(前回のつづき)
Ⅱ.世界史の編成
先ほども申し上げた通り、『詳説世界史』には293項目がある。
これは膨大であり、1科目として学習する内容を越えてしまっている。
そこで、小学校の教科書の「上・下」のように、「分割する」ことが能率的であると考える。
私は以下のような地理歴史科の科目編成を提案する。
<現 行>
世界史A 2
世界史B 4
日本史A 2
日本史B 4
地理A 2
地理B 4
<改 訂>
歴史総合 4 世界大戦以降の「現代史」。必修科目。
世界史基礎 4 従来の通史を4単位に省略したもの。文化史中心。
世界史A 4 古代・中世史。200~250ページ程度
世界史B 4 近世・近代史。200~250ページ程度
日本史基礎 4 従来の通史を4単位に省略したもの。文化史中心。
日本史A 4 古代・中世史。200~250ページ程度
日本史B 4 近世・近代史。200~250ページ程度
地理総合 2
地理 4
私は世界史を、「古代・中世史」と「近世・近代史」に分割するべきであると考える。
学校現場の実態に合わせるためだ。
「歴史総合」を必修化する以上、「世界史」は選択科目になる可能性が高くなる。
世界史の教科書を4単位で全て終わらせている学校は、皆無に等しい。
教科書の一部分しかやらない、もしくは単位数を増やしているのが現状だ。
さらに他教科からは、「世界史は4時間あれば大丈夫」という「誤解」も受けやすい。
つまり、「量が膨大」「単位数が足らない」「誤解を生じる」という問題を一度に解決するには、2つに分けて把握しやすくすることが良いと考える。
もちろん、各科目の教科書には、「前後に接続」できるよう、若干の解説文を付け加えることにする。
こうすることで、時間に余裕が生まれ、充実した授業になると考える。
また、学校によっては一般受験をする生徒が少なく、世界史に合計8時間も置けないところもある。
ただ純粋に「世界史」を楽しみたい生徒が多い学校では、「世界史基礎」を置く。
これは、従来の教科書の内容を半分にして、文化史を重視することで、今後の国際化に対応しようとするものである。
日本史も同様である。
とにかく、必修科目「歴史総合」で第一次世界大戦以後の「現代史」を徹底的に学ぶ代わりに、選択科目「世界史A・B」で、それ以前の歴史を学ぶ。
こうした「分業」をすることで、ただ通史をやるよりは、歴史教育の質の向上につながると考える。
よって、私は以下のようなカリキュラムを一例として提案したい。
Ⅰパターン
1年 歴史総合 4単位
2年 地理総合 2単位 + 世界史A・日本史A・理科系の1つ選択 4単位
3年 公共 2単位 + 世界史B・日本史B・地理B・理科系の1つ選択 4単位
Ⅱパターン
1年 地理総合 2単位
2年 歴史総合 4単位
3年 公共 2単位 + 世界史基礎・日本史基礎・地理・理科系の1つ選択 4単位
Ⅲ.大学入試
生徒が歴史を純粋に好きになってくれれば、それに越したことはない。
しかし多くの生徒は、大学受験のために世界史を学んでいる。
私は、新しい共通試験が導入されるが、大学入試の地理歴史科は、「世界史」「日本史」「地理」とすべきと考える。
まとめると、以下の通りだ。
「世界史」 「世界史A」「世界史B」「歴史総合」から出題
「日本史」 「日本史A」「日本史B」「歴史総合」から出題
「地理」 「地理」「地理総合」から出題
国語が「国語総合」をベースに「古典」や「現代文」を含んで試験をしているように、世界史は「世界史A・B・歴史総合」、日本史は「日本史A・B・歴史総合」をベースにすると良いと考える。
その際大事なことは、「歴史総合」の要素を、世界史・日本史ともに入れることである。
つまり、「世界大戦以降」の部分は、「世界史・日本史両分野から出題する」ということだ。
こうすれば、将来どちらかを選択するときも、「受験科目ではないからモチベーションが上がらない」という問題は解決される。
まとめ
山川出版社『詳説世界史』をはじめ、高校世界史の教科書は、世界でも類をみないほど、よくまとまった教科書であると思う。
この教科書を使い授業をしてきたが、最近改めてコンパクトに歴史をまとめた本であると感じている。
この教科書をこれからも活かし、しかしより多くの人が「充実した授業」を受けられるようにするため、教員の意識改革、科目編成の見直しは急務である。
教師が楽しめない授業を、生徒が楽しめるとは思えない。
全員が知るべきこと、そうでないことをしっかりと分類し、教師の力を最大限に発揮できる授業をする。
そうした科目編成が求められていると、私は強く感じている。
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