木の性質は土の性質によって決まるという。で、この土
だが、わかっているようなわからないような、何とも奥
深いもののようだ。
陶芸家で人間国宝の加藤唐九郎(1897~1985)
は、土にはなりたい形があると語っている。
「深い色、表面に色が出ないで、中から出てくる色、
そういうもんが、ほんとうの日本人の好む色や思うん
ですね。見てきれいでないものの中にある美しさと
いうものを、我々はねらってると思うんですね。
きちっと作ろうと思って作るのは面白くないですね。
土によって、その土が好む形が出来ますからね。
それでなきゃ生きてないですわ。土、殺しちゃいます
からね。土のもつ個性が形になって出来ますからね。」
木も土も、生かすも殺すも人間の質に関わっている
という事なのだ。
- 焼物の里を訪ねて 益子・笠間 (エイムック 1816)/著者不明
- ¥980
- Amazon.co.jp