なぜ北朝鮮は核を持ってはいけないのか?その2. | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 いろんな反論もあると思います。あっちには認めてこっちには認めないなんて不公平だという人もおられます。

 

 そうなんです。国際社会というものは不公平なんです。力のある国が秩序を決めるのです。その国際秩序に従わなければ全力で排除されるのです。これは歴史が証明しています。

 

 アジアに限ってみてみると、長く中華圏でした。その中で唯一例外だったのが、日本です。

 

 聖徳太子が隋の煬帝に送った有名な書簡「日のいずる所の天子、日の没するところの天子に書を使わす・・・・」です。

 

 これを隋帝国に送ることができたということは日本への侵略はできないという当時のアジア圏における国際情勢を的確につかんでいたからです。もし、隋に刃向うものや刃向う恐れのあるものが皆無ならば、全力で向かってこられれば日本は滅亡の危機に瀕したはずです。

 

 いまでもCHINAが全力で日本にその刃を向けてきたら、日本は大被害を被るでしょう。でも、CHIINAの四方は敵だらけでそんな余裕はありません。そして日本はアメリカや他の東南アジアの諸国と集団的自衛権を行使できる体制を整えています。

 

 言語も漢字という道具を使っていますが、これは便利だから使っているだけのものであり、長い間アジア圏における国際共通語は漢文だったことを考えればすぐに理解できると思います。

 

 でも、日本人は自分でも漢字をどんどん作りだし新しい概念に対処しています。「中華人民共和国」のうち、中華を除く他の文字は日本で作られた日本製の漢字です。

 

 簿記などは、英語でbook keeping(ぼっきに聞こえる)を漢字に当てはめています。まさに当意即妙ですね。

 

 ヨーロッパが台頭し、アジアに侵略の魔の手を伸ばし始めたところ、CHINAは属国の支援をすることができませんでした。そして次々に欧米列強の植民地にされていくのです。最後に残ったCHINA(清国)もアヘン戦争後、ずたずたに食い物にされていきます。

 

 この1840年に始まったアヘン戦争の経緯を知ればいかに国際社会の秩序が力によるものかが明確に理解できます。

 

 清国の製品がイギリスで珍重され、飛ぶように売れたのですが、イギリスからは清国へ輸出するものがなく、輸入超過の状態が続きます。そのため、何かないかとみてみるとインドでとれたアヘンを輸出すればいいことに気づきます。

 

 でもアヘンは清国でも禁制品です。ところが清国の役人は上から下までめっぽうわいろに弱く、すぐに大量のアヘンが清国内に流入し、国力と国民の体力を奪っていきました。

 

 清国の中にも林則徐という立派な政治家がいて、これでは祖国がだめになってしまうと広州の欽差大臣になってアヘンの取り締まりを強化します。そして大量のアヘンをイギリス商人から没収し消石灰と水の化学反応で焼却処分にしたのです。

 

 禁制品のアヘンですから、その処分は正しいし、当たり前のことですよね。

 

 ところが当時世界最強国のイギリスの商人たちは、自分たちの財産を不当に清国政府が没収したと本国に訴えるのです。

 

 立憲君主国のイギリスは議会でも出兵するかどうかで大議論が起きましたが、商人たちの言うことが通り出兵が決まります。

 

 ディズレーリという高名な議会政治家も最初は反対しますが、国益だと言われれば反対できずに最後には反対してしまうのです。

 

 こうやってイギリスは大艦隊を送り込みます。戦争は清国内の政争も相まってイギリスが勝利し、イギリスはアジアに確固たる基盤を築くようになるのです。

 

 今の価値基準でこの戦争を見ると矛盾だらけです。おかしいじゃないかと誰もが思います。しかし、当時はイギリスが最強国であり、イギリスをはじめとするヨーロッパ諸国が国際秩序を決めていたのです。

 

 その理不尽さに気づいたのが日本であり、その結果外国に備えなければという機運が高まるのです。

 

 林則徐の部下であった魏源が書き記した「海国図誌」のシリーズは本国よりも日本で読まれていたほどでした。そこで草莽崛起の志士たちが登場してくるのです。

 

 当時の日本は自給自足経済で物質的には豊かとはいえませんが、精神文化ではとても豊かな平安な国情でした。もし、外圧がなければあと100年はそのまま続いたことでしょう。

 

 当時の国民の中にもすぐに体制を変えなければならないと思う人と今のままでいいんじゃないと思う人が拮抗していたと思います。

 

 その時に1853年ペリーが浦賀沖にやってくるのです。そして長い間続いた地方分権国家から明治の中央集権国家へと変貌を遂げます。

 

 そして第一次第二次世界大戦を通じて覇権がイギリスからアメリカへ移り、米ソの二大超大国の冷戦の時代になりますが、ソ連が崩壊し、アメリカも弱体化していますが、まだまだアメリカの力は強大です。

 

 こういうパワーバランスの推移を加味して現在の国際情勢を見ないと日本の左巻きの常識で判断しようとすると大きく見誤るでしょう。

 

 北朝鮮がその国力を弁えてふるまっていたらよかったのですが、見栄を張りすぎてアメリカという虎のしっぽを踏んでしまったのです。そうなると北朝鮮の理屈は通用しなくなります。それが現状です。

 

 私は歴史を研究しているので、歴史観という観点から現在社会を見ています。

 

 すると技術や兵器は進歩しても基本となる人間の気持ちや国家の強弱などは昔と全く同じだということがわかります。

 

 北朝鮮だけの言い分を聞けば北朝鮮の主張が正しいように思えるかもしれませんが、彼の国が我が同胞を拉致し、本人及びその家族を大きく苦しめた国家犯罪を犯した国であることを考えれば、決して許されない国であると言わざるを得ないでしょう。

 

 矛盾?おっしゃる通りです。

 

 おかしい?全くその通りです。

 

 美しくない?本当に醜いですよね。

 

 でも、それが国際社会であり、その激流を見事に泳ぎ切っているのは安倍総理であり、他に追従を許さないと思っています。

 

 アベノセイダーズの人たちはこの激流を日本国民の生命と財産を守ることができる人ってほかに誰か推薦してくれますか?

 

 枝野幸男氏?小沢一郎氏?山本太郎氏?長妻氏?志位氏?菅直人?

 

 私たちが納得するような人の名前を挙げてくれればいつでも応援しますよ。でも、いまは安倍晋三氏しかいないと思っています。

 

 総理がわざわざアメリカに行ってまで拉致問題をアメリカの大統領にお願いしに行かなくてはならない状態を作っているのは憲法のせいです。もしきちんと日本国が国家として適切にいろんな手を使って対処できているならとっくに解決している問題だということを深く認識してほしいものです。