はなうらら

はなうらら

リアルタイムではありませんが家族のコト、日々のコト、私自身の心の整理として綴ります。

中心静脈。胃瘻。

医師からの急な問いかけに、私と兄は目を合わせた。

父が実際にそのような状況となった場面を想像する。

 

 

 

父は点滴に繋がれながらも、まだ立ち上がろうとしている。

本当にすこしずつ、時間をかけて父に点滴がはいっていった。

点滴がおわったのは、19時をすぎた頃だった。

明日もう一度診察を受けるように言われ、病院を出された。

途方にくれていた。

 

重度の脱水。

点滴で水分を補ったとはいえ、食事も水分の摂取もままならない。

明らかに状態が悪い。

この状況でも、「入院」の言葉は医師の口からは出ない。

いったいどんな状態になれば父は入院させてもらえるのだろうか。

 

 

父を連れて施設へもどった。

翌朝迎えに来ることを伝えて父をお願いした。

帰宅の車の中、兄と話すことはなかった。

お互い話す気力がなかった。

 

翌朝早く父を迎えに行き、病院へむかった。

事前の採血も昨日に同じくなかなか血が採れない。

結果は変わらずの重度の脱水状態だった。

この先どうすればいいのだろうか。家族だけで父を支えていくしかないのだろうか。

 

ここで医師が急に動いた。

「○○さん、入院しよう」

突然に医師が父に話しかけた。

 

「ご家族の方、精神科の医師が来ます。入院で話を進めていきます」

そう言って医師が診察室をでた。数分後、交代するように精神科の医師が入ってきた。

 

車椅子の上でまん丸に曲がった腰のまま動けない父。

その横で兄とわたしに医師が話し始めた。

「○○さんは現状、重度の脱水があり、それを治療するために入院をしていただく、すなわち医療保護入院という形をとります。この入院に関して本人の同意はなくても、家族の同意があれば入院できるということになり~」

早口ながらも医療保護入院に際しての説明を受け、同意、サインを求められた。

 

やっと、専門医につながった。

これで父の状態をみてもらえる。

 

できる限り身体拘束に頼らない医療を受けられる環境を探してたどりついた病院。

遠回りしたけれど、やっとたどり着いた。

このときの安堵感はとても大きかった。