映画観賞……それは時に○○億円もの制作費をかけた作品を、だいたい2000円前後で楽しめるという、めっちゃコスパの良いエンタメ……。
 これは、当劇団きっての映画好きにして、殺陣と小道具美術担当の筆者が、コロナ禍以後の現代社会において、筆者の独断と偏見といい加減な知識と思い出を元に、徒然なるままに……徒然なるままにオススメの映画について書くコーナーである。



(※本文章はシリーズにおける……
第一九九回『それは美しきエイガの終り‥‥“スターウォーズepisodeⅢ シスの復讐”』
のおよそ年後20が舞台となっております)



▼『映画を語れてと言われても』



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第二六二回『俺達が届けるのは……“スターウォーズ:ローグ・ワン”』






『スターウォーズ:ローグ・ワン』
2016年公開
監督:ギャレス・エドワーズ
脚本:クリス・ワイツ トニー・ギルロイ
音楽:マイケル・ジアッキーノ ジョン・ウィリアムズ
出演:フェリシティ・ジョーンズ ディエゴ・ルナ リズ・アーメッド ベン・メンデルソーン ドニー・イェン フォレスト・ウィテカー マッツ・ミケルセン アラン・テュディック



 あらすじ

 遠い昔、はるか彼方の銀河系で…

 銀河を総ていた旧共和国が、その守護者であるジェダイ騎士団と共に解体され、新たに銀河を統治しはじめた銀河帝国誕生からおよそ20年……。

 帝国の圧制に苦しむ銀河に暮らす数多の人々は、密かに反乱軍を組織し、戦力を集め、帝国打倒の機会を伺っていた。


 そんな中、反乱軍のベテラン潜入工作員キャシアン・アンドー(演:ディエゴ・ルナ)は、帝国軍が惑星をも一撃で破戒する超兵器デススターの建造に成功した一方で、その設計主任ゲイレン・アーソ(演:マッツ・ミケルセン)が密かに帝国に反旗を翻し、デススターの設計に隠した弱点に関する情報を、帝国から離反した輸送船パイロットのボーディー(演:リズ・アーメッド)に託し、惑星ジェダに潜伏中の反帝国組織のリーダーにしてゲイレンの知古であるソウ・ゲレラの元に向かわせたという情報を得る。

 この事態に対し、惑星ヤヴィンの反乱軍司令部は、帝国が身元も知らずに収容していたゲイレン・アーソの娘にして、ソウ・ゲレラを育ての親にもつジン・アーソ(演:フェリシティ・ジョーンズ)を救出し、ソウ・ゲレラが父から受け取った情報の詳細を訊きだすためにキャシアンとドロイドのK‐2SOと共に惑星ジェダへと向かわせる。


 かくして惑星ジェダへと降り立つ二人と一台のドロイド。
 しかし、惑星ジェダは帝国がデススターの動力源にする為の物質カイパー・クリスタル採掘の為に占領中であった。

 ソウ・ゲレラを探してジェダの都に潜入したキャシアンとジンは、そこでソウ・ゲレラ率いるゲリラと帝国軍との戦闘に巻きこまれるも、フォースの信奉者にして盲目の武術の達人のチアルート(演:ドニー・イェン)と、巨大ビームマシンガンの使い手のベイズ(演:チアン・ウェン)に助けられるが、そのままソウの率いるゲリラに拘束され、彼らのアジトへと連れ去られる。

 その結果、ソウ・ゲレラに合う事ができたジンは、そこで父ゲイレンから送られてきたメッセージを見ることに成功する。
 しかしてそれには、娘ジンへの愛を伝えんとするゲイレンの言葉と共に、デススターに設計段階で仕込んでおいた弱点に関するデータを、帝国領の惑星スカリフのデータ保管庫内に隠したという旨が残されていた。

 その一方、惑星ジェダの上空では、情報漏洩を知り追跡していた開発計画責任者のクレニック(演:ベン・メンデルソン)により、漏洩情報の隠滅を兼ねたデススターによる惑星破戒レーザーの試射が行われようとしていた……。



 はたして、キャシアンやジン達は、無事デススターの弱点に関するデータを入手することができるのであろうか!?
 銀河の運命やいかに!?










 さて今回は、またしてもスターウォーズ回! それも全6部作ある本編以外で、初めて作られた劇場用スピンオフ映画の傑作について語りたいと思います!

 え?なぜかって?
 それは前々回ご紹介した『スターウォーズ:マンダロリアン・アンド・グローグー』の公開に伴い、今日本ではプチ『スターウォーズ』ブームが来ているからです!
 世界的に見た『スターウォーズ:マンダロリアン・アンド・グローグー』の興収はイマイチだそうですが、何故か日本ではなかなかに大ヒット中だそうで、同作を切っ掛けに『スターウォーズ』シリーズ沼にはまる人が続出中らしいのです!
 つまり、『スターウォーズ』を推すなら今なのです!


 そして本コーナーですでに紹介した『スターウォーズ』作品以外でご紹介する映画をかんがえた結果、チョイスしたのが本作ってなわけです。




 その監督を任されたのはギャレス・エドワーズって人。
 元々VFXアーティストとして業界で活躍してきたところで、『モンスターズ/地球外生命体』という長編デビュー監督作で注目され、 今に続くレジェンダリー版ハリウッド製『ゴジラ』の監督として抜擢されたことで有名なお方。
 本作でもその巨大な何かを描くセンスが遺憾なく発揮されております。


 音楽はマイケル・ジアッキーノ
 本コーナーでいえば『スタートレック(2009)』の劇伴のほか、数々の大作映画の音楽を担当した、今ハリウッドに欠かせない方です。
 さらに、本作が『スターウォーズ』スピンオフであえるが故に、『スターウォーズ』全6作のほか、『ジョーズ』『インディ・ジョーンズ』などのスピルバーグ監督作品の音楽を手がけたジョン・ウィリアムズのメロディを、一部聞くことができます。




 そして出演者は!

 主人公ジン・アーソ役にフェリシティ・ジョーンズ。
 トム・ハンクス主演人気シリーズのラングトン教授シリーズ第3弾『インフェルノ』等の出演が印章深い女優さん。

 その他タイトルの由来である隊の名前『ローグ・ワン』のメンバーに、知ってる人は知っている演技は俳優ディエゴ・ルナやリズ・アーメッド、アラン・テュディック。
 さらには盲目の武術の達人チアルート役に、香港カンフー映画スターのドニー・イェン!
 主人公ジンの父親ゲイレン・アーソ役に北欧の至宝マッツ・ミケルセン!
 帝国のデススター開発責任者クレニック役に、子悪党おじさん俳優ベン・メンデルソン!
 ジンの育ての親にして、反帝国ゲリラ組織のリーダー、ソウ・ゲレラ役に名優フォレスト・ウィティカー!


 ………と、主演周りにスター俳優を据えるよりも、その周囲にドニー・イェンやマッツ・ミケルセンなどの豪華ベテラン俳優陣を配置した布陣です。
 とても贅沢かつクレバーなキャスティングな印章です!





 そんな本作は、公開と同時に、本編6部作並みに大ヒットし、筆者も映画館で見て大いに満足したものです。
 今に続くスターウォーズ作品の製作が決まったのは、本作の成功による影響が大きいと言えるでしょう。


 しかして何故に、本作はそこまで大成功したのでしょうか?




 その答えの鍵の一つは本作の、極めて特殊なポジションにある気がします。

 本コーナーでも度々語って来ましたが、『スターウォーズ』は全、6部作の本編と、『マンダロリアン・アンド・グローグー』や『クローンウォーズ』等のいわゆるスピンオフ映像作品が多々あるわけですが、本作の場合は、その本編6部作中第三作の『シスの復習』と第四作『新たなる希望』の間……それも『新たなる希望』本編開始直前に挟まる作品です。

 非常にピンポイントですが、それ以上に目の付け所が素晴らしいと、スターウォーズファンの筆者としては感じます。
 スターウォーズファンなら当然の知識ですが、『スターウォーズ』6部作は全て、本編開始前に、盛大なメインテーマと共に、テロップでそれまでの経緯がど~んと語られるわけですが、本作直後のepisode4『新たなる希望』の前のテロップでは、だいたい以下のようなことが語られています。

『時は内乱の最中、反乱軍の宇宙船団が、悪の銀河帝国軍に対して初の勝利を収めた。
 この戦いで、反乱軍のスパイは帝国軍の究極兵器の設計図の奪取に成功する。それはデス・スターと呼ばれる、惑星をも破壊する力を持った巨大宇宙ステーションであった……』

 ……ってなことが、『スターウォーズ』シリーズで最初に公開されたepisode4の度頭でいきなり観客に説明され、スターウォーズの歴史は始まったわけです。
 自分はその当時を知る世代ではないので分りませんが、想像はできます……『いきなりなんのこっちゃ?』と思ったに違いないと…。

 テロップで語られたことへの疑問の多くは、そのあとの本編の面白さでかき消され、気にならなくなったのでしょうが……、それから時は流れ…episodeⅠ~Ⅲまでが公開され、2000年代に入った頃……、新たな『スターウォーズ』映画を作るにあたり、話の種を捜していた人が見つけたのがこのテロップだったわけです。

 うむ! 言われてみれば超気になる!

 実に見事な眼の付け所であり、本作の成功の理由の何割かを占めている気がします。





 さらに、監督ギャレス・エドワーズによる映像の迫力も大いにヒットに寄与したと思います。
 前述したように、ギャレス・エドワーズ監督は、スターウォーズならではの巨大な建造物や宇宙戦艦、宇宙ステーションなどを、巨大感ある映像として描くのがめっぽう上手い監督なのです。
 それは帝国の宇宙戦艦スター・デストロイヤーや、巨大惑星破戒宇宙ステーションデススターの藤樹シーンは、その総てがカメラワーク、画角、照明、シチュエーションのセンスにおいて抜群なのです。




 特にクライマックスの超大乱戦は本編6部作に勝るとも劣らない名シーンです。

 なかでも筆者が好きなのは、『スターウォーズ』シリーズの人気メカ、Ⅹウイングの活躍シーン!!




 そしてもちろん、その物語も素晴らしいのです。
 『スターウォーズ』とは、基本的にライトセイバーという光の剣と、フォースという超能力で悪と戦うジェダイ騎士という正義の戦士の活躍の物語です。
 しかしながら本作は、スピンオフということもあり、そのジェダイがいない中で、フォースもライトセイバーも持たない人々が巨大な悪に一矢報おうという話です。
 それ故に、個人個人ではジェダイに遠く及ばない力を、個性的なキャラがそれぞれの得意分野で奮闘し、やがてローグ・ワンという仲間となって、その結束で立ち向かうところが良いのです!
 
 ……まぁ、筆者的にはドニー・イェンのライトセイバーいらんレベルの一瞬の大暴れシーンだけでも大分満足なんですけどね!



 ……とかなんとか色々書いてきましたが、本作で一番評判となったシーンは、本作最後に登場するあのお方の大暴れだと思うのですが……、それを本作未見の方の言うのは余りにも無粋!

 それはすでに『スターウォーズ』6部作を観賞済みで見る人には大サービスなシーンなのですが……。
 筆者としては、もしも『スターウォーズ』シリーズを未見でした、ら、新たに本シリーズを見はじめる気になった時に『スターウォーズepisodeⅠ~Ⅲ』までを見た後で本作を観賞し、本作見終わったら即座に『スターウォーズepisodeⅣ:新たなる希望』を見て頂けたら幸いと思います。
 なぜなら、その順番で見ることは、まだ『スターウォーズ』シリーズを見たことが無い人だけが選べる大変貴重な選択肢だからです!

 はたして銀河の未来に何が待ち受けているのか!? 本作未見の方はどうかその目でご確認ください!




 ここでいつものトリビア!

 本作のクライマックス大バトルのシーン、および序盤の反乱軍秘密基地のヤヴィンのシーンでは、本作の5年前を舞台にしたスピンオフCGアニメシリーズ『スターウォーズ:反乱者たち』から、主役メカの宇宙船ゴースト号と、レギュラーロボットのチョッパーがちらりと映っている。

 本作終盤はなんやかんやあって4割くらい再撮影したという。

 本作で反乱軍の女性リーダーとして登場するキャラ、モン・モスマは30年前公開の『スターウォーズ:ジェダイの帰還』にも登場してるキャラ、本作では当然別の女優さんが演じているが、実は同キャラを演じるのはこれが初めてではなく、『スターウォーズepisodeⅢ:シス復讐』撮影時にも演じている……けれど出演シーンはカットされちゃって、本作で晴れて銀幕デビューが叶い、以後、他のスピンオフドラマでも登場している。



 ……ってなわけで『スターウォーズ:ローグ・ワン』もし未見でしたらオススメですぜ!!




 映画観賞……それは時に○○億円もの制作費をかけた作品を、だいたい2000円前後で楽しめるという、めっちゃコスパの良いエンタメ……。
 これは、当劇団きっての映画好きにして、殺陣と小道具美術担当の筆者が、コロナ禍以後の現代社会において、筆者の独断と偏見といい加減な知識と思い出を元に、徒然なるままに……徒然なるままにオススメの映画について書くコーナーである。





▼『映画を語れてと言われても』



(※今回本文章で語られる作品は……前作第二二二回『OK! もう一度最初から説明するね!!“バットマン:ビギンズ”』

 ……の続編となっております)



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第二六一回『静かなる守護者……目を光らせる番人……彼こそは…“ダークナイト”』


 タグ:バットマン ノーラン ヴィジランテ アメコミ ヒーロー ヴィラン ジョーカー ヒース・レージャー




『ダークナイト』
2008年公開
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン ジョナサン・ノーラン
音楽:ハンス・ジマー ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:クリスチャン・ベール マイケル・ケイン ヒース・レジャー ゲイリー・オールドマン アーロン・エッカート マギー・ジレンホール モーガン・フリーマン




 あらすじ

 常軌を逸した凶悪犯罪者や巨大犯罪組織が跋扈する巨大都市ゴッザム……。

 ……そこで幼き日に、犯罪者によって両親の命を奪われた大企業ウェイン・エンタープライズの御曹司ブルース・ウェイン(演:クリスチャン・ベール)は、その犯罪をゴッサムから根絶すべく決心、世界放浪で修行を重ねた末に、その財力をもって調達したハイテク武装とビークルを駆使した蝙蝠の扮装のヴィジランテ“バットマン”となり、ゴッサムに巣食う犯罪者との対決を開始する。
 そしてその奮闘の末に、ゴッサム最大のマフィアを牛耳るボス、ファルコーニを倒し、さらにゴッサムそれ自体を壊滅させんとするラーズ・アルグールの陰謀を阻止し、ゴッサムに束の間の平和が訪れたかに見えた。

 が、ファルコーニに代わり台頭した新たなボス、サルバトーレ・マロニーニによってゴッサムのマフィアは牛耳られ、さらにピエロのメイクをした謎の男ジョーカー(演:ヒース・レジャー)が暗躍、ゴッサムを再び混沌が覆う。

 ゴッサム市警のゴードン警部(演:ゲイリー・オールドマン)と協力しながら、この事態にあたっていたバットマンことブルースは、元恋人の検事レイチェル(演:マギー・ギレンホール)の新たな恋人にして敏腕検事のハービー・デント(演:アーロン・エッカート)、こそが、表社会でゴッサムを巣食う希望の光となると信じ、ブルースとして支援を開始する一方、マフィアの資金源を絶つべく香港に飛び、中国人実業家でありながら裏の顔はマフィアの金庫番の男、ラウの身柄を捕縛するべくバットマンとして彼のいる香港に飛ぶのであった……。

 その一方で、急激に犯罪組織内で頭角を現わしていったジョーカは、バットマンの数々の活躍に対する報復として、彼の正体を明かそうと、次々と卑劣な犯罪をしかけてゆく……。


 はたして、バットマンと彼の仲間たちは、犯罪者達の陰謀を打ち砕くことができるのであろうか!?
 ゴッサムの運命やいかに!?







 さて第11シーズン第一回目となる今回は、映画史に残る大傑作にして、数多くあるDCヒーロー『バットマン』の実写映画化作品群の中でも最高傑作と誉れ高き一本にして、あのクリストファー・ノーラン監督を一躍名監督へと押し上げた一本について語りたいと思います!!



 ってなわけで監督はクリストファー・ノーラン!
 本コーナーで言えば『インターステラー』『インセプション』『テネット』などの大作を何本も撮ったお方。
 つまりとんでもないヒットメーカーにして名監督ってこと!
 その監督としての特色は、奇妙なアイディアで物語を作り、それを大迫力かつ、極力CGに頼らずにリアリティのある映像で見せてくれることです!
 短期記憶喪失映画『メメント』で長編映画デビューし、『バットマン:ビギンズ』で大作アクション映画に挑戦し、本作へと到るわけです。


 音楽はハンス・ジマー。
 前述した『インターステラー』『インセプション』や『パイレーツオブカリビアン』や『シャーロック・ホームズ』や『マン・オブ・スティール』『ブレードランナー2049』などなど、数々の大作映画の劇伴を担当してきた映画音楽の巨匠の一人です。
 本作でも一度聞いたら忘れられないジョーカーのテーマなど、名曲かつ個性的な劇伴を奏でて本作を盛り上げております。



 そして出演者は、主人公ブルース・ウェイン役にクリスチャン・ベール。
 スティーブン・スピルバーグ監督作『太陽の帝国』で、若干13歳でありながら少年の主人公役で映画デビューし、本コーナーで言えば、ハイパー・ガンカタ・チャンベリングアクション映画『リベリオン』や、『フォードVSフェラーリ』の他、『3時10分、決断の時』『ターミネーター4』など、アクション映画から、伝記モノや、スポーツ映画など、ジャンルを問わずに主演しては、その凄まじい体重増減による役作りと演技力で高評価を得てきた役者バカ俳優の一人です。




 その他、ブルースの良き理解者にして育ての親がわりの執事アルフレッドにマイケル・ケイン。
 密かにバットマンの協力者をおこなっているゴッサム市警の警部ゴードン役にゲイリー・オールドマン。
 バットマンに数々のバットホニャララを提供するウェイン・エンタープライズの天才技術者ルーシャス・フォックス役にモーガン・フリーマンら名優が前作から続投しております。



 さらに、本作からも新登場キャラとして、汚職に塗れたゴッサム内であっても正義感溢れる検事ハービー・デント役に『ザ・コア』主演のアーロン・エッカート。
 そして忘れちゃならないピエロメイクの狂人ジョーカー役に(故)ヒース・レジャー。
 本コーナーで言えば中世馬上槍試合スポコン映画『ロック・ユー』で主演した当時のイケメン演技派俳優です。
 筆者はこのヒース・レジャーが新作バットマン映画でジョーカーを演じると知った時は大そう驚いたものです。
 だってイケメン俳優が、バットマンでも屈指のヴィランであるジョーカーを演じるだなんて全然イメージできなかったんですもん!
 それが本編見た瞬間手のひらクルクルするわけなんですけどね!






 そんな本、筆者の場合はなんと試写会で初観賞することが出来、本作の面白さをいち早く知ることができた筆者は、当然のごとく周囲にその面白さを布教しようとしまくったわけなのですが、その試みはあまり上手くは行きませでした……。
 本作公開当時の日本では、まだスパイダーマンくらいしか実写アメコミヒーロー映画の認知度が高くなく、ましてや本作はタイトルが『ダークナイト』のみで、タイトルだけ聞いてもバットマンの映画だと分らなかったのが、その要因な気がします。

 ……しかしそれはあくまで筆者周辺の話であり、本策は日本はもちろん世界で大ヒットし、その後の映画業界全体に影響を与えるに至るのです。

 しかしてそれは何ゆえだったのでしょうか?


 それを語る前に、いちおう今一度バットマンとは何者か? についてから語ろうと思います。

 『バットマン』とは、架空の犯罪都市ゴッサムを舞台に、両親を強盗で失った大富豪ブルース・ウェインが、自分のトラウマの元であるコウモリの扮装をし、執事のアルフレッドのサポートの元、様々な巨悪を働くヴィランに対し、世界中を放浪した修行で身に着けたスキルと、バットモービルを始めとする大富豪ならではの高額便利ガジェットを駆使して立ち向かうという作品なのであります。
 ここまでの説明でも分かるとおり、他のヒーローに比して、大富豪で凄く修行を積んでる意外は、ただの人間というところがバットマンの特色でして、そのバットマンがただの人間でありながら、人間として巨悪に立ち向かうところが魅力のヒーローなのです。



 本作の場合、『スパイダーマン2』『エイリアン2』『ガメラ2』『ターミネーター2』などの名作続編のように、それらのバットマンの基本説明が、前作『バットマン:ビギンズ』で済まされており、本作ではいきなりバットマンの活躍からはじまり、尺の全てをバットマンの戦いに使えるところが、本作がウケた一つの理由と言って良い気がします。
 ようするにヒーロー誕生の過程をすっ飛ばして、一番美味しいところだけが盛りだくさんなのです。
 ……それは同時に、第三作を作る時に苦労する宿命のはじまりでもあったりするんですけどね!!



 そして本作において、その充分な尺を割いて描かれる、バットマン対ヴィランの物語とアクションの数々が、大ヒットした要因であることも間違いないでしょう。


 まず何と言っても(故)ヒース・レジャー演じるジョーカーの怪演っぷりは凄いのです。
 ジューカーとは、『バットマン』原作コミックから登場している名物ヴィランなのですが、本作以前にティム・バートン監督によって撮られた実写映画版『バットマン』において、名優ジャック・ニコルソンが演じたジョーカーの演技が凄まじく、バットマンの既存ファンからして見れば、到底それを越える実写映画ジョーカーなど生み出すことなど不可能と思われていたのです。
 ましてやイケメン俳優として認識されていたヒース・レジャーが演じるとなれば……
 ところが、本作が始まった瞬間から登場するヒース・レジャー版ジョーカーは、予想に反してジャック・ニコルソン版に勝るとも劣らない怪演を見せてくれたのです。
 それは身を削って演技したヒース・レジャーの役者魂も凄まじければ、彼を選んだノーランの慧眼も凄まじいと言わざるをえません。
 




 そして、そのヒース・レジャー演じるジョーカーとバットマンが絡むそのシナリオもまた素晴らしいのです。

 “バットマン”とは、前述したように警察や法で裁けぬ悪を、資本と鍛えぬいた身体と明晰な頭脳を用いて、独自の判断で勝手にやっつけるヴィジランテです。
 ぶっちゃけ法敵に言えば犯罪者であり、悪人とカテゴライズされても仕方がない存在です。
 バットマンが正義の側たりえているのは、彼が戦う相手が法や警察で裁けぬレベルの厄介な敵であるからに過ぎません。
 しかし同時にそれは、バットマンに相対するヴィランに、より一層タガのはずれた悪事を働かせる口実にもなりえる気がします。
 本作のヴィランとしてのジョーカーの厄介なところは、単に犯罪や悪事をはたらくだけではなく、市井の人々や、正義側の人々にアプローチし、悪事を働かせるよう仕向けてくるところです。
 単にぶちのめせば済むヴィランと違って大変に厄介な敵です。
 そのジョーカーとバットマンとの戦いを見ることで、我々は正義とは何か? 自分の中に良心はあるか? むしジョーカーは潜んでいないか? と考えさせられるのです。



 
 ……とかなんとか書いてきましたが、やはりヒーローアクション映画たる本作が素晴らしいのは、その数々のアクションシーンがハイクオリティかつ独創的だったからと言えるでしょう!
 前作に引き続き『バットマン』シリーズ御馴染みのビークル、バットモービルことタンブラーの、極力CGに頼らずに実物大プロップや模型を用いて描かれた活躍はもちろん、基本ゴッサムシティ内を活動エリアとするバットマンが海外へ飛び、香港の高層ビルの間を飛翔しつつ犯罪者の身柄の捕縛を心見るパートは、ノーラン監督拘りの部分的にIMAXカメラを用いるなどしたリアリティある撮影方法と、アッと驚くアイディアが合わさり名シーンとなっているのです。







 そしてなんといってもバットポッドです!
 今、筆者が通勤の足に使いたい乗り物第一位です!
 実は筆者が本作の製作を知った第一報は、バットマンがこのバッドポッドなる新たなビークルに乗った状態の写真でして、第一印象は『なんかカコわる~』だったのですが、本編での登場シーンと活躍を見た瞬間虜になってしまいました……。

 はたしてバッドポッドがいかなるビークルでどんな活躍をするのか!? 本作未見の方はどうかその目でご確認下さい!!





 さてここでいつものトリビア!

 本作のゴッサムシティはシリーズ三作すべて、主にアメリカはイリノイ州シカゴの街並みでロケしており、いつも同じ螺旋場駐車場ビルや、地下道や、跳ね橋で撮影が行われている。
 前作よりもロケ素材映像を多様したため、前作のゴッサムシティとだいぶ雰囲気が違って感じるが、前作で登場したウェインタワーは、ジョーカーの乗った巨大トラックとバットマンの一騎打ちシーンの背景に存在してるのが見える。
 また前作で大変なことになるモノレールも探せば背景にちょいちょい映っている。

 ノーラン監督は、カーチェイスのシーンで当時世界に数台しかないIMAXカメラをぶっ壊した。

バッドポッドは実際に走行するものが製作され、当初バットマンは、マントが後輪に絡まって危険なので、マントを背中に収納して乗る予定だった。
 が、試しにマントを広げたまま乗り回してみたところ、マントが風をはらんでふくらみ、まったく後輪に絡まらないことが判明し、マントを広げた状態で撮影が行われた。



 ……ってなわけで『ダークナイト』もし未見でしたら必見ですぜ!!




 映画観賞……それは時に○○億円もの制作費をかけた作品を、だいたい2000円前後で楽しめるという、めっちゃコスパの良いエンタメ……。
 これは、当劇団きっての映画好きにして、殺陣と小道具美術担当の筆者が、コロナ禍以後の現代社会において、筆者の独断と偏見といい加減な知識と思い出を元に、徒然なるままに……徒然なるままにオススメの映画について書くコーナーである。



▼『映画を語れてと言われても』



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第二六〇回・第10シーズン・フィナーレ『それが……我らの道“スターウォーズ:マンダロリアン・アンド・グローグー”』




『スターウォーズ:マンダロリアン・アンド・グローグー』
2026年公開
監督:ジョン・ファブロー
脚本:ジョン・ファブロー デイヴ・フィローニ 他
音楽:ルドウィグ・ゴランソン
出演:ペドロ・パスカル ブレンダン・ウェイン ラティーフ・クラウダー シガニー・ウィーバー他

 あらすじ

 遠い昔……はるか彼方の無数の文明と生命が住まう銀河系で……。

 恐怖で銀河を支配した帝国と、それに抗う反乱軍との戦いが反乱軍の勝利で終結し、帝国に代わって生まれた新共和国によって銀河が統治されはじめてからおよそ10年後……。

 新共和国の新たな統治は銀河の外縁部までは及ばず、帝国によって辛うじて保たれていた秩序のバランスが崩壊し、犯罪シンジゲートや宇宙海賊が台頭、さらに帝国軍残党が暗躍し、勝ち獲られたはずの平和は乱されていた……。
 この事態に対し、新共和国は、犯罪者に賞金をかけ傭兵や賞金稼ぎ達に犯罪者を捕えさせることで対処していた。



 そしてその賞金稼ぎ達の中に、全身を超合金製の特殊アーマーを身にまとったマンダロリアン族の凄腕賞金稼ぎ、通称マンドー(演;ペドロ・パスカル ブレンダン・ウェイン ラティーフ・クラウダー)がいた。

 彼は紆余曲折を経て養子にした、フォースと呼ばれる超常の力を有する異星人の子供、グローグーと共に、数々の帝国軍残党や悪党共を捕まえるか始末し、その道で名を馳せていた。


 数々の冒険の日々の中、コイン将軍という謎の帝国軍残党の捕縛要請を新共和国から受けおったマンドーとグローグーは、その消息についての手がかりを知っているという犯罪シンジゲートのボス、【ハット族の双子】に会いに彼らのアジトがある惑星ナル・ハッタへと向かう。

 そこでハットの双子に越権したマンドーは、コイン将軍の消息情報と引き換えに、ロッタ・ザ・ハットという彼らの甥にして、かつて犯罪シンジゲートを牛耳っていた今は亡きボス、ジャバ・ザ・ハットの息子を、行方不明となったシャカリの衛星から探し出して連れ帰って欲しいと頼まれる。
 コイン将軍の行方を知るためにこの取引に応じシャカリの衛星に向かうマンドーとグローグー。

 その星でロッタの行方を探そうとするマンドーであったが、その居場所はすぐに判明した。
 なんとロッタは、この惑星で大人気の剣闘士として、日々闘技場で戦いに明け暮れていたのであった……。


 はたしてマンドーとグローグーの今回の冒険の行方やいかに!!?











 さて本コーナーも語りに語りてついに第10シーズンフィナーレとなる今回は、先週に引き続き、2026年5月現在、絶賛大ヒット公開中にして、あの『スターウォーズ』シリーズの最新作について語りたいと思います!!


 一応……念のために、今一度『スターウォーズ』とはなんぞや? ……について語っておきますと……。

 ジョージ・ルーカス監督により1977年に公開され、未曽有の大ヒットとなった『スターウォーズ:エピソードⅣ・新たなる希望』を皮きりに、2026年現在に、いたるまで“6”作の正伝と、無数の映画、ドラマ、CGアニメなどのスピンオフ作品が作られ続けている人類史に残るレベルの大人気コンテンツと言えるでしょう!
 そう! 『スタートレック』シリーズと同等くらいに!!


 本コーナーで言えば、第二回第二回『スターウォーズ:エピソードⅠ・ファントムメナス~EPⅠから見るか? EPⅣから見るか?』
 ……などでも語っております。



 そして今回語る本作は、ディズニー社が2019年から配信を開始したドラマシリーズ『マンダロリアン』の劇場版にあたります。
 本コーナーで語ってきた劇場版『スタートレック』や、『劇場版宇宙戦艦ヤマト2199:星巡る方舟』などなどと同じポジションの映画と言えるでしょう。



 そしてそのドラマ『マンダロリアン』内で、スターウォーズの世界で生きる孤高のマンダロリアン賞金稼ぎマンドーが、とある事件で超常の力“フォース”を使える幼児グローグーを保護し、彼にまつわる陰謀に巻きこまれ、共に様々な冒険を潜り抜ける中で、グローグーを養子に迎えるにことに決めるまでが本作の直前までのお話。
 つまり本作開始時点で、マンドーとグローグーは血は繋がらないけど、堅い絆で結ばれた親子となっているのです。




 そのドラマ『マンダロリアン』および本作を世に送り出したのは二人の男。

 ジョン・ファブローとデイブデイブ・フィローニです。

 ジョン・ファブローは本コーナーでも紹介した記念すべきMCU映画の第一作『アイアンマン』の監督をしたお方であり、同作のキャラ、ハッピー役など、数々の映画に出演してきたベテラン俳優でもあります。

 もう一人のデイブ・フィローニは、『スターウォーズ』の長寿スピンオフCGアニメシリーズ『スターウォーズ:クローンウォーズ』全7シーズン177話(!)と『スターウォーズ:反乱者たち』全4シーズンを世に送りだしたお方。


 つまりMCU映画の立役者と、トータルでジョージ・ルーカスが世に送った『スターウォーズ』6作品よりも長い時間の『スターウォーズ』の関連映像作品を作ってきたお方が、監督と脚本を担当すりことにより『マンダロリアン』は生み出されたわけです。
 そりゃぁ面白くて濃ゆいもんができるわけなのです!!



 音楽を担当したのはルドウィグ・ゴランソン。
 本コーナーで言えば、クリストファー・ノーラン監督作『テネット/TENET』の音楽を担当した人と言えば、それだけで充分な気がします。
 本作ではドラマ『マンダロリアン』で奏でられた独特でありながらとてもスターウォーズな4メインテーマ曲を、さらに劇場版レベルにアップデートして聞かせてくれます。
 彼のメインテーマが流れた瞬間、筆者は本作が名作であると確信したものです。
 本作をだ未見の方も本作観賞後の帰路では、本作のメインテーマが延々脳内リピートされることでしょう。


 そして主人公たるマンドーことマンダロリアンの男、本名ディン・ジャリンを演じるのはペドロ・パスカル、ブレンダン・ウェイン、ラティーフ・クラウダー三人。
 ペドロ・パスカルは本コーナーでも紹介したスーパー・にニコラス・ケイジ映画『マッシブタレント』等に主演している今が旬の超売れっ子おじさん俳優です。
 残る二人のブレンダン・ウェインとラティーフ・クラウダーは、アクション時とスタント時のスタントダブルのお方。
 なにしろ出番の95%でマンドーはヘルメットを被っているので、このようなキャスティングとなるのです。
 そしてその三人だからこそマンドーというキャラを描くことができたのです。
 他の映画のスタントダブルと違い、キャストロールでマンドーを演じた人間の蘭に、この三人の名が載っているところも『マンダロリアン』ならでは。


 そして劇場版たる本作では、大物ゲスト俳優として、本作初登場のキャラ、ウォード大佐を、『エイリアン』や『アバター』シリーズで主演してきたシガニー・ウィーバーが演じております。


 ドラマ版ならともかく、本作の場合は映画にのみ登場するエイリアンキャラが多数なこともあり、ここで語れる出演者はここまでです。




 そんなスタッフ・キャスト陣でお送りされた本作、公開と同時に大ヒットし、筆者の観測圏内でもすこぶる評判も良く、筆者も公開と同時に見に行き、大いに満足したわけですが……。
 例によって、それは何故でしょうか?


 筆者のように、すでにドラマ版『マンダロリアン』はもちろん、『スターウォーズ』6部作や『クローンウォーズ』まで履修済みな人に対し、本作の感想を述べるならば、必用な言葉は『我らの道』だけで済みます。




 しかし、本作はもちろんドラマ版も『スターウォーズ』関連作も未見の方に、本作の魅力を語るとなると、少々考えものです。

 『スタートレック』や『ガンダム』や『MCU映画』など、長い歴史と余りにも多い関連作品を抱えたコンテンツの、一作品だけをオススメするのはいつも大変だからです。



 ……ですが、本作『スターウォーズ:マンダロリアン・アンド・グローグー』に関してだけいえば、世の多くの長寿コンテンツに比して、予習無しでいきなり見ても楽しめる作品だと思うのです。
 それが本作の一つ目の魅力といっていいでしょう。

 本作は『スターウォーズ』シリーズの一作であり、それと同じ世界間を舞台とした作品の劇場版ですが、いきなり本作を見ても充分に楽しめる……どころか『スターウォーズ』入門として見ても良いくらいだと思うのです。

 それは、それだけ本作が単独で完結しているからなのですが、その実現には、送り手達の巧みな采配があったからこそな気がします。


 具体的なその方法は何かというと……。
 まず本作のOPタイトル前にはじまる、短いテロップでの世界観説明と、その直後のいわゆるアバンタイトルと呼ばれる短いアクションパートで、全身をアーマーで覆ったマンドーという賞金稼ぎと、超能力を操るグローグーのファイトスタイルとキャラがじつに速やかに説明され、本作を楽しむ為に最低限必用な前提知識が描写されているのです。
 そして実際、それでだいたい事足りているのです。

(ドラマ版でマンドーがグローグーと出会い、彼にまつわるすったもんだの陰謀に巻きこまれながら、最終的に親子となることが描かれているのですが、別に知らなきゃいけないってことはありません)


 それが可能だったのは、ジェダイやらフォースやらシスやらが関係無い、本筋から離れたスピンオフドラマのさらにスピンオフ劇場版という、本作の特殊なポジションだからこそ可能だったのでしょうが、それで楽しめたなら問題無いのです。

(……ついでに言えば、世に初めて公開された『スターウォーズ:エピソードⅣ・新たなる希望』の段階で時点で、いきなりエピソード四番目だわ、冒頭で長いテロップで説明が入るわ、シリーズの公開第一作目にしては無茶苦茶過ぎたのですが、とんでもなく大ヒットしたことには変わりなく、長寿シリーズの入門として何から見るのが最適か? の条件は、存外ユルいのかもしれません……)




 もちろん本作の魅力は、スターウォーズ沼への入門に向いているというだけではありません。


 まず全身を超合金のアーマーで覆った賞金稼ぎのマンドーというキャラ設定がイカします。
 なにしろ超合金(ベスカー)で身を覆っているので、敵の銃撃からの防御をアーマー任せにして、敵に対して接近して戦うというななかなかユニークな戦闘アクションをしているところが面白いです。
 そのクセ罠関連にサクっとひっかかっちゃう粗忽なところはご愛敬。

 そのアクションを、スターウォーズならではの世界や設定を活かし、様々な星を舞台に、さまざまなシチュエーションで他では見れないユニークな形の冒険をたんまりと見せつつ、『子連れ狼』のようなマンドーとグローグーとの不器用な親子の絆が描かれているところが良いのです。

 ちなみに筆者が脚本的に関心したのは、序盤でマンドーが賞金稼ぎの報酬代わりとして、新共和国から貰う中型宇宙船レイザークレストの件。
 ドラマ版を見てる人には、シーズン2で失われたマンドーの愛機が戻ってきた! となる一方で、中盤から登場する巨漢の宇宙人剣闘士ロッタ・ザ・ハットを運ぶ為に活かされることが実にナチュラルに成されており、プロの脚本家の技前! となるのです。


 もちろん、スターウォーズ入門に向いてる一方で、既存のスターウォーズファンならばたまらない小ネタの数々もたまりません。
 『スターウォーズ』6作はもちろん、ドラマ、アニメ、その他のスピンオフもろもろから、あらゆるネタが拾われ活かされているのです。
 なかでも中盤でロッタ・ザ・ハットとマンドーが大暴れする剣闘場のアイディアは、スターウォーズファンなら思わず膝を打ったことでしょう!
 そしてクライマックスにはち~ゃんと駆けつけてくれるアレにも!




 ……などなどと、いろいろ語ってきましたが、本作および『マンダロリアン』において、筆者や世間のファンに最もぶっ刺さったのは『マンダロリアン・アンド・グローグー』の“グローグー”の部分です!
 スターウォーズファンには、一目で人気キャラのヨーダと同じ種族の幼児と分る彼が……小さい身体でフォースを使って奮闘する姿が超……あざといのです!!
 今時フルCGではなく、アニマトロニクスという物理的な人形を使って撮影しているところも素敵!
 ようするにメチャクチャ可愛いということなのですが、映画を見た人がメロメロになっているように、作中で仮面の賞金稼ぎマンドーが一番メロメロになっているところがエモいのです!
 あ~我らの道!

 いったいグローグーの何が人々にぶっ刺さったのか? 本作未見の片はどうかその目でご確認ください!






 さていつものトリビア。

 中盤でマンドーが情報を得る為に向かった屋台で売っている謎肉サンドイッチは、明らかにジョン・ファブロー監督作『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』で主演のジョン・ファブローが売っていたキューバサンドのセルフオマージュですが、サンドする謎のパンを焼く型は、日本のタイヤキ(天然物)を参考にして作ったんですって。
 家でも適当なパンとスパムと焼き玉ねぎとチーズで似たもんが作れるみたいですよ。


 ……ってなわけで『スターウォーズ:マンダロリアン・アンド・グローグー』もし未見でしたらオススメですぜ!!