皆さま、こんにちは。

 

今日は日曜日… じゃないよ。

それでも何の躊躇いもなく、児童書・絵本

 

2021年、昨年度に指定されていた

第67回青少年読書感想文全国コンクール、

課題図書をテーマとして順番にご紹介さしあげます。

 

いよいよ小学生の部、3週連続で進めます!

まずは小5・6年生の4冊です。

 

オランウータンの研究者である著者から

様々なことを学ぶことができます。

著者は漠然とオランウータンを専門に選ばれたようです。

どちらかというと、テーマとして選んで

全力で取り組んだことで

オランウータンへの愛着が

日増しに強くなっていったようでした。

 

 

オランウータンって、

あまり動かないイメージがありませんか?

やはり動かないのです。

動きであり音を発する機会などが少ない点、

これがオランウータンの研究を難しくしています。

 

オランウータンと他の哺乳類動物との

決定的な違いがわかります。

群れをなす機会が少ないのです。

熱帯雨林では果実が成りにくく、

集団で食糧を求めると

あっという間に尽きてしまいます。

生物としての生き方に向いていないことがわかります。

 

その代わりといっては何ですが、

個々で生息しても生き延びることができるのには、

オランウータンの特性が影響しています。

高い樹に上って生活することができ、

外敵に襲われる機会を減らしています。

 

 

しかし、そのオランウータンもまた

絶滅危惧種に指定されるようになりました。

色んな要因がありますが、熱帯雨林の減少が考えられます。

人類の方が、パーム油を生産する過程で、

オランウータンにとって必要な

二次林までも伐採してしまいました。

パーム油は、ほとんどのおやつに入っているものです。

 

著者たちも健康に育っていない

オランウータンを保護して飼育する機会が増えているようです。

母親に育ててもらった記憶がないメスのオランウータンは、

自分の子どもの育て方がわからないのだそうです。

保護する傍らで、自力で生き抜く力も身につけさせなければいけません。

 

 

この辺りの話は、人が子どもを育てていくうえでのヒントも得られます。

他にも例えば、

オランウータンのオスは全く育児に参加しないみたいです。

メスの方に全てかかってきます。

著者はこのことを「孤育て(こそだて)」と表しています。

最近当ブログで、「男性育休」に

触れたばかりなので、ちょっとした気づきでした。

 

 

また、オランウータンの赤ちゃんも

大人の姿を見よう見まねで

マネしながら物事を学んでいきます。

ただし、自分にとって必要だと思うことだけを

全力で取り組むのだそうです。

 

ヒトが何も考えず言われるがまま、

他のみんながしているから

とりあえず同じようにやるのと違いますね。

 

 

メスのオランウータンの出産は、

1頭ずつでおおよそ7年周期なんだそうです。

ですから生涯に産む子どもの数も多くて6頭ほどです。

他の動物と違って、大量に出産するものでもなく、

そして生まれてきた赤ちゃんを

1頭ずつ丁寧に育てていきます。

 

人間の世界でも100年以上前であれば、

何人か亡くなる前提でたくさん出産していました。

今日ではそこまでしなくてもよくなりましたが、

これは医療制度が進歩したからです。

逆を言えば、今を生きている人達は、

医療や健康保険制度を崩壊させるような

ずさんな扱いをしてはいけませんね。

 

 

他にも気付きを得られます。

植物にとって葉は、光合成に必要なものです。

動物たちに食べられることがないよう

葉っぱには毒性を持たすようになっているみたいです。

生物が生き抜くうえでの進化の力を感じます。

どんな生物であっても、

弱点を克服すれば大きく成長でき、

その世界で長く生き残ることができます。

 

 

ジャングルを探索しようとお考えの方、

ヘビに噛まれたらどうしましょうか?

ヘビを追い払って逃がしてはいけません。

必ず捕獲して殺して確保して、

実物を把握できるようにしておきます。

どんなヘビなのかによって、人への治療処置が変わるそうです。

 

また、迷子にならないよう方位磁石の携帯は必須です。

それとまた別に電子機器にあるGPS機能も重宝します。

しかし方位磁石は、電子機器のGPSにくっつけてしまうと

機能を為さなくなるそうで注意が必要です。

 

 

面白いですね。

向き合う相手はオランウータンですが、

全力で取り組むことで

他の様々なことを理解し糧にしていくことができます。

 

 

昨年度の作品から1つご紹介!

ヒトが持ち得る力だってスゴイ。