どうしたんだろう、三浦春馬君。いい俳優だったのに、とても残念。 | 井上政典のブログ

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 三浦春馬君が自殺したようだとのニュースが駆け巡っています。

 

 ハンサムで背が高くて、仕事に恵まれているはずなのに、どうして首を括らねばならなかったのでしょう?

 

 人間って外から中身を見ることはできないものですね。

 

 子役から活躍していき、いろんな役をやってきたのは知っていました。どちらかと言うと美男子だけど頼りない感じの青年でした。

 

 ところが、映画「永遠のゼロ」で本当のおじいちゃんのことをいやいやながら調べていくうちにひ弱な青年が、命を懸けて家族を守って死んでいったおじいさんの生きざまを一枚一枚そのベールをはがしていくように、自分の人生や生き様と重ね合わせていくようになり、どんどん覚醒していく様子を立派に演じたころから、注目の若手俳優として見ていました。

 

 映画では、おじいさんの戦友だったやくざの親分のところにおどおどしながら会いに行った時は、けんもほろろに追い返されますが、いろいろ話を聞いたり、調べたりしていくうちにどんどんおじいさんのその時代を一所懸命生きた凄さを感じて、もう一度そのやくざの親分の家に押し掛けるのです。

 

 その時に、やくざの親分は立派な「男」になって目の前に再び現れたかつての戦友の孫を見て、自分の体験した修羅場を語り、そして別れ際にきつく抱きしめるシーンがあります。

 

 それは必ず守ると誓いながら見失った戦友を戦後60年経ってやっと見つけたというとても印象に残るシーンでした。私の最も好きなシーンでもあります。このシーンを覚えておられない方で、三浦春馬君のファンの方はぜひ見てください。きっと涙で目が曇ることだと思います。

 

 そしてその親分は「最近は若い男も好きでね」と照れながら言うのですが、この親分にとっての戦争がやっと終わった重要なシーンです。

 

 その時の三浦春馬の演技がとても好きでした。何度この映画を見ても、ここのシーンは目頭の熱くなるシーンです。

 

 それは男に惚れた男が誓った約束を果たせずに、空虚に生きてきて、その約束をやっと果たせたというやくざの親分と、自分の本当のおじいさんのことを調べるまでは特攻隊のことなんて全くナンセンスと思っていた孫が、つい昨日のことのように、まるで自分のことのように理解をして行く様は、私たちが戦後平和ボケした日本人を何とかしなければという思いを相通じるものがあるのです。

 

 そして、当時の様子をきちんと自分のこととして受け止めることができたならば、日本人はその体の中にあるDNAにスィッチが入って必ず目覚めるという確信のようなものを映像で見せてくれた場面でもあるのです。

 

 もし生きていたのなら、彼の吉田松陰を見たかったと思います。まっすぐに生きた吉田松陰先生の姿と彼の最近とみに男らしくなった顔がとてもしっくりくるように思えてなりませんでした。

 

 普段はあまり俳優の死にとやかく言うことはしませんが、この三浦春馬君の死をとても悲しく残念に思います。