映画観賞……それは時に○○億円もの制作費をかけた作品を、だいたい2000円前後で楽しめるという、めっちゃコスパの良いエンタメ……。
これは、当劇団きっての映画好きにして、殺陣と小道具美術担当の筆者が、コロナ禍以後の現代社会において、筆者の独断と偏見といい加減な知識と思い出を元に、徒然なるままに……徒然なるままにオススメの映画について書くコーナーである。
▼『映画を語れてと言われても』

第二三九回『クリスマス・イブでは遅すぎる‥‥しかしパパは!“ジングル・オール・ザ・ウェイ”』
『ジングル・オール・ザ・ウェイ』
1996年公開
監督:ブライアン・レヴァント
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー ジェイク・ロイド リタ・ウィルソン シンバッド ジェームズ・ベルーシ
あらすじ
20世紀末のクリスマス・イブ前日のアメリカ‥‥‥。
スポーツ器具販売会社の敏腕社長ハワード(演:アーノルド・シュワルツェネッガー)は家族思いではあったが仕事人間が過ぎたあまり、8歳の息子ジェイミー(演:ジェイク・ロイド)の空手の発表会に大遅刻してしまう。
この手のすっぽかしが初めてでは無かった為、ジェイミーを大いに落胆させてしまったハワードは、クリスマス・プレゼントに彼の望むモノを購入することでご機嫌をとろうとする。
しかしてジェイミーが望んだクリスマス・プレゼントは、今巷で大々大人気の特撮ヒーロー『ターボマン』の大型トイフィギュアであった。
ジェイミーを喜ばせたい一心で、その願いを安請け合いするハワード。
しかし、妻リズ(演:リタ・ウィルソン)にそのことを話したところ、件のターボマン人形は大々人気商品であり、今から購入するのはとても難しいと言われてしまう。
実はすでに買ってあるんだと胡麻化したハワードは、翌日のクリスマス・イブの日、家族で見に行く予定だった、ターボマンも登場するクリスマスの仮想パレードイベントまでに戻ると約束し、一人大慌てでターボマン人形購入の為、街に駆け出すのであった。
しかし、ハワードが向かった玩具取扱店は、ハワードと同じようにターボマン人形を購入せんとする客でごった返しており、またどこの取り扱い店でも、もうターボマン人形はほぼ残っていなかった。
ハワードは行く先々で、ハワードと同じように息子へのプレゼントとしてターボマン人形を探し求める郵便配達員の男マイロン(演:シンバッド)と出会い、時にチャンスを賭けてド突きあいの奪い合いをしながら、一縷の望みをかけ、時に非合法な手段でターボマン人形を探し求め続ける。
はたして、ハワードは無事、息子にターボマン人形をプレゼントすることができるのであろうか!?
さて、本文章執筆現在である2025年12月末も、とうとうクリスマスとなってしまいました!
みなさまメリークリスマス!
今さらですが、みなさまは今年のクリスマス、いったい何の映画を見ましたか?
『ダイ・ハード』? 『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』? 『東京ゴッドファーザーズ』? それとも『エルフ』?
(‥‥‥え? 特にクリスマスの映画を見る習慣はない?)
本コーナーでも再三言って来ましたが、世に数多のクリスマス映画があり、またその中に多くの名作が存在します‥‥‥。
その中で今回筆者が選んだのがこれ、『ジングル・オール・ザ・ウェイ』なわけです!!
監督はブライアン・レヴァントってお方。
実写映画版『フリントストーン:モダン石器時代』や『スノードッグ』『ベートーベン』など、1980年代末から90年代にかけて、多くの秀作コメディ映画を量産してきたコメディ映画監督です。 本作でも、恐ろしいテンポ感で誰でも笑える普遍的と言えば聞こえが言いがベッタベタのお笑いパートを、今見るとちょっと笑えないブラックジョークを交えながら、軽快に突っ走ってくれえおります。
そして主演はアーノルド・シュワルツェネッガー。
本コーナーで言えば『トゥルーライズ』や『プレデター』などで主演した他、『コマンドー』や『ターミネーター』『キンダーガードンコップ』などなど宇宙人やらテロリストやら未来殺人ロボやら幼稚園児やら、数々の強敵と戦ってきた90年代前後のハリウッドを代表する筋肉モリモリマッチョマンのスター俳優です。
そんな彼が、今回対戦相手に選んだのが、息子の心とクリスマス商戦ってなわけなのです。
そのシュワちゃんの幼き息子を演じるのはジェイク・ロイド。
後に本コーナー第二回『スターウォーズ:ファントムメナス』で活躍する幼い頃のアナキン・スカイウォーカーを演じる子役です。
そしてシュワちゃん演じる主人公の奥さんのリズ役にリタ・ウィルソン。
90年代の色んな映画に脇役で出てる女優さんで、後にトム・ハンクスの妻となり、彼の映画のプロデューサーをやったりするお方です。
そして本作のMVPたる主人公ハワードのターボマン人形争奪戦のライバルとも言えるキャラ、郵便配達員のマイロンを演じるのは、シンバッドってお方。
筆者はもちろん、日本ではまったく知名度の無い人ですが、当時のアメリカでは冠番組が放送される程の人気コメディアンだそうです。
本作の面白さの3割くらいは、彼演じるマイロンの、今ではちょっとコンプラが許しそうにないブラックなマシンガントークと、無茶な行動な気がします。
またゲストキャラとして、シュワちゃんがアメリカにやってきた旧ソの警察官を演じる刑事アクション映画『レッドブル』で、シュワちゃんの相棒を演じたジェームズ・ベルーシが、短い時間でインパクトドライバーある役で登場しております。
そんな本作、公開当時はそこそこにヒットし、クリスマスの度に今に至るまで語られるほどの評価を得ております。
筆者も公開当時に映画館へ見にいき、大いにクリスマス気分を楽しんだものです。
正直、本作は世にあるクリスマス映画の中でもトップクラスのクリスマス作品だと思います。
それほどまでに、クリスマス魂に満ち溢れた作品だからです。
ところで、クリスマス毎に言っておりますが、あらゆる映画、物語において、問答無用で“奇跡”が起きても良いシチュエーションが二つだけあります。
一つは死にゆく母親がわが子の無事を願った時、例『ハリーポッター』など。
もう一つはクリスマスの時です!
それが何故かは考え出すと長くなってしまいますが、ともあれクリスマスのひとときだけは、普段ならばそれはありえんだろ‥‥‥となるご都合な奇跡が起きても許せる気がするのです。
そして筆者が言うクリスマス魂に溢れた‥‥‥とは、このクリスマス故におきることが許された奇跡を、いかにあらゆるシチュエーションや演出や物語の中で見せてくれたか? ということなのです!
本作の場合は、シュワちゃんが愛する我が子に、彼が望む超激レアなプレゼントを、無事入手して与えられるか? ってな話です。
本作はこのプロットの段階でも充分に面白い気がします。
人気過ぎて購入困難なプレゼントを買い求める‥‥‥という状況は、転売問題などが発生してる2025年となった今でも充分理解できますしね!
しかも、主人公のパパを演じるのがあのシュワちゃんです。
スポーツ器具販売会社の敏腕社長という設定で、辛うじてビジュアル的な言い訳をしていますが、普通にそんな普通のパパがいるもんけ!! 案件です!
しかし本作はその普通のパパを演じるシュワちゃんのミスマッチさ加減が良いのです。
普通のパパのフリをして、ムキムキマsッチョマンのシュワちゃんが、プレゼントを求めて邪魔ものを蹴散らしながら殺到するショッピングモールの買い物客の中に突入する姿は、それだけで面白いのです。
しかも、シュワちゃんが息子が欲しがるターボマン人形購入の為のルートは、ただ取扱店に行って購入するというパターンだけではありません。
今は転売ヤーなどが問題になっていますが、当時は当時で非合法なルートでの高額トイの入手ルートがあったり、ラジオやらイベントやらのプレゼント企画があったり等で、シュワちゃんを東奔西走させるのです。
ちなみの筆者が好きなのは、腐れ縁のごとくシュワちゃんの行く先々で出会う郵便配達員のマイロンが、郵便局には毎日○○が届けられてるんだ~! とぶっちゃける問題発言のシーン。
今のご時世では洒落にならないじ冗談を、まるっとギャグで済ましてて良いのです。
果たして郵便局には何が送らて来ているのか? 本作未見の方はどうかその目でご確認下さい!
‥‥‥とはいえ、本作がシュワちゃんが苦労してターボマン人形を購入し、息子にプレゼントするだけの映画でしたら、筆者は本コーナーでは扱わなかったでしょう。
本作のキモは、そのカナタ‥‥‥シュワちゃんが八方手を尽くしてもターボマン人形を手に入れられなかった先にあるのです。
それこそ正に、クリスマスの奇跡!
逆に言えばクリスマス以外でこんな展開になったら、そんなんありえるか~い! ‥‥‥となった展開です。
‥‥‥が、だからこそ良いのです!
その奇跡を全力で映像化したシュワちゃんと監督とスタッフ・キャスト陣には脱帽です!
いや、いかにクリスマスといえど、奇跡も大概にせ~や! というトンデモ展開なんですけどね!
しかし、その物語の果てに、と~ってもクリスマススピリット溢れる結末が待っていてホッコリするのです。
果たしてどんな結末がシュワちゃんと息子とマイロンに待っているのか? 本作未見の方はどうかその目でご確認下さい!
さてここでいつものトリビア!
でも監督のブライアン・レヴァントは公開年のラジー賞に最低監督部門でノミネートしちゃった‥‥‥。
実はこの映画にはキャスト・スタッフを一新したパート2が存在する。
‥‥‥ってなわけで『ジングル・オール・ザ・ウェイ』もし未見でしたら来年のクリスマスまでに見るのがオススメですぜ!!















