新刊を出版します! | 井上政典のブログ

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 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
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 昨年のオッショイ!『福岡の神社が面白い』に続いて、6月10日に二冊目の本が発売されることになりました。

 

 今回はなんと漫画! 漫画『博多の恩人聖一国師と博多祇園山笠』というタイトルです。もちろん、私が漫画を描いたのではありません。渋田武春氏という立派な漫画家が原作者である私の意を十分に汲んでいただき、漫画という誰にでも読んでもらえる方法で出版にこぎつけました。

 

 これは3.11の翌年に博多の名刹承天寺で「博多の恩人聖一国師物語り」と題して仲間とともに、劇を上演したことから始まります。

 

 この劇の原作を書いたのですが、その際の行事の一つとして「お汐井取り」とうのがあり、それがオッショイの語源となり、また海水がしみ込んだ砂で清める習慣が福岡だけにしかないことに気づき、昨年出版したオッショイ! 『福岡の神社が面白い』につながるのです。

 

 前作は私が文章を書けば済んだので、すぐに出版できましたが、漫画本はちゃんとした漫画家に漫画の表現方法で描いてもらわねばなりません。そのため、渋田先生という漫画家に出会うまでに時間がかかりました。

 

 発起人である中間氏が必死の思いで巡り合ったのが渋田先生であり、その前にはいろんな漫画家と話をしていましたが、博多の大イベントである山笠の漫画を手掛けるのにはちょっと無理があったのでした。

 

 しかも、渋田先生もこの劇を偶然に観劇しており、その場の臨場感や感動が三人で共有できたのです。

 

 渋田先生もち密に資料を読み漁り、そしてとうとう「ネーム」と呼ばれる鉛筆での下書きが出来上がりました。

 

 最初にこれを読んだとき、私の胸にはあの時の感動が蘇り、熱いものが胸にこみあげてきました。しかし、それではあの劇を見ていない人を感動させることはできません。そこから渋田先生と二人三脚で打ち合わせが続きました。

 

 それと同時に承天寺の老大師様や博多祇園山笠振興会の方々にも見ていただかねばなりません。そうやって下書きの段階から老大師様や山笠振興会の皆様にご尽力いただきました。

 

 そして今度はそれを清書する段階へと入りました。最近の漫画は紙にペンで書きこむのではなく、タブレットにタッチペンで書きこんでいくそうです。それでも渋田先生も専門学校で漫画の教鞭をとりながらコツコツと仕上げていただきました。

 

 そしてまたそれを二人で話し合いながら細かいところを手直ししていったのです。

 

 細かいところではハチマキの結び目から始まり、お寺の屋根の形状や船の形に至るまで様々なものを議論しながら作り上げていきました。

 

 それをまた承天寺の老大師様や博多祇園山笠振興会の方々にチェックしていただきました。

 

 どうしても漫画の中では表現しにくいものは6本のコラム中で紹介するようにしました。そこには「聖一国師が日本にもたらしたもの」とか「聖一国師と弁天様」や「現在の承天寺一山奉賽式」等々についてです。

 

 5月30日にこの本が出来上がり、今日までで協賛していただいただいたいの方々に配り終えました。これも各企業様や個人様に協賛金を頂き製作費を調達したのです。それも二か月間で目標額に達しました。

 

 そのおかげで、福岡市の全小中学校の図書室に寄贈することができるようになり、6月6日に福岡市の教育長様に贈呈することができるようになりました。同日には記者会見も実施することになっており、この漫画を少しでも多くの人に読んでほしいと思っております。

 

 この漫画のコンセプトは「郷土の誇りを後世に伝える」ということであり、博多っ子が燃え、そして大勢の観光客がおいでになるお祭りなのに、その起源となった聖一国師のことはあまり知られていないのです。それをきちんと伝えることが私と漫画家の渋田先生の使命と思い、丁寧な時代考証を積み重ねて漫画化しました。

 

 この漫画には「親子の愛」「志を貫く」「自分の使命とは何かを考える」「いじめにも負けない強い心」「困った人に救いの手を差し伸べる優しい気持ち」などのメッセージも入っており、子供たちが読みやすいように難しい漢字にはルビも振っております。

 

 福岡市の大手の書店には平積みされる予定です。またAmazonや楽天ブックスなどでももうすぐ購入可能になります。

 

 サイン本が欲しい方はメッセージをお寄せください。できるだけ迅速に対処したいと思っております。

 

 この漫画の大きさはジャンプやマガジンと同じ大きさです。それでも表紙をめくると承天寺の老大師様の「傳心(伝心)」という書が目に飛び込んできます。この解説も不肖私が裏に書いています。

 

 聖一国師が南宋まで行って厳しい修行をしてまでも伝えたかった御仏の心とは?

 

 山笠の伝統を守り続けてこられた博多の先人たちは何を後世の私たちに伝えたかったのか?

 

 そして後世に私たちが伝えなければならないものは何か?

 

 これらの熱い思いがこの書の中に含まれています。まずこの書を見て、本文を読んで、そしてまたこの書を見た時に皆さんの心に去来する想いが禅の心に則ったものになるのではないでしょうか。

 

 ただの漫画ではありません。

 

 それはこの漫画を手に取り、実際に読んだらすぐにわかるでしょう。

 

 そして子供や孫に読ませたい一冊となるはずです。

 

 そういう思いで私たちはこの本を作りました。