航空自衛隊芦屋基地の航空祭に参加してきました。 | 井上政典のブログ

井上政典のブログ

 歴史を通じて未来を見よう。

 歴史ナビゲーターの井上政典がお贈りする祖国日本への提言です。
 
 ご意見は賛成反対を問わずどんどん書いてください。

 ただし、社会人としての基本的なマナーは守ってくださいね。

 土曜日は夜中から雨が降り続き、芦屋基地で行われるブルーインパルスの航空ショーの開催を危ぶんでいました。

 しかし、晴れ男の異名をとる私は郷友連盟福岡のお世話役からの期待を一心に集めていました。私は天に祈り、てことはせずに普通にしていました。どんなに夜半に雨がふろうとも航空ショーは見ることができると思っていたからです。

 集合時間の九時にはまだ小雨が降っていましたが、徐々にその雨も上がり、雲の薄くなり明るくなってきました。バス二台で博多駅から芦屋基地まで出発です。参加費用は、一人3000円。嘘のように安い金額です。普通に行っても一人往復するともっとかかります。

 郷友連盟の主催のバス旅行は本当に安く、貸切バスの値段を知っている私としては大丈夫?と心配するほどです。それでも、主に自衛隊のOBで構成されるこの郷友連盟は、自衛隊の活動を少しでもたくさんの国民の方々に知ってもらおうと手弁当で日夜走り回っておられます。その姿をよく見ている私のとしては、手伝わないわけに行きません。

 基地に近づくときにもう一度ザァーと降りましたが、バスを降りるときには傘を持っていかないと宣言し、結局その後一滴も振りませんでした。

 風も強く、寒さに震えましたが、F4ファントム戦闘機が飛来すると一気に気持ちが高揚してきました。この戦闘機はベトナム戦争時のアメリカ軍の主力戦闘機で、アメリカでは博物館でしか見られないものですが、航空自衛隊は整備に整備を重ね、未だに使い続けています。

 我々が見ている中で音速を超える飛行は安全上できないのですが、それでも近づいてくるときには音がありません。こちらに向かって飛んでくる飛行機は見えますが、音がありません。上空を通り過ぎて二秒ほどしてお腹に響く轟音がとどろきます。

 これは正直びっくりしました。頭上近くを飛行しているのに、はじめは音が聞こえず、音が飛行機を追いかけているのです。お誘いした女性もその勇姿に「かっこいい!」と連発していました。

 その後、F2戦闘機が飛んできてまたびっくり、姿かたちは米軍のF16にそっくりですが、翼面積が25%ほど広く、普通の戦闘機ではできないことができるのです。

 最高速度はマッハ2を超えるのですが、なんと超低速で飛べるのです。ジェット戦闘機はその構造上低速で飛ぶと失速し墜落してしまいますが、F2戦闘機は地上からは止まって見えるほどの速度で上空を飛行し、一気にアフターバーナーを噴かして飛び去っていきました。

 低速で飛行しているときは、もちろん音と一緒ですが、一気に飛び去るときは音が慌てて飛行機を追いかけているように聞こえます。

 さらに航空自衛隊が誇る救援ヘリの実演展示もありました。当日滑走路付近はとても風が強く、寒かったのですが、ヘリからパラシュートで降下する隊員が真っ直ぐに降りてくるのを見てびっくりたまげました。

 地上でも相当の風が吹いています。当然その風を計算して降下してくると思ったのですが、全く無風のように垂直にパラシュート降下してくるのです。なんたる技量かと感激しました。救助の際は悪天候でもヘリを飛ばし、救助隊員がピンポイントで降下しなければならない状況下を考えると普通のことだと思いますが、この技術は日頃の鍛錬の賜物と感心せざるを得ませんでした。

 さらに現在の航空自衛隊の主力戦闘機がF15の新田原(宮崎)から飛来してきました。F4やF2のエンジンより強力なものを積んでいるので、爆音もそして上昇力も優れているものです。それが旋回をするときの勇姿は頼もしいの一言です。
 
 このF15の主翼の面積はテニスコートと同じ広さだそうで、速度も出せるし、旋回性能も高く、もちろん近づいてくるときは音も聞こえず、そして爆音を残しながら視界からアッという間に消えていきました。

 そしていよいよクライマックスのブルーインパルスによる曲芸飛行です。

 飛び立った飛行機は6機。まずは4機がダイヤモンド型の編隊を組んだまま離陸していきます。これも航空機事故の過半数が離着陸時に起きることを考えれば、4機が密集して離陸することは至難の技と言えるでしょう。でもブルーインパルスのパイロットの面々は、いとも簡単にこなしていきます。

 残念ながら風が強いため、スモークで描く巨大なハートもすぐに消えてしまいます。でも、そういう中でも少し手元が狂えば大事故に繋がる危険な技を鮮やかに決めていくのです。

 これは個人の技量はもとより、隊員の心がひとつになってなければ実現できないものだと感心しながら見ていました。

 じつはこのブルーインパルスの本来の基地は、松島基地です。3.11の時に九州新幹線の開業を祝うために芦屋基地に飛来していたため、被害に遭わずに済みました。

 松島基地も復興し、来年の3月には戻るそうで、芦屋基地を基地とするブルーインパルスの勇姿を見るのは最後となりました。そして、この芦屋基地の指令は女性の空将補(空軍少将)であり、男女の別なく国防の任についておられます。

 安倍総裁が「国防軍」との名称変更を提案されていますが、当然のことだと思います。でも、細野豪志氏はそれが「戦争したがる人たち」と表現しましたが、全くのアホとしか言えず、この細野氏の資質に大変がっかりしました。この程度の認識しかなく国会議員をしているのかと思うと、やはり民主党の国会議員はみんなダメだと思う次第です。

 前にも書きましたが、軍隊は「ネガティブリスト(してはいけないことをはっきりさせること)で動くべきです。それ以外は司令官の判断で即応しない限り、日本人は必ず死にます。それはもちろん自衛隊員を含みます。それが「専守防衛」という言葉のまやかしの限度です。

 自衛隊の皆さんが日々黙々と訓練のたまもので土曜日も楽しませていただきました。

 お世話いただいた郷友連盟の吉田会長を始めとする役員の皆さん、ありがとうございました。