
このアルバムといえば、海外オークションでぱっと見、「ホワイト・アルバム」と見間違う困ったモノなのですが(っておれだけ?)。以前に記事で「ピンク・フロイドはプログレではない」的なことを書きましたが、わたくしが間違っておりました(謝)。UKオリジナルでマトリックスは2U/5U/2U/5Uなので、最初期ではないと思いますが、最近の再生能力が格段に向上した当ラボのオーディオでは素晴らしい音が鳴りました。一言でいうと「音を見せる」アルバムですね。これ以前にもあるストーリーを音像で見せようと意図して製作されたロック・アルバムはあったと思うのですが(類似例では、ジェネシスの「幻惑のブロードウェイとか)、これくらい成功しているものはこれが初めてではないでしょうか。これが79年というのは信じがたいです。まさしく映画館で映画を見ている感じでアルバムが進行します。英語はよくわかりませんが、大したことは歌っていないと思われる単純な歌詞をあの手この手で聴かせる、という方法の確率ですね。なるほどこの世界が眼前で再生されるライブが高い評価をえるはずです。と、いうことで80年代以降のロック産業の「テーマ・パーク化」に先鞭をつけた、という意味のプログレッシヴではないかと。(精神はやっぱりプログレではないと思いますが)「狂気」もこれを聴くと、この録音を成し遂げるための練習であったのか、と思うほどの完成度です。これからは、堂々のオーディオ・チェック音源仲間入りっぽいです。