兄の介護ペースに合わせられないほどに認知症が加速しだしていた。
デイのない日、昼過ぎに妹から連絡がきた。
「申し訳ないが、父の様子を今みにいって欲しい。どうも粗相をしてしまったようだ」と
職場の上に住まわせた父。私は同僚に告げ父の家へ向かった。
父が部屋着の上にパンツを履いて立っていた。
トイレを覗くと床に粗相していた。
私は父を落ち着かせて、着替えさせた。
少しすると父がそわそわし出す。
「トイレ、トイレはどこだ」
家の中を動き回る。
トイレの場所がわからなくなったようだ。
トイレに入る様子を見届けると今度は私に向かって
「なんだ!だからどうすればいいんだ!?」と怒り出した。
トイレの仕方がわからないのだ。
一体何が起きているのだろう。
それまで出来たことができなくなっている。
なぜ?なぜだろうか。
私はかかりつけ医、Y医師のもとを訪れた。
そうあのY医師だ。
薬を飲んでいても変わらずイライラ、不安、不穏があること。
徘徊がはじまったこと。トイレの場所、仕方がわからないこと、眠れないこと全てを話した。
