母と叔父と私を乗せた車は、一泊目となる山形県河北町に移動しました。
まずは、道の駅に立ち寄りたいという母の依頼で、宿にも近い「道の駅・河北」に入り、明日の朝に購入する地場モノ土産の確認をして、道路一本隔てた先にある一泊目の宿、雛とべに花の里「ひなの宿」に到着(※画像は旅行会社HPから拝借)。
この宿、叔父に紹介してもらったかけ流しの温泉ということで楽しみにしていましたが、乳がんで全摘と皮膚移植をしている母にとっては不安は隠しきれないようでした。
宿泊棟の廊下を通って大風呂や露天風呂のある日帰り温泉施設が併設しており、通行手形を持っていけば宿泊者も利用出来るという事でした。
手続きを済ませて、しばし旅割の電子チケットと格闘して挫折、結局フロントの女性担当者の方にやっていただきました(笑)。←本当にゴメンなさい。
ここに宿泊するのは私と母の2人、の予定でしたが、数日前に近くの麩の懐石料亭の夕食を予約しようと連絡したら「夜の営業はしていません」ということで、急きょ、夜食だけは叔父の分も用意してくれるように事前連絡を済ませておいたのでした。
夕食まで少し時間があったので、渋る母を誘って宿泊者専用の温泉へと足を向けました。
宿泊者専門の入浴施設内は、洗い場が2人分で内湯のみのこじんまりとしたものではあったものの、今の母にとっては好条件です。
泉質は「ナトリウム-塩化物泉」とは言うものの少し鉄泉に近いような印象を受けました。
源泉温度「50.5℃」の加温なしのかけ流し、熱めのお湯が好きな私は至福の時間。
そして、貸切状態の時間が続きました。
温泉が好きだった母が悪性の乳がんで切除しなくてはならない事を医師から知らされた後、待合室で母がぽつりと言った言葉は忘れられません。
「もう温泉に行けないね」
「そんなことないよ。今は内湯付きの温泉宿だってあるんだから」
やっとその願いをかなえてあげる事ができました。
夕食会場は、併設の温泉施設にある食事場まで移動。
叔父は私たち母娘を待っていてくれました。
その夕食の場で、叔父にこの旅の目的と、母が乳がんになった事と抗がん剤治療をすることを初めて打ち明けたのでした。
「娘にごしゃかった(方言で「怒る」「叱る」の意味)から今があるんだずぅ。感謝せんば」と叔父は優しく言ってくれたのには、結局母もあとから自覚することになったようですが、自分はガン家系であるという事から逃げていたんですね。父親(私にとっては祖父)を胆管ガンで亡くしてるし、母親(祖母)もなにかのガンの傷口がケロイド状になって残っていたとか・・・掘り返していくと出るは出るはのガン家系。
そんな優しい叔父も腎臓を悪くしているので、みんな心配の種は尽きません。
夕食を済ませて、叔父とまた明日の朝に迎えに来てくれるように依頼をして別れました。
日帰り温泉施設内には売店もあって、ついつい我慢できずに買ったのが、棒だら。
(画像はニッスイさんのレシピpより拝借)
まだまだ、つづきます