頼清徳副総統の総統選挙勝利を祝う! | 井上政典のブログ

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 予想通りに頼清徳現台湾副総統が次期総統に選ばれました。

 

 国民党の候友宜(こうゆうぎ)氏と民衆党の柯文哲(かぶんてつ)氏の野党連合が不発に終わった時点で頼氏の勝利は確定的になったといっても過言ではありませんでした。

 

 いろんな方に総統選の行方は?と聞かれると「頼清徳氏で決まりですよ」と答えていたので、ちょっとほっとしました。

 

 昨年10月に訪台した時に、門田隆将氏が取材する臺灣通のジャーナリストの藤重太氏と産経新聞の臺灣支局長の矢板明夫氏のお話を直接お伺いする機会を経て、さらに藤氏が12月に福岡へ来られたので、私の友人とともにお話をお聞きし、今回の選挙の行方はある程度見えていました。

 

 また訪台した時に、他の台湾人の知識人ともお話しし、各候補の評判や政策等をお聞きしていたので、さらに精度が高くなりました。やはり現地に行って肌感覚で感じ取るということがとても重要だと思います。

 

 ただ、いくつかの不安材料もありました。

 

 台湾人は「飽きやすい」という感情があるということです。

 

 今までの台湾総督の出身政党を見てみると、戒厳令が敷かれ、軍事政権だったのちに蒋経国が民間から李登輝さんを大臣に抜擢しました。大臣は国会議員である必要がなく、立法府と行政府が分離しているのです。

 

 日本と言えば、憲法で三権分立と言いながら、立法府の議員が行政府の大臣になるというのは矛盾していると言えばしていますね。

 

 その後、民主進歩党から陳水扁氏が8年間、そのあとは国民党の馬英九氏が8年間、そして蔡英文氏(民進党)が8年間だったので、そろそろ民進党から変えたほうがいいという声を上がっていたそうです。

 

 でも、台湾国民は次の四年間も民進党に託すことになり、民主制に移行してから初めて民進党が3期目に入ります。

 

 国民党はCHINAと仲良くやることが台湾の経済にとってプラスだという主張をしているので、一定層の台湾人の支持を持っています。ただ前回の総統選挙(2020年)の直前に香港で起きたCHINA政府のやり口をとても嫌がる台湾国民も多く、それが反中、親日・親米の民進党政権を4割の国民が支持したということでしょうか。

 

 民衆党って、盟友山口敬之氏によると自民も立憲ももう嫌だ、だから別の政党へという立ち位置で、維新のような存在と評していましたが、まさにそれだと思います。

 

 SNSを駆使して若者の支持を得ていますが、民進党や国民党の既存政党にはもう飽き飽きしたという国民が四分の一もいて、台湾の国会議員にあたる選挙では民進党が過半数割れをしているので、政権与党が国会では野党という現象になり、頼氏の政権運営は困難なものになるでしょう。

 

 ただ救いは副総統になる蕭美琴(しょうびきん)女史が、とても外交上有能で、今のアメリカの台湾寄りの政策を導いたのはこの蕭美琴女史だといっても過言ではありません。台湾人の父とアメリカ人の母をもち神戸で生まれた蕭美琴女史は蔡英文氏の信頼も厚く長く駐米大使を務めていたのです。

 

 実は、7年ほど前から台湾の外交官の友人からこの蕭美琴さんに注目していた方がいいとアドバイスを受けていたのです。その通りになってきています。この蕭美琴次期副総統が台湾の生き残りをかけた外交戦略を担うのです。とても見ものだと思います。

 

 頼清徳氏は顔からもわかる言うにとても実直でまじめな人だというのが10人聞いたら10人とも同じ評価でした。だからまじめすぎて若者に受けないということですが、現実的な政策をとり続けていれば、きっと支持率は上がってくると思います。

 

 台南の市長もされており、親日なので日本側がきちんと対応すれば今まで以上の友好関係が築けることができます。

 

 今回の能登半島地震でも10億を超える義援金が集まっており、これは台湾国民の日本を兄弟としてみなしていることを示します。岸田政権は断りましたが、台湾の災害救助隊の編成は、臺灣国内と同じ速さで行われ、すぐにも日本へ派遣できたのです。それは台湾政府が日本を外国とみなしているのではなく、兄弟国とみなしている証左なのです。

 

 私たちが推す高市さんも台湾が大好きです。

 

 また今回パー券問題で失脚した安倍派の人たちもほとんどが臺灣通だということを考えれば、今のマスコミは誰が裏にいるのかがわかると思います。マスコミの報道に一喜一憂しないようにしましょう。

 

 頼清徳氏がすぐに取り掛からねばならないことは、40年超の原子力発電所の運転を認める法律を作ることです。そうしないと、12日間しかない天然ガスの備蓄では、2025年には南シナ海をCHINAが封鎖してしまえば、簡単に台湾は軍門に下るということです。

 

 今回の選挙で、民進党が40%、国民党が33.5%そして民衆党が26.5%の得票を得たということは、親中に近い政党を約6割の国民が支持していることとなり、自分たちの生活が脅かされれば、簡単に願えることも考えられるからです。

 

 日本もそうですが、台湾も原子力発電所に疑問を持つ人が多いのですが、これもマスコミの言うことを聞いていたら、判断を見間違うということの典型ですよ。

 

 芸能人の下半身のネタなどどうでもいいのです。芸人に倫理を求めることが間違いなのです。政治家に清純さを求めるのも愚です。芸人はみなを笑顔にかえ、政治家は国民の生活を改善し、誇りを持たせてくれればいいだけのことです。

 

 きれいになりすぎると松平定信の改革の時に詠まれた狂歌;

 

 「白河の清きに魚も住みかねて もとの濁りの 田沼恋しき」

 

 にあらわされるように住みにくい国になりますよ。

 

 とにかく台湾は親中政権ができなくてよかった、次は日本の親中政権を倒すべきだと思います。