鯖味噌さんからの質問にお答えします。 | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 ブログのコメント欄に次のような質問が寄せられました。

 

>>>引用開始

 

 はじめまして。時々こちらのblogを拝見させていただいております。
今回、日本の古来からの伝統や文化というお話がありましたので関連して以下の項目についてお考えをお教えいただきたくコメント差し上げた次第です。

1・大企業優先で格差を拡大する、弱肉強食の競争原理主義である新自由主義は日本古来の「和」の精神を破壊するのではないか
2・格差拡大と社会保障の削減は育児のハードルを上げ少子化の要因となっているがこれは我が国の伝統文化の担い手を減少させているのではないか
3・累進税制の強化拡大、富裕税の導入、消費減税、社会保障拡充、法人税の累進化などを導入し格差を是正すべきでないか
4・移民政策による急速な異文化の流入は我が国の伝統文化を急速に異質なものへ変容させるのではないか
5・敗戦や、高度成長期の急速な国土の工業地化と土地開発により破壊された風土を可能な限り原状回復すべきでないか、また新規の開発には慎重であるべきではないか
6・我が国古来の伝統文化を維持し保護するために風土と密接である第一次産業の復興をすべきでないか、またTPPはそれに逆行するものでないか
7・国内各地の伝統や文化を維持し保護するために人口、経済、教育、産業など多岐にわたる地域間格差を是正すべきでないか、そのために都市部の財源を自治体財政や地場産業への支援に向けるべきでないか

差し当たり上記7項目についてご回答いただけますようお願い致します。

 

>>>引用終わり

 

 興味深い質問ですので、ひとつづつお答えさせていただきます。

 

Q1・大企業優先で格差を拡大する、弱肉強食の競争原理主義である新自由主義は日本古来の「和」の精神を破壊するのではないか

 

A1.大企業優先とはどういうことを言っているのか不明ですね。

 

 日本経済の産業構造をご存知なのでしょうか?大企業の下には子受け、孫請けが多数存在し、大企業の業績が良くなると傘下の企業の業績も上がります。逆に大企業が業績が悪化すると、末端の零細企業の仕事が減っていき、ひいては日本の購買力が失われていきます。

 

 よく共産党などが大企業の内部留保を吐き出させてと言いますが、一例として原子力発電所が止められて、燃料費が膨れ上がって経営危機に陥った九州電力はその内部留保や資産の取り崩しによって虎口を脱しました。もし、倒産などという状況になったら九州電力の傘下の企業およびその従業員そして九州経済はどうなったと思いますか。

 

 逆に経済政策として大企業に有利な政策をとれば、川上から下流までみんな潤っていき、購買力も上がるので内需が期待できます。大企業もその傘下の企業を守るために相当の努力をしますが、それは日本古来の「和」の精神であり、それがある限りみんなが幸せの社会となり、格差もそうは広がりません。

 

Q2・格差拡大と社会保障の削減は育児のハードルを上げ少子化の要因となっているがこれは我が国の伝統文化の担い手を減少させているのではないか

 

A2.格差拡大と社会保障費の削減が少子化の要因になっているとは思いません。少子化の大きな原因は「同一賃金・同一労働」というきれいごとが蔓延しているために、「家族手当・扶養手当」が廃止され、一人の給料では生活できなくなっているからと分析しています。

 

 独身者がちょっと我慢して同じ役職でも、妻帯者、または世帯主の方が年収を多くすれば、奥さんも働かずに子育てに専念できます。

 

 同じ仕事をしているのに、独身者と世帯主の年収が違うのはおかしいと是正されたのですが、それが結婚するよりも独身の方が気楽で自由に使えるお金があるということで結婚しない人が増えていると思っています。

 

 もちろん様々な要因はあると思いますが、それを「格差拡大」という言葉で片付くほど日本経済は単純ではありません。

 

 そして野党の役目として無駄な社会保障費、例えば外国人に支給する掛け金も払っていない国民年金や、生活保護などの矛盾を是正するように鋭く政府を追及することだと思いますが、その役目を成し得ていませんね。

 

Q3・累進税制の強化拡大、富裕税の導入、消費減税、社会保障拡充、法人税の累進化などを導入し格差を是正すべきでないか

 

 A3.いつの時代の経済学を言っているのでしょうか?

 

 これだけ国際化している時に、こんなことをしたら大企業や金持ちは国外に行ってしまい、日本が貧しくなるだけです。今の日本の相続税では3代相続すると財産が無くなると言われています。それをもっと厳しくすると資産を海外に移し、日本国内での流通が減ることにつながります。そちらの方がディメリットが大きいのではないでしょうか。

 

 ただ、消費税の増税は私も反対です。今のままか、5%に引き下げてもいいと思います。それを実現するのが野党の仕事ですが、野党は仕事を何もしていませんね。

 

Q4・移民政策による急速な異文化の流入は我が国の伝統文化を急速に異質なものへ変容させるのではないか

 

 A4.大まかには賛成です。政府が言っている高学歴の能力を持った人たちだけを受け入れることができればいいのですが、現実は日本人が嫌って人手不足の3K産業などに外国人が数多くいる実態を考えたら、節操のない外国人受け入れはすぐに是正すべきと思います。

 

Q5・敗戦や、高度成長期の急速な国土の工業地化と土地開発により破壊された風土を可能な限り原状回復すべきでないか、また新規の開発には慎重であるべきではないか

 

 A5.もっともな意見ですが、それにかかる費用は誰が出すのですか?

 

 そうしなくても過疎化によって田舎はどんどん自然に回帰していっています。ちょっと山奥の村に行くと年寄りしか住んでおらず、人が住んでいない家は手入れしないと緑に包まれています。

 

 石炭で栄え、そのために多くのぼた山があった筑豊地方では、昔は無機質な灰色の山があちこちに点在したのですが、いまはりっぱに緑が育って今は普通の丘のようになっています。

 

 今問題となっているメガソーラー発電計画はすぐに見直すべきです。再生可能エネルギーが自然に優しいなんて噓っぱちです。一番自然に悪影響なのがメガソーラーです。

 

Q6・我が国古来の伝統文化を維持し保護するために風土と密接である第一次産業の復興をすべきでないか、またTPPはそれに逆行するものでないか

 

 A6.前半はその通りですね。ですから私たちは何をしなければならないのでしょうか。その答えをご教授願います。

 

  またTPPの中身はちょっと調べればすぐにわかります。これが日本にとって不利益だとまだ言っているのでしょうか?もう少し勉強してください。TPPと先日EUと締結したEPAによって、アメリカがいくら保護貿易経済を推進しようとも日本は自由貿易圏を強固なものにしています。これは日本経済、ひいては日本を守ることになると思いませんか。

 

 TPPによって一番不利益を被るのは、CHINAと米国だということを知り、EUとのEPAがどんな効力を持つのかを学べばそんなに心配しなくてもいいのではないでしょうか。

 

 農業は手間と暇がかかります。だからそれでも農家がやっていけるようにするには農業生産品や水産業の製品が高い価格が着かねばなりません。そのためにすこしでも、日本の安全で安心でおいしい農水産物を世界に供給できるような経済圏の確保は必要なのです。

 

Q7・国内各地の伝統や文化を維持し保護するために人口、経済、教育、産業など多岐にわたる地域間格差を是正すべきでないか、そのために都市部の財源を自治体財政や地場産業への支援に向けるべきでないか

 

 A7.いつから日本は社会主義国家になったのでしょう。自由競争を堅持することが資本主義経済の基本です。ただいまだ生まれて間もなく競争力がない産業を保護するのは必要ですが、社会的ニーズが無くなって衰退する産業に資金を使うのは基本的に反対です。

 

 青森に六ケ所村という原子力産業の一大集積地がありますが、その村にある高校は高い偏差値を保ったまま存続しています。過疎の田舎の地域の高校や小中学校がどんどん廃校に追い込まれていく中です。それは偏差値が特に高い原子力産業に従事する技術者たちがそこに大勢住んでいるからです。その子弟はもちろん優秀であり、それによって六ヶ所村の高校が存続しているだと聞いています。

 

 愛媛で加計学園の獣医学部が新設されたことのメリットは、大勢の教職員がそこに住み始め、多くの学生がその街に来て活気づけています。それを知っている愛媛県や今治市は十数年に渡って大学の誘致活動を続けてきました。そしてやっと実現したのが加計学園の獣医学部なのです。

 

 地方を存続させる為に大学を誘致したのです。こんなに素晴らしいことにいちゃもんをつけて反対する野党は存在意義がありませんね。

 

 地域間格差は存在します。だからこそその地域のリーダーを真剣に住民が選び、自分たちの故郷の未来を考えていかねばならないのです。そのためには、その地方に雇用を創出させねばなりません。どうしますか?

 

 大企業を誘致するしかないでしょう。それによっていろんな企業も集まり、雇用が生まれ、人口減少が減り、街に活気が戻るのです。

 

 自動車産業が海外に移転し始めた時、下請け企業もそれについていきました。それによって地方の疲弊が進んだのです。

 

 また集団ヒステリーによって原子力発電所が止った時に電力の安定供給と電気料金が高騰しました。そのため多電力消費産業はつぶれるか、国外へ逃亡しました。アルミ精錬はもう日本には存在しません。

 

 そういう大きな目で経済を見ていかないと人的資源だけしかない日本の未来は暗いものになります。

 

 だから私は原子力をもっと活用して安定した電力を安定した電圧と共に安価に供給し、産業の国外逃避を防ぐしかないと思っております。

 

 地方の首長が自分の票欲しさに、反原発を主張してその地域の原子力発電所の再稼働に反対することほど間抜けなことはないと思っています。鹿児島県では左巻きのテレビ朝日の社員だった人が知事になって反原発を言い始めましたが、すぐに県民の猛反発があって引っ込めて今ではきちんと再稼働して、地方を潤しています。

 

 また猛暑の続く日本列島ですが、九州電力管内の電力供給状況は電力供給能力の83%の需要でまだたっぷりと余裕があります。

 

 それが可能になっているのも、原子力発電所が再稼働しているおかげです。迷信のような核アレルギーによって国力がどれだけ衰退したかをきちんと総括して今後のエネルギー問題を考えなければなりません。

 

 一部の労働組合員が反原発を叫んでデモを繰り返していますが、電力不足や電気料金の高騰により産業が衰退したら、自分たちの仕事がなくなると考えないのでしょうか。

 

 また日本は古来から「君臣一如」の国です。その考え方が大企業の幹部にもあり、外国人がトップにならない限り自分の系列企業を家族としてみなす傾向が強いのも日本経済の特徴です。それらを存続させるためにも、産業の基本である電力を原子力である程度賄うことが必要なると思っております。

 

 鯖味噌さん、これが私の考え方です。国が栄えて国民が栄え、国民が幸福になっていい国ができるのです。だから相手の欠点ばかりをあげつらうのではなく、自分ができることを率先してやることにより、みんなでより良い国づくりをすることが日本本来の伝統文化ではないでしょうか。