なぜマスコミは内向きな報道しかしないのか? | 井上政典のブログ

井上政典のブログ

 歴史を通じて未来を見よう。

 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 日大アメフト部、いや日大がサンドバッグ状態です。連日テレビも長い時間をかけて報道しています。

 

 学生スポーツのフェアプレー精神はどこに行ったとか、大人の保身は見苦しいとかどこのチャンネルを回しても言っています。

 

 「反則プレーをした選手は自分で見事に謝罪し、禊をしました。これ以上彼を責めるつもりはありません。でも、それに比べて大人たちの対応は許せない」という内容の批判が相次ぎ、日大アメフト部だけでなく、日大の体制まで揺るがすような問題になっています。

 

 ここまで加熱してくると、日大に無関係の人たちがなんでこんなに熱くなっているのかと冷めた目で見てしまいます。

 

 マスコミも一般の人たちも細かい内部の事情は分からないはずです。にもかかわらずなぜこんなにくちばしを突っ込みたがるのでしょう?

 

 モリカケ問題ではもう視聴率が取れないとなると次はこれに群がってどのチャンネルを回してもこの問題をしています。

 

 情報番組というジャンルの番組が増え過ぎ、時間をとりすぎているのだと思います。だんだんテレビも飽きられ、深いところに突っ込まない内容では、視聴者に飽きられると思います。

 

 その点、インターネット番組では突っ込んだところまで取材をした専門家がじっくりと話をしているので、そちらの視聴者はどんどん増えていっています。内容も濃いので面白いのです。

 

 番組制作費はインターネットテレビの方が圧倒的に少なく、過剰な演出や編集はないため、とても見やすくなっています。

 

 これらが普通にテレビで見られるようになったら、日本はもっと変わるのではないかと思っています。

 

 昨日は、元イスラエル駐日大使のエリ・コーヘン閣下の講演会を実施して多くの人たちが足を運んでいただき、応えきれないくらいの質問が出て大盛況でした。この手の講演会であれだけの質問が出るのは日本では珍しいと閣下も驚いておられました。

 

 イスラエルは国土は四国と同じくらいで人口も少なく、ほどんが荒野の国土で、周りを陸続きで敵に囲まれています。建国して今年で70年しかたっていません。

 

 建国当初はとても貧しい国でしたが、4回にわたる戦争を経験したために、国民の国防に意識は日本と比べ物にならないくらいに強い国です。

 

 質疑応答の時間に大使にある女性が「イスラエルに三つのアラブ人による政党があるそうですが、その人たちはなぜそこにいて、国から出ていこうとしないのですか」というようなことを質問されました。

 

 そうです、中東で唯一民主主義国家のイスラエルではアラブ人による政党が3つもあるのです。

 

 イスラエル建国の際にすでにそこに住んでいた人たちで、イスラエル国民として生活をしており、信教の自由や人権をイスラエル政府から保証されています。ただ、イスラエル国民の義務である兵役は希望すると免除されるそうです。

 

 それでもなぜイスラエルから出ていかないかというと、他の国に住むより生活水準が高く、その人たちの権利がしっかり守られているからだそうです。その人たちにアンケートを取ったところ、多くのアラブ人がイスラエル国民として生きていくことを希望しているそうです。

 

 エジプトとヨルダンはイスラエルと国交を開いており、技術支援などにより経済的に豊かになってきています。人々の対イスラエル感情はまだまだ複雑なものがありますが、豊かさが享受されるようになると将来的にはもっと改善すると思います。

 

 イスラエルにとって最大の敵はイランですが、先日もイランの軍事基地をイスラエルは攻撃しました。ただその軍事基地はイラン国内にあるのではなく、シリア国内にある基地でした。これをイスラエルは交戦的な国とみるか、それとも座して滅亡を待つよりも生き残るために必死で戦う道を選ぶかの違いだと思います。

 

 四方を海で囲まれてきた日本とはまた違った感覚だと思いますが、日本の周辺諸国が海軍を増強しつつある現在はそうも安泰ではおられなくなってきていると思っています。

 

 またコーヘン閣下は、ある人の「国歌国旗に対する尊敬の念を国民に理解させるのにはどうしたらよいか」という質問に対し、いろんな考え方を持っている人がいるので、強制するのではなく小さいころから自分の国を好きになるようにしたらいいとおっしゃっていました。

 

 それは大人の役割で、子供連れて神社言って神様に感謝の誠をささげるようにしたり、戦跡に行って先人たちに手を合わせ、追悼の誠をささげるようにしたらいいと言われました。

 

 そういえば私も孫を連れて神社によく行くし、福岡県陸軍墓地の慰霊祭には三年連続で連れて行っています。今年も連れて行こうと思っております。5歳の小さな女の子がかわいい手を合わせて90度腰を曲げてお辞儀をするしぐさはジジバカの私はもちろん、周りの人も一瞬で顔がほころぶ愛らしい光景です。

 

 こうやって育てていけば、自然に愛国心が生まれ、国歌や国旗に対する尊崇の念も生まれてくるというわけです。

 

 駐日大使として日本の実情をご存知だからこういわれましたが、普通の外国人の目から見れば日本の現状は異常だと思うことでしょう。

 

 それに気づく日本人が少ないのがおかしいことを理解せねばなりません。

 

 いろんな気づきや知らなかったことをお話されましたが、閣下が言われたかったことは、

 

 「平和を希求するならば、力を持たなければならない」ということです。

 

 いろんな考え方があってもいいという自由は発想をお持ちの方ですが、それでも人間の本性として弱いものから欲しいものを奪うのだと言われました。

 

 小さいころ、建国して次の年に生まれたコーヘン閣下は国が貧しい中育ちました。だから食糧事情も悪く4人兄弟の中で長男ですが、一番身長は小さいそうです。若い頃も小さかったのでよくちょっかいを出されていたそうですが、持ち前の闘争心で毎日の如く喧嘩をして生傷が絶えなかったそうです。

 

 その後、松濤館空手と出会い、居合道や柔道も修練し、今ではイスラエル国内に50の道場を持つようになっておられます。

 

 空手を学ぶことは自分の力を他人に誇示するためでなく、自分や愛するものを守るため。自分から他人は攻撃しないが、もし自分が攻撃されたら全力でそれを撃退する。まさにこれからの日本に必要な考えだと共感しています。

 

 昨日の講演はDVDに収めています。現在編集中ですが、それができ次第福岡県郷友連盟からお分けすることになるでしょう。お楽しみに!

 

 この二日間、お世話になった航空自衛隊春日基地の方々、宗像大社の宮司様、筥崎宮の権宮司様、長谷川相談役や関社長など物心両面で援助していただいた多くの方に感謝を申し上げます。会場には元副大臣の西川京子先生もお見えになっていました。

 

 最後に、この会が成功に終わったのも児玉直純氏というヘブライ語の通訳の献身的なご尽力によるものが大きかったと思います。もしヘブライ語が勉強されたい方はいつでも児玉さんを紹介しますよ。

 

 エリ・コーヘン閣下とも仲良しになりました。また福岡にお呼びして新たな刺激を求めたいと思います。その時はぜひみなさんお越しくださいね。

 

 まとめとして、こうやって世界の情勢を見ていると日本のマスコミの内向きさが異常に思えてきます。そればかりを見ている人たちには何とも思わないのでしょうが、今日本は重大な局面に立たされているのです。

 

 マスコミはわざと日本国民を内向きなことばかりに目を向けさせているのかと邪推してしまいます。マスコミがしないなら自分たちで世界に目を向け低下なればなりませんね。