昨日の記事

今回は、「自己効力感」と同様に、人間の自信と関係の深い「自己有用感」についてお伝えして行こうと思います。
心理学を学んだ方から学ばせていただきました。

―続き―

なぜ最近自己有用感が注目されているかというと、それはおそらく様々な社会問題に関わっていることが予想されるからのようです。
例えば高齢者の心身の健康の問題。
特にずっと仕事をしていた人が定年退職を迎えた後、それまでは社会の中で働いて当たり前のように持っていた、誰かの役に立っているという感覚が、突然失われてしまう場合があります。
そうすると社会から切り離され孤立したように感じやすく、孤独感から心身の健康を害したり自殺したり、オレオレ詐欺など簡単に詐欺に引っかかったり(頼られていると思ってしまう)、逆に万引きなど軽犯罪に手を染めたり(寂しくてやったと言う人も多い)そういった問題にも発展しかねないのです。
この問題は昔よりも寿命が伸びて人生の余暇の時間が長くなったことも影響していると考えられています。
エリクソンの人生の発達課題は、成人期(30〜65歳)の課題とされていた、次の世代に何かを残すという課題が、長寿命化によって健康で活発な高齢者が増加していることから、老年期においても重要な発達課題になってきたと言えるのです。
もちろん、自己有用感の低下は高齢者の問題だけではありません。
例えば妊娠出産を機に仕事から離れてずっと赤ちゃんと2人きりで生活する親。
本当は子どもにとって絶対に必要な存在で、とても重要なことをしているのですが、赤ちゃんは話したり感謝を伝えたりすることができないですし、育児はすぐには成果が分からず、達成感が得られにくいものなので、もし、他の大人と関わる機会が少なく、頑張っても感謝されることのない環境になっていたとしたら、自分が社会から必要とされていない感覚に陥り、自己有用感が下がって気分が落ち込んでしまう場合があります。
もしこれで育児に困難を抱えていたらうつ病になってしまうかも知れません。
また、思春期の子どもにとっても自己有用感は重要となってきます。
思春期の子どもの発達課題はアイデンティティの確立ですが、アイデンティティの確立は、自分自身を社会の中に位置付けることを指します。
言い換えれば、社会の中で自分を活かして役立つ方法を見つけること、とも言えるでしょう。
これは自分が社会にとって有用だという、自己有用感なしでは成り立たないはずです。
自己有用感が低く社会での存在意義を見つけられないと、引きこもりや、ニートなど社会に出られないという問題に発展する可能性も出てくるのです。

―つづく―

すーさんの本
『はじめて子どもを産むママの
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昭和・平成の子育てを断捨離』
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