昨日、たまたま付けたテレビで、テレビ朝日系の「秘境路線バスの旅 バスサンド」という番組が流れていました。
サンドイッチマンの二人とずん飯尾や元楽天の銀次そして間宮祥太朗らとともに、岩手県の3.11で被災し、今は着実に復興の足跡を見せているところを旅するという番組でした。
他の放送局が13年前の3.11の恐ろしい映像ばかりを流す中、サンドイッチマンの二人がお国自慢をしながら、そしておいしいものを食べながら復興の様子を愛情たっぷりに伝えるという番組でしたが、見ていてとても微笑ましく、そして行ってみたいと思うような番組に仕上がっていました。
日本は古来より自然災害の多い国です。だから何度も大きな災害に見舞われ、そしてそのたびに皆で力を合わせて立ち上がってきたのです。昨日のサンドの番組はそれをとてもよく表現していました。
13年間、被災者の皆さんは大変な思いをして復興されてきたと思います。しかし、毎日泣いてばかりいたのではなく、一歩ずつ前進し来たのです。それがあったから、ふるさとが元に徐々に戻りつつあるのです。それをサンドイッチマンの二人が本当に郷土の誇りと愛情たっぷりに紹介している姿が、今までのマスコミのアプローチとは違った素晴らしい番組になっていたと思います。
最初は、何気に見ていたのですが、それが13年前はとても大きな被害を受けたところがこんなに元気になっているよという紹介番組だと気づいて途中から真剣に見入ってしまいました。
私のような東北から遠く離れた九州から「心配です」とか「応援しています」とか表面的な薄っぺらい言葉をかけて満足してきましたが、現地では被災者の方々が血のにじむような努力で復興を果たしてきたという話を笑いを交えながら聞かされると自然に背筋が伸びていました。
いつまでも悲しんでばかりいられません。少しでも、もとあった日常の「あたりまえ」を取り戻そうと奮闘努力してこられたのです。
それが今年の能登半島沖の地震で被災された方々への大きな応援メッセージになると思います。きっと避難所等で被災者がこの番組をご覧になっていたら、勇気がわいてきたと思うのです。
昨年、神戸に行き、阪神淡路大震災の防災未来センターを見学させていただきました。
テレビを見て大変だと思い、何度も義援金を出したり、義援金の募金箱をもって街頭に立ったりしましたが、当時の様子を語ってくれた身近な人の話を聞くと、心が震えるほど怖くなりましたが、それはその人が体験した恐怖の一万分の一にも満たないものだと思いました。
それは震災の映像を見て、その人が震えているのを見たのです。それはその場にいた人でなければ分からない恐怖なのでしょう。それは何年たっても強烈にその人の脳裏に刻み込まれているのでしょう、それにどんな言葉をかけても何の役にも立たず、ただすこしでもその人の心情に寄り添うしかありませんでした。
東北大震災も能登半島沖地震もそうですね、遠くにいた私には現場にいた方々の怖さや絶望を感じることはありません。ですからどんなに理解しようとしてもわからない部分が多いのです。
昨日の番組を見て、笑いながら語る東北の方々の今までの奮闘ぶりを垣間見ることができたと思います。これ以上の地獄はなかったと思います。それを乗り越えてきた人たちだけが見せる凄まじいほどの覚悟ではなかったかと思います。
それと同時にあきらめさえしなければ、必ず復興できるということ身をもって教えていただいたというなんかとてもすがすがしい気持ちにしてくれる時間でした。
得てして暗い映像、恐怖の映像ばかりを流していたテレビよりも昨日のような現在こうやって元気にやっているよというメッセージを届けてくれたことがとても素晴らしい番組になったと思います。
サンドの伊達ちゃんが行く先々で食べ物や郷土の自慢ばかりするのです。また自慢してると思いながらも、それが心からの応援メッセージとなって自然に耳に入ってきました。
久しぶりにテレビを見て、とても明るく、すがすがしい気分になりました。
どこの局だっけと確認するとテレビ朝日でした。作ろうと思えばこんな良い番組を作れるのだなと感心しました。