映画観賞……それは時に○○億円もの制作費をかけた作品を、だいたい2000円前後で楽しめるという、めっちゃコスパの良いエンタメ……。
これは、当劇団きっての映画好きにして、殺陣と小道具美術担当の筆者が、コロナ禍以後の現代社会において、筆者の独断と偏見といい加減な知識と思い出を元に、徒然なるままに……徒然なるままにオススメの映画について書くコーナーである。
(※今回語る映画は……。
第一一二回『正義と秩序と信念の狭間で‥‥‥“キャプテンアメリカ:ウィンターソルジャー”』
の続きとなっており、本文章には当該作品の結末に関する内容は含まれております)
▼『映画を語れてと言われても』

第二七〇回『熱望 錆付き 17 夜明け 灼熱 9 温情 帰郷 1 貨物車輛 “シビル・ウォー:キャプテンアメリカ”』
『シビル・ウォー:キャプテンアメリカ』
2016年公開
監督:アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ
プロデューサー:ケビン・ファイギ
音楽:ヘンリー・ジャックマン
出演:クリス・エヴァンス ロバート・ダウニー・ジュニア スカーレット・ヨハンソン セバスチャン・スタン アンソニー・マッキー
ドン・チードル ジェレミー・レナー チャドウィック・ボーズマン ポール・ベタニー エリザベス・オルセン ポール・ラッド
トム・ホランド ダニエル・ブリュール 他
(これまでの『キャプテン・アメリカ』の)あらすじ
第二次大戦中、虚弱な体質ながらも、正義に燃える青年であったスティーブ・ロジャース(演:クリス・エヴァンス)は、アメリカ軍の超人兵士計画の被験者に選ばれた結果、常人を超えたフィジカルを有する超人兵士にしてヒーロー“キャプテンアメリカ”として生まれ変わり、ナチスドイツ内の世界征服を企む悪の組織ヒドラとの激戦の末に行方不明となる。
しかし、彼は生きていた。
南極で冷凍保存された状態で発見され、21世紀の世に目覚めたスティーブは、人知を超えた強大な脅威から人類を守る組織にスカウトされ、アイアンマンこと大富豪発明家トニー・スターク(演:ロバート・ダウニー・Jr)や、ブラックウィドウやホークアイなどと共に〈アベンジャーズ〉を結成、NYで発生した宇宙人襲撃事件に対処した。
そしてその後も、女エージェントのブラックウィドウらと共にヒドラの残党との戦いを続けていたスティーブは、その戦いのなかで、第二次大戦中に死亡したと思われていた親友のバッキー・バーンズ(演:セバスチャン・スタン)が、ヒドラによって洗脳され改造され、暗殺者ウィンター・ソルジャーとして数々の暗殺事件に関っていることを知る。
さらに、アベンジャーズの一員として、東欧の小国ソコヴィアでヒドラ残党とヒドラが遠因で生み出された悪のロボット“ウルトロン”との戦いに身を投じたスティーブであったが、勝利はしたものの。ソコヴィアが被った被害は甚大であった。
そして本作のあらすじ
アベンジャーズとして、ソコヴィアで出会った超能力少女のワンダ(演:エリザベス・オルセン)等の新メンバーと共に、ナイジェリアの都市ラゴスでヒドラ残党の陰謀を追っていたスティーブは、ヒドラの陰謀を阻止したものの、ワンダのミスでラゴスを訪れていたアフリカの一国ワカンダの使節団の命が犠牲となってしまう。
この事件を機に、国際社会で超法規的に自警活動を行うアベンジャーズや、その他のヒーローを問題視する声が上がり、アベンジャーズの戦いで大被害を被った国の名から『ソコヴィア協定』という名で、ヒーロー活動を登録制度とし、国連の管理下の元に規定する国際協定に世界各国が批准しようとしていた。
しかも、そのソコヴィア協定には、アベンジャーズの根幹メンバーであるトニー・スタークやブラックウィドウまでもが各々の心情から賛同していた。
己の過去の経験から、このソコヴィア協定に懐疑的となるスティーブや、他のアベンジャーズのメンバー達。
意見が分かれるアベンジャーズのメンバーを他所に、そのソコヴィア協定の署名指揮がウィーンで行われるが、その式の最中に爆弾テロが発生。
出席していたワカンダ国の王、ティ・チャカが犠牲となってしまう。
その一方、監視カメラに残された映像から、このテロ犯がウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズと特定され、直ちに国際指名手配となるバッキー。
この一連の事件に違和感を覚えたスティーブは、当局よりもはやくバッキーを確保すべく、独自の情報ルートから彼のいる位置を知ると、ブカレストへと飛ぶ。
ブカレストの潜伏地でバッキーと再会したスティーブは、最後に会って以来人を殺してはいないという彼の言葉を信じると同時に、爆破テロの真犯人による陰謀が進行中であることを確信するが、直後に現地警察がバッキーを追って襲撃、さらにワカンダ国の王子ティ・チャラが父国王の仇を打つべく乱入、スティーブは無実と信じるバッキー逃がしつつ、彼らと戦う羽目となる。
果たして、爆破テロの真犯人とは誰なのか!?
ソコヴィア協定の行方は!?
バッキーとスティーブの運命やいかに!?
さて今回は久々MCU映画回です!
本コーナーで言えば『アイアンマン』『アベンジャーズ:インフィニティウォー』『アベンジャーズ:エンドゲーム』そして本作の前作である『キャプテンアメリカ:ウィンターソルジャー』など、ケビン・ファイギというプロデューサーの主導の元、マーベル社のアメコミ原作の数々のヒーローを実写映画化してきた超人気シリーズです。
今でこそ、余りに多くのヒーロー映画が溢れる時代になってしまったため、レアリティに欠けるヒーロー映画界隈ですが、本作公開時は映画界の花形と言えるレベルで大盛況でした。
そんな数あるMCU映画の中でも、名作かつとびっきりの異色作が本作なのです。
監督はアンソニーとジョーのルッソ兄弟。
元々数本のコメディ映画しか映画監督経験が無いところ、プロデューサーのケビン・ファイギに見出だされ、本作から始まるアベンジャーズ三部作の監督を任されたお方。
そして本文章執筆中の2026年末には、最新監督作にしてMCU映画の『アベンジャーズ:ドゥームズディ』が待機中なお方です。
出演者は……。
キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャース役にクリス・エヴァンス。
本コーナーで言えば、ガラケーサスペンスアクション映画『セルラー』で主演した他、MCU映画以前は20世紀FOX製『ファンタスティック・フォー』で、アメコミヒーローを演じた人。
そのスティーブの幼馴染にして親友のバッキー・バーンズことウィンター・ソルジャーを演じるのはセバスチャン・スタン。
本コーナーで言えばマット・デイモンが火星に置き去りにされる映画『オデッセイ』なんかに出演してる人。
さらに、本作では準『アベンジャーズ』といって良いレベルで他作品から主人公あるいは未来の主人公となるキャラとキャストが集結しております。
『アイアンマン』ことトニー・スターク役のロバート・ダウニーJr。
『ブラックウィドウ』よりナターシャ役にスカーレット・ヨハンソン。
『ブラックパンサー』よりティ・チャラ役に(故)チャドウィック・ボーズマン。
『アントマン』よりスコット・ラング役にポール・ラッド。
ドラマ『ホークアイ』よりクリント・バートン役にジェレミー・レナー。
そしてそして2026年8月現在、直特大のヒットのかっ飛ばし中の『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』よりピーター・パーカー役でトム・ホランドがMCU映画に初登場しております!
うむ! 主役級ばかりのお祭り映画! 巷で『アベンジャーズ2.5』と呼ばれるのも仕方なしです!
そんな本作は、2016年の世界映画興収で第一をとる程、景気良く大ヒットしました。
(ちなみに2016年は、日本では『君の名は。』と『シン・ゴジラ』が大ヒットしていました)
本作を見た人やその後を知ってる人には分かることですが、まだこの後に『アベンジャーズ:インフィニティウォー』と『アベンジャーズ:エンドゲーム』を控えている段階でです。
もちろん筆者は、公開時、事前にあるMCU映画を全て見て万全の態勢で見に行き、そして面白かった! と思うと同時に、超ドン引きしたものです。
ドン引きした……というのはあくまで筆者の個人的感想の表現ですが、本作を見た多くの人々の感想とそう乖離はしていないと思います。
そう! 本作はMCU映画の中でも屈指の……そういうドン引きするタイプ映画でありながら、なおかつ公開年世界一の興収を得た映画なのです。
しかして、本作はなにゆえにその大ヒットと、ドン引きを両立したのでしょうか!?
本作の場合は、すでにシリーズ絶頂期だけでなく、潤沢な予算、主役級のキャスト、優れた脚本に音楽にVFX映像に、全てのパラメータがハイレベルであったから……と行ってしまえばそれまでな気がするんですが……。
まず一つ目は、キレッキレのアクション映像です。
MCU映画は数々あり、それぞれCG等を駆使した大迫力のアクション映像で楽しませてくれるわけですが、本作というか『キャプテン・アメリカ』シリーズでは、そのCG技術プラス、生身の人間がその鍛えあげたフィジカルと、ワイヤーアクションなどのアナログな技術を駆使して物理的に撮影した映像との割合が、丁度良いのです。
ようするにキャストやスタントマンやスタッフの撮影時の努力が素晴らしく、それとCG技術が組み合わさったアクション映像が良かったのです。
それは例えば、高速道路上を走る自動車に混じって“徒歩”でチェイスするシーンや、キャップが○○で〇〇を引き留めるシーンなどです。
二つ目は、怖ろしいレベルで交通整理されながら登場する他のMCU映画の主役キャラ達の活躍です。
前述したように、本作ではこれまで……あるいは今後の主役となるキャラが多数登場するわけですが、その出番と活躍のバランスが丁度良いのです。
あらゆる口実、事の成り行きや、これまでの必然性から、主役級キャラが集結し……それぞれの得意な技を駆使して……そして内輪もめするのです……。
中でも、2026年8月現在特大ヒット中の『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』を見るにあたり、トム・ホランド主演のMCU映画版『スパイダーマン』の歴史を振り返るならば、本作がその始まりなのであり、欠かせない一本なのです!
(ベンおじさんは既に〇〇してますけど……)
そして三つめは、そのあまりにも情け容赦の無い脚本です。
本作はアメコミ原作に存在する『シビル・ウォー』を下敷きとした物語であり、体制がヒーローを管理するというソコヴィア協定に賛成か否かで内紛するヒーロー達を描いた作品なわけですが……。
本作はキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースが、洗脳され暗殺者となった親友バッキーに対する正義と友情に葛藤しつつ、間違いなくその『シビル・ウォー』を原作としていながらも、まったく予想できない物語展開を迎え、見る者の心に深く刻まれる結末を迎えるのです……そこが凄いのです。
それは余りにもリスキーな選択であり、一歩間違えばとんでもない大不評を買い、これまでMCU映画で培ってきた人気をご破算にしかねない行いだった気がします。
これが筆者のような凡人による脚本であれば、間違いなく守りに入り、絶対に書かないような脚本の結末でしょう。
本作の凄いところは、怖ろしいまでの勇気をもって、その結末を映画化したところだと思います。
はたして、本作はいかなる結末を迎えるのか? 本作未見の方はどうかその目でご確認下さい!!
さてここでいつものトリビア!
本作からMCU版スパイダーマンとしてデビューするトム・ホランドは、自身が卓越した運動神経の持ち主であり、バク天を決めてから台詞を言うというオーディション映像を送ったことでスパイダーマンことピーター・パーカー役を射止めた。
クリス・エヴァンスはウィンター・ソルジャーの乗ったヘリを素手で〇〇める際に、頑張り過ぎて肉離れになってしまった。
スパイダーマンの映画化権は、その昔SONYが買い取っており、本作でMCU版スパイダーマンが出演できたのは、ケビン・ファイギ他の尽力に他ならなかったのだが、実際にスパイダーマンを登場させられるかは不透明であった。
本作でMCU版ブラックパンサーことティ・チャラがスパイダーマンと同じように初登場するのは、そのスパイダーマンが登場させられなかた場合の穴を埋めるフェイルセーフの意味もあった……そうな。
……ってなわけで『キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー』もし未見でしたらオススメですぜ!!
あ、あと見るなら出来たら『キャプテン・アメリカ:ファースト・アベンジャー』『アベンジャーズ』『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』を見てから見るのがオススメですぜ!!






















