高校球児たちへの手紙 | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 夏の甲子園の中止が決定されました。このために不撓不屈の努力を積み重ねてきた高校球児たちの心情を想えば、声もかけることができません。残念でした。無念でしょう。

 

 でも、この苦境を乗り切るために今まで努力を積み重ねてきたのです。その精神力でこの苦しさを乗り切ってほしいと思います。息子も高校球児でした。甲子園にはいくことどころか、千葉県の決勝すらいけませんでしたが、それでも毎日、練習から帰ってきても家でバットを振り続けていました。

 

 報われない努力もあります。しかし、この世の中には一つも無駄なものはないのです。

 

 報われなかった努力は、きっと別のところで生きてきます。

 

 すべての高校球児が甲子園に出場できるわけではありません。しかし、すべての高校球児に甲子園に出場できる可能性はあります。

 

 その可能性を信じて努力しても、今回のように外の理由によって出場を断たれることもあります。また予選で敗退して出場できないこともあるでしょう。

 

 でも、いままで積み重ねてきた努力は必ず別なところで花を咲かせます。それが小さい花であろうが、大きな花であろうがからなず咲くのです。それを信じて、今からの人生を生きてくださいな。

 

 このまま野球を続ける人もいるでしょう。

 

 これで区切りをつける人もいるでしょう。

 

 でも、高校時代に夢中になって打ち込んだ経験は決して無駄にはなりませんよ。

 

 私は高校時代には何も夢中になるものがなく、とても中途半端な高校生活を送りました。

 

 だからいまでも高校時代の思い出はほとんどありません。

 

 ただ幸せなことに、大学で打ち込めるものを見つけたので、そこで熱中できました。もちろん思い出もたくさんあります。

 

 人間何かに夢中になり、精神的も肉体的に限界を突破すると、一段と人間力が増すことができると思います。

 

 今回皆さんは挑戦さえできませんでしたが、ただそれだけのことですよ。それまで積み重ねてきた苦労は千金の値のあるもので、これを「奇貨」と言います。

 

 皆さんは、甲子園出場や出場に向けた挑戦をすることはできませんでしたが、「奇貨」をそれぞれの胸の中に貯金できたのです。

 

 つまり何物にも代えがたい素晴らしい宝物を将来のために得ることができたのです。