RKB毎日放送60周年、西南学院大学設立100周年を記念して、NHKで放映され話題になった「白熱教室」のサンデル教授の講演会に参加してきました。
この仕掛け人は、RKBの納富昌子専任局長で、NHKの福地元会長との個人的な縁を頼りにNHKとRKB毎日放送というライバルの放送局がコラボすると言う珍しい今回の講演会実現となりました。最近いろんな講演会を企画したりお手伝いするようになり、その内側がわかってきてたのですが、ほんの小さな人の縁をつたって大物を手繰り寄せた納富女史の功績は大きいと思います。
こういう企業の枠組みを超えた大胆な発想と行動は女性ならではのものであり、よく女だから差別されていると言う方がおられますが、強い思いと行動力を持ち、あらゆる反発にも協力に立ち向かう意思があれば男では到底壁が高すぎるものでも、実現できるのです。この点においては敬意を表します。まあ、これだけ強烈であれば、その反動も大きいものですが、今回の成功はそれを上回るものでした。
母校西南学院大学のチャペルには、西日本一と言うパイプオルガンが中央にそびえており、収容人員は800名だそうです。しかし、今回の応募はその10倍で、8000人以上の方々がこのサンデル教授の授業を受けたがっていたのです。
会場に着くと、もうたくさんの人で溢れていました。お連れした長谷川裕一会長や関文彦社長は特別席に、私も特別席に居座っていると納富先輩から「あんたはあっち」と別な席に追いやられました、くしゅん。
同時通訳のレシーバーを調整しながら、待っているとサンデル教授が万雷の拍手に迎えられて登場されました。
『おお光り輝いている』『あれが生サンデルか』と皆さん思われたことでしょう。
講演が始まると、第一声が『私の講義スタイルは知識を教えるものではなく、皆さんに考えてもらうものだ』と言うところから始まり、『大震災で将来の展望が以前より、悲観的になった?それとも楽観的になった?』と言う質問を会場の人たちにして、手を上げさせました。
そして、その理由はと聞かれ、手を上げた人に意見を述べさせていました。私も毎回手を上げていたのですが、座ろうとしていた特別席よりも後ろになったことで見えにくくなっていたのか、当ててもらえませんでした。まあ、終わってみたら当てられた人はみんな若い人ばかりで、オジサンの未来じゃなく、若者の未来がテーマだったねと一人納得しました。それがわかると毎回手を上げていたのがちょっと恥ずかしくなりましたが、気持ちはまだ30代です。いつまでもこの積極的な姿勢は持ち続けるつもりです。
「こういう災害の後で政府の発表を信じるか?ツィッターやブログの方を信じるか?」という問いかけ、賛成、反対の人の意見を同じように言わせ、また相手に説得するよう意見を戦わせると言う場面がたくさんありました。
話すスピードも割とゆっくりで、きちんと言葉を選び聞く人がわかりやすく、考える時間を与えながらの講義です。始まってすぐに同時通訳の英語を選択し、きちんと英語を聞きながら自分も討論に参加しているつもりでいました。
いつでも自分が参加できるとおもうと800人いても自分と先生という身近な空間になり、800人と言う大勢の人の数をかんじさせない距離感の授業でした。これがサンデル教授が全世界で絶賛されている理由だなと感じました。
つい知っていることや自分の考えを先言ってしまう私の反省点として大きな収穫でした。
ただ、議論は前提条件を同じにするとか、細かい設定がないために、日頃から考えている大人には物足りないものがありましたが、その学生の意見を引き出し、人々をひきつけながら結論を一緒に考えていく手法はすばらしいものでした。
そして学生や若者を始め、会場のたくさんの人が手を上げ自分の意見を言おうとする姿勢に好感を持ちましたが、『発言したかった!』という想いがいっそう募った一時間半でした。
その後、キャナルシティのグランドハイアットに会場を移し、レセプションにも参加してきました。私は招待されていたのですが、納富先輩の計らいで10人ほど、お連れすることができました。福岡県副知事や佐賀県知事なども出席されており、豪華で知的レベルの高い会でした。
先ほどの欲求不満を解消するために、乾杯終了後すぐにサンデル教授のところに行き、ご挨拶と議論を吹っかけてきました。その日の午前中に太宰府天満宮に行かれたいわれていたので、
『キリスト教の神様の概念と日本の神様の概念の違いを知っていますか?』と聞くと、
『日本の神様をよく知らない』と言われたので、私の自説を教えてあげました。ちょっと戸惑っておられましたが、更に説明しようとしたところ、後ろにはたくさんの人がならんでおり、空気を読んで断念しました。
英語がしゃべれてよかったと思った瞬間でした。
今日は18時30分から筥崎宮で東条英機閣下
のひ孫の東條英利さんの講演会を企画しています。
福岡市近郊にお住まいの方で興味のある方はぜひおいでください。開会の挨拶をすることになっていますので、ぜひ、後でお声をおかけください。「日本人の証明」という本の出版記念の講演会で、友人の石井英俊君のNPO夢・大アジアの主催で、産経新聞と私の九州歴史観光戦略研究所の後援で開催されます。
なんと会費は1000円です。こんなに安いのは、話を聞いてよかったら本を買ってもらいたいからです。
私とは昨年の10月の沖ノ島特別参拝以来の仲で、歴史上の人物それも悪役で名高いひいじいちゃんをもつ英利氏がどのような人生を送り、そしてどのような経緯でこの本を書いたかたいへん興味あります。
今こそ日本人とはなんぞやと一緒に考えようではありませんか。