レコードを考えながら、聴く。 | 「高松のレコ万男」レコヅケのアナロ愚道日記
先日、最近乱発されているアナログ関連のMOOKをみていたら、「カッティング・エンジニア」特集が。その中にこのアルバムが取り上げられていたのですが、「オリジナルはモコモコな音で、音が厚いところではダンゴ状態になる」との記載が。それに比べて2000年代に出た高音質盤は「分離がよくなり、本当のこのアルバムを聴いたよう」なのだそう。そんなにオリジナル、だめでしたっけ??、と取り出して聴いてみました。結果は、モコモコでもないし、普通にいい音でした。送り溝には「TOWNHOUSE」の書き込みが。これはロンドンの「タウンハウス・スタジオ」でマスタリング、カッティングが行われたことを示していると思われます。ポチッとしらべてみるとどうもヴァージン・レコードが持っていたスタジオのようで、あの80年代の音の流れを変えた、といわれるヒュー・パジャムのドラム・サウンドもここで最初に録音されたようです。そんなスタジオが当時のトップ・アーティストのマスタリングで手抜きをするはずない、と考えるのが妥当。この記事の筆者は特にA面を指して批評しているものと思われ、確かに少しバックが温もりのある音ではあります。ですが私には「デジタルのサウンドをいかに温もりのあるアナログ・サウンドに移し替えていくか」という精神で溝が切られているように感じられました。同じMOOKでこの筆者は最新のアナログのレヴューも行っており、おそらく「レコード会社側」の立場の方と思われるので、まさか「安ければ700円でみつかるオリジナル盤はサウンドこそ少し古くなってますが、当時の新しい技術であるデジタルをいかにアナログに移し替えて音楽的に素晴らしいものにするかという命題に真摯に取り組んだ盤でありますが、この最新のリマスターはマスター・テープのフラット・トランスファーの名の許に音を磨き上げてヘッドフォンできいても十分に分離が良く快適に聴こえるようにした対価として数千円を払わないといけないのです」とは書けないよね(爆)。アナログが流行るのは結構ですが、流行に流されないように考えつつ、ですね。

