージを少し遠目に観ているのに音はクッキリ」というちょっとありえないシチュがとても面白いのです。某雑誌の音の良いライブ盤100選の中で、UKのライブ・アルバムのハーフ・スピード・マスター盤(拙ブログでも取り上げ済)を挙げている選者がいましたが、こういう「実は音が良い盤がある」という視点が面白いのでは。