富裕層が国外逃避すれば国が亡びるというウソ

 

 国家にとって、大事なものは土地と労働者だけです。

 アダム・スミスが言ったように、国富とは土地と労働者だけなのであって、お金ではありません。

 私たちは、アダム・スミスが渾身の力を込めて考え抜いた結論を重視しなければいけません。

 それは、貿易黒字経常収支の黒字金(gold)が流入することで、国内への貨幣(兌換紙幣)の供給を増加させることが出来、景気が良くなるものの、それはインフレをもたらし、インフレは貿易にマイナスの影響を与え、結局は貿易赤字となり、再び金(gold)は流出し、国内の景気は悪くなるということが繰り返されたからです。

 すなわち、お金を持っていても、それは国内の法律や国際情勢によって。いつかは無くなる運命にあります。

 土地と労働者は無くなることはありません。なぜなら、それは国家自身であり、国民自身だからです。

 ただし、移民は別の問題です。移民の問題は、その増加するスピードにあるのであり、文化の違いは問題の本質ではありません。

 今、日本の政界やマスコミでは、所得税や法人税を高くすれば、富裕層や大企業が悲観して日本から出て行き、それによって国の富が無くなり、国が滅びてしまうので、富裕層や企業には減税をして、その利益を守ってやらなければならないといった子供のような印象操作がさかんに行われています。

 日本には、これに反論する政治家や経済学者はいません。

 まるで、富裕層がこの国の富の根源であるかのような言い草ですが、しかし、念のために言っておきますが、国の富の根源土地と労働力であって、それから派生したインフラと労働者の能力です。

 富裕層はそれらを経済的に支配し、利益としてピンハネしている存在にすぎません。

 富裕層というピンハネ屋、外国に移住して、国内に居なくなっても誰も困りません。なぜなら、誰かが代わって、銀行から融資を受け、投資をし、そのピンハネする地位を継承するだけの話だからです。

 企業が日本から出て行くという意味は、土地と労働者を持ち出すことは出来ませんから、結局は、貨幣を持ち出すという意味になります。

 つまり、日本の工場を閉鎖して、海外に新しい工場を建設するだけです。

 工場を閉鎖したことで、日本国内にポッカリ供給の穴が生まれるのなら、野心のある中小企業や零細企業が喜んで供給の穴を埋めます。そうすると、そっくり国内市場を受け継ぐことが出来るからです。

 新しい政府が出来るのならば、そして、経済政策を変えることが出来るのならば、その前提付きですが、金融機関の融資を活発にすることで、国内に残った中小企業は簡単に資金調達出来ます

 財政政策においても、政府が通貨発行権を財源として国民貨幣を分配すれば良く、貨幣が分配されたところに消費が生まれその消費を当てにしてあらゆる労働力や生産設備配置されます。

 したがって、富裕層や企業が海外に出て行くというだけでは、国内産業は全く打撃を受けません。

 国内産業が打撃を受けるのは、企業が海外に出て行くからではなく、富裕層や企業が出て行こうが行くまいが、自民党政府が国民窮乏化政策を行い、労働者を貧困にし、内需型企業を滅ぼす政策を行うからです。

 富裕層や企業が海外に出て行くことの弊害は、外国に生産設備を持ち出し、生産拠点を移した日本人は、もっとも親和性の高い日本に輸出攻勢をかけ、同じ商品を生産する国内の産業が衰退するので困るのです。しかし、もう、これは中国などで行われていることです。日本政府は中国に生産拠点を移す企業に補助金を与えています。

 これをやられると、日本の国内産業が打撃を受け、生産力が破壊されますから、国家存亡の危機となります。

 いまや、中国企業だけでなく、中国に進出した日本企業も、日本に輸出攻勢をかけ、日本国内の企業をつぶすことに専念し、そして、自民党政府もそれを奨励しています。

 もう、全く、日本人が、金持ちが日本から出て行ったらどうしようと心配していることのほとんどは自民党政府の手によって行われてしまっているのです。

 この問題の本質は、国籍がどうとかいうことではなく、政府がしっかりしているかどうかにあります。

 つまり、自民党政府が、関税をかけ、非関税障壁を強化することによって、つまり保護貿易を採用することによって自国の産業を守らなければならないのに、自民党政府は、経団連を始めとする大企業やその株主たちの利益のために自由貿易を採用し、国家の機能を弱め、国民に犠牲を強いて、国際投資家へのサービスを優先していることが問題なのです。

 外国企業であろうと、まだ日本に国籍を置いている日本企業であろうと、安い商品で輸出攻勢をかけて来る企業に対しては、国内の産業や労働者を守るために、高い懲罰的な関税を掛け、国内の産業を護ってやらなければならないのに、自民党政府は関税を撤廃しようとさえしています

 だから、金持ちが日本から出て行ったらどうしようと心配していること自体が滑稽なことなのです。

 問題の本質はそういうこととは違います。

 そもそも、輸入品に関税をかけるのは、日本を出て行ったこととか、裏切ったことの報復とかいうことではなく、単に、日本の国内の産業と労働者の生活を守るために一般的に行われて来た普通の政策にすぎません。

 アメリカや外国政府は堂々と自国のための関税政策をやっているの、日本の自民党政府は経団連の国際投資家の脅しに縮み上がって、円高誘導など出来ません

 経団連の国際投資家たちは、日本国民の貧困化代償として儲けたいだけですが、日本の自民党政府はたったそれだけの小さな壁を崩せないので

 いまや、日本のすべてのものが経団連の国際投資家たちのために存在しているかのようです。

 それによって、日本の大企業は空前の内部留保金を積み上げ、対外純資産を保有しています。(内部留保金は企業利益のこれまでの累積であり、対外純資産は経常黒字の累積です。)

 なぜそういうことになっているかというと、何をやっても国民が怒らないので、政治家は誰の顔色を見て政治をすれば良いのか分からず、日本の自民党政府もまた政策の動機を見出せないからで

 アメリカやEUの国民は、日本人が想像も出来ないほどのデモやストをやっています。それで、労働者の名目賃金も上がり、消費が増え、投資が増え、経済成長を果たしているのです。

 しかし、日本人には、他人に迷惑をかけてはいけないという洗脳がかけられていますから、労働組合も何もやりません。

 日本の労働組合がお祭り的なデモしかやらないので、日本の労働者の名目賃金は30年間上がらず、消費が増えず、投資が増えず、経済成長は30年間止まっています。

 マネーストックに関する政策は政府のコントロールの下にあります。

 富裕層が、外国に預金を持ち出すときは、全てを外貨に換えて持ち出すことになりますが、その場合は、おそらく、金融機関を窓口として預金(日本円)と外貨を交換し、その外貨を持ち出すことになります。すると、その分のマネーストックが減ります。

 万一、そのことで景気に好ましくない影響が出たとしても、政府が財政出動して、減った分のマネーストックを供給すれば対処は簡単に出来ます。なぜなら、全ての生産物は国民の手によって生産されており、貨幣はその分配の手段でしかないからです。

 また、外貨準備高の減少については何の問題も無いことはこれまで述べて来た通りです。

 外国に持ち出された外貨についても、すでに、外国には無数の外国人が居て、無限の外貨が存在しているのですから、いまさら、外国人の外貨が増えたところで問題ありません。

 また、富裕層が日本の資産を所有したまま出て行った場合は、それは、外国人に日本の資産を買い占められたことと同じことですが、すでに、アメリカも中国も大量に自国通貨を印刷し、それによって日本の物資どころか株や不動産などの資産を買い漁っているのに、いまさら、日本の株や不動産を所有する外国人投資家が増えたくらいで状況が変わることはありません。

 うがった見方をすれば、すでに、日本で土地や生産設備を所有している富裕層(経団連の大企業の株主など)と呼ばれる者たちが、まともな日本人だと信じる根拠もないのです。

 日本から出て行くのは簡単であり、外から見ただけでは判りません。つまり、国籍を変えれば良いだけです。逆に、国籍を日本にしたまま、心は外国人ということもあります。

 タックスヘイブンの話も、日本国内に生産設備を持ち、利益を上げながら、外国の本社に送金すれば、日本政府が課税できない問題を言っているのですそもそも、日本政府に国内の富裕層から税金を取る意思がないのであれば、日本に居ながらタックスヘイブンを実現していることと同じです。

 タックスヘイブン問題を取り上げるのであれば、重要度の順から言って、まず、日本国内の富裕層に対してしっかり累進型所得税、法人税、相続税を強化すべきです。

 自民党政府が累進型所得税、法人税、相続税を下げながら、タックスヘイブン問題で騒いでみせるのは滑稽です。

 誰が持とうと、日本国の資産である限り、国がしっかり立法や規則で管理すれば、日本人が持っているのと何ら変わりませんが、それでも、さらにあからさまな反日的外国人に買い占められては困ると思うのなら、法律で所有権を制限すれば良いだけです。所有権というものはあくまで法律に基づいているのですから、法律でどうにでも出来ます。

 憲法第29条にも、『財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用いることができる。』と書いています。

 全てはの生命と財産は国家主権の下にあり外国人がどのように日本の資産を持とうとも、日本の政府がしっかりしていれば、所有権を接収することも、所有権を制限することも、懲罰的な税金を課すことも出来ます。

 しかし、自民党政府は、日本の経団連などの大企業から、中国に進出して儲けたいので中国を刺激しないように頼まれて、日本国内に資産を持つ中国人にも強いことを言いません

 それで、自衛隊基地に隣接する土地まで中国人に買い占められる有様です。

 しょせん、富裕層が日本から出て行くといった議論は、政府の意思の存在の議論に比べて、まったく意味のない議論です。

 輸出企業が大量の物資を海外に持ち出す代わりに、その代償として持ち帰って来る外貨は、金融機関で円と換えてもらうことで自分たちに利益をもたらすためだけのもので、日本国民にとって外貨は何の役に立たないガラクタであることは前にも述べました。

 ゆえに、富裕層が、過酷な税制で利益を守れないから出て行くと言うのであれば、出て行けば良いのです。

 富裕層は安い労働力で安い商品を作り、先進国に買わせ、先進国の生産力を破壊し、失業者を増やし、先進国の労働者を後進国並みの低賃金で働かせたいだけです。

 その目的で、多国籍の投資家たちは話し合って、世界から関税その他の規制の非関税障壁を壊そうと躍起になっているのです。

 それがTPPであり、すなわち自由貿易主義です。

 今、日本政府および全ての政治家は、こうした国際的な投資家の野望と金に屈し、国民を貧困陥れています。

 そしてまだ自民党政府は富裕層のために法人税と累進型所得税を減税してやらなければ、富裕層が外国に逃げて行き、日本が亡びるとウソをい続けているのです。

 

 

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