映画観賞……それは時に○○億円もの制作費をかけた作品を、だいたい2000円前後で楽しめるという、めっちゃコスパの良いエンタメ……。
 これは、当劇団きっての映画好きにして、殺陣と小道具美術担当の筆者が、コロナ禍以後の現代社会において、筆者の独断と偏見といい加減な知識と思い出を元に、徒然なるままに……徒然なるままにオススメの映画について書くコーナーである。





▼『映画を語れてと言われても』



 TODAY'S
 
第二五〇回『あなたの未来の……“プロフェシー”』




 
『プロフェシー』
2002年公開
監督:マーク・ペリントン
原作:ジョン・A・キール著『モスマンの黙示』
出演:リチャード・ギア ローラ・リニイ ウィル・パットン 他

 あらすじ

 ワシントン・ポスト誌の敏腕記者ジョン(演:リチャード・ギア)は、愛妻メアリーと順風満帆な日々を送っていた。
 が、ある年のクリスマスイブの夜、運転中だった妻が何かを目撃したことでパニックになり、頭部を強打する事故をおこす。
 幸い事故によるメアリーの怪我は大事には至らなかったものの、入院時に行った検査で脳に不治の病が発覚し、そのまま数週間の入院の末にメアリーは帰らぬ人となる。
 事故の際に見た“何か”を闘病中に描いたスケッチを残して……。

 それから二年後……。

 失意の日々を送っていたジョンは、夜の道を車でDCからリッチモンドへの出張に向かった際、突然車が動かなくなり、近くの民家に電話を借りに向かうと、その家の住人ゴードン(演:ウィル・パットン)に突然ショットガンを突き付けられ『付きまとうのはやめろ!』と脅される。
 ゴードンいわく、この三日間ジョンらしき人物にずっと家を見張られていたというのだ。
 もちろんそんな覚えの無いジョンは困惑するしかなかったが、折よく駆けつけた現地の女性警官コニー(演:ローラ・リニー)によってその場をとりなされ事なきを得る。

 パトカーでコニーにモーテルまで送ってもらったジョンは、その車中、ここがポイントプレザントという町で、ここ最近、ごく善良で普通の住人達が、謎の体験や幻覚を見て心を乱す現象が多発していると聞く。 
 と、同時に、ジョンは自分が気づかぬうちに、目的地から600キロ以上も離れたバージニア州の小さな町にいることを知る。

 このあまりに奇妙な事態に、記者としてのカンが働いたジョンは、翌日、コニーに町で頻発中の奇妙な事件の証言記録を見せてもらう。
 そして、町の住人老若男女問わず起きる様々な現象や目撃証言の中に、ジョンは亡き妻が入院中に描き残していた、事故の際に見た蛾のようなシルエットの“何か”の絵と、酷似したスケッチを発見するのであった。

 はたして、ジョンとこのポイントプレザントの町に何が起きているのあろうか?
 亡き妻と町の住人が目撃した、蛾のようなシルエットは何なのであろうか!?





 さて今回はホラー映画回!
 それもハリウッドスター、リチャード・ギア主演でお送りする実話を基にして綴られた『ベースドオン・トゥルーイベント』なヤツです!


 監督はマーク・ペリントンってお方。
 ほぼほぼ存じ上げない方ですが、他にジェフ・ブリッジス&ティム・ロビンス主演の超絶怖いサスペンス映画『隣人は静かに笑う』ってのを撮っています。
 非常に堅実に不穏で緊張感ある映画を撮る人と言って良いでしょう。


 そして主演はリチャード・ギア。
 『愛と青春の旅立ち』『プリティウーマン』や、日本映画のリメイク『Shall We Dance?』や『HACHI 約束の犬』なんかで主演している、優しそうなお顔の当時のハリウッドスターのイケオジです。




 そして共演者には、舞台となる町の女性警官コニー役にローラ・リニー。
 当時売れっ子だった女優さんで、ジム・キャリー主演『トゥルーマンショー』や、本コーナーでも紹介したクリント・イーストウッド監督作『ハドソン川の奇跡』なんかに出演しております。


 さらにホラー映画としての本作における酷い目に合う係役の、現地の善良な住民ゴードン役にウィル・パットン。
 『アルマゲドン』でブルース・ウィリス演じる石油堀りの主人公の頼れる右腕だったり、ケビン・コスナー監督・主演『ポストマン』での悪役が印象深い性格俳優です。



 うむ、リチャード・ギアがいますが、ホラー映画らしいクールかつクレバーなキャスティングな気がします。



 そんな本作、筆者はちゃ~んと劇場へ見にいき、意外な拾いモノだったと大いに満足したわけですが……映画ビジネス的には、本作はややコケレベルの売り上げだったようです。

 まぁ、本作の8割くらいは、ひたすら不可思議で不穏な現象を主人公が追いかけてゆく話なので、大ヒットも難しいだろうと私も思うくらい地味なのですけどね……。
 ちなみに売り上げとは別の世間の評価は、ちょうど賛否両論半々な感じのようです。


 ともあれ……それでも、例によって本作はここで語るに値する映画と筆者は思うのです。
 

 その理由の一つは、本作が実際に存在する都市伝説、およびUMAと、実際に起きた事件に着想を得た作品であることです。


 その都市伝説とは“モスマン”のことです。

 モスマンとは、身長およそ2m、フクロウのような赤く光るまん丸お目め、巨大な翼を有し二本足で立ち、空を飛ぶUMAです。
 空を飛んだりするのでUFOとの関連や、宇宙人説やフライングヒューマノイドというUMAと同一の存在であるという説もありますが、なにしろUMAなのでその正体は不明です。

 本作はそのモスマンが目撃されたアメリカのポイントプレザントという田舎町で、実際にあった目撃証言を映像化しているわけです。
 つまり前述したモスマンの特徴は、この目撃証言を元にしたものということです。
 
 問題は、このモスマンというUMAは、狼男やらイエティやらネッシーやらチュパカブラだのの、物理的に存在する(かもしれない)タイプのUMAではなく、本作は人や家畜を襲うモンスターとのハラハラドキドキの命がけの戦いを描くタイプの映画ちうわけでは無いということです。


 モスマンは、言わば目撃される吉兆の化身なのです。
 つまり見たら何かしらの災いが起きるのです。
 その事実と謎に主人公の記者たるジョンが迫っていくのが本作なわけですが、ま~なにしろ映像的には地味であることは否めません。
 ですが、その分と~っても不気味で不可解なことが次々と起きて飽きないのです。

 中でも不気味なのは、このモスマン目撃現象と同時に、その関係者と思われる男、インドリッド・コールドなる人物と遭遇したという人が何人も現れることです。
 実質インドリッド・コールドがモスマンの人間態と思われますが、ともかく、その男が町の人の前に現れ、時には電話に出て主人公と会話したりしては、意味不明のことを言い残し、後に何某かの災いについての預言であったことが示唆されるのです。
 ちなみに、その姿は映画の中で見たり会ったりした人は出てきても、インドリッド・コールド当人の姿は映らないところがとっても不気味……。


 ここでおっかないのは……と、いうことはモスマンには、人間と同等かそれ以上の知性と意思と目的があることになる……ということです。
 本作の中では、モスマンは古代では神と呼ばれていた上位存在であり、彼にとっては人間は虫みたいな存在であり、意思の疎通など不可能である……という推測がなされていたりもします。
 それが事実かはともかく、モスマンが意思と目的があるならば、たまたま偶然遭遇するのではなく、向こうから能動的にこっちに会いにやってくるかもしれないということです!
 本作主人公は、そうやってモスマンに選ばれたらしいことが示唆され、もしそうならばその目的は何ぞや? という謎に迫るところが本作のクライマックスに向けたゴールであり、恐ろしく……そして面白いのです。





 などなどと、本作の魅力について語ってみましたが、筆者の文才の限界もあって、どうしても雲をつかむような話になってしまいます。
 どんなに頑張っても本作の8割は地味で不穏で不気味な話には変わりないのですから。

 ですが! 本作を筆者が推す理由はそこだけではありません。
 
 本作最大の魅力! ……それは、クライマックスでモスマンが現れた最大の謎が解けた際に発生する大○○です!
 実際に発生されるのはまっぴらゴメンですが、映画の中で起きる分には大好物な大○○が、本作では当時の技術の限りを尽くしてド派手に描かれるのです。
 筆者はそれを見て、あ~良い映画見たわ~……となるのです。

 はたして、最後に起きる大○○とは何なのか!!?
 それをここで書いてしまうのはあまりにも無粋、故に、本作未見の方はどうかその目でご確認下さい!!






 さてここでいつものトリビア。

 最後に起きる大○○は、1967年に実際に発生した出来事。
 ……というか本作は1967年で起きたその出来事を無理矢理2000年代に変換して作った映画……なのでそこいら辺のムリな脚色が本作の評価に影響しているのかもしれない…。

 モスマンの目撃情報は、今もなお続いてるそうな……。





 ……ってなわけで『プロフェシー』もし未見ならオススメですぜ!