2021年1月の午前中。

 

愛してやまないチワワ、にこに突然、発作が起きました。

 

飛び跳ねてのスタートだったように思いますが、四つ脚でぎゅっと絨毯を握りしめるように立っていました。(2022年の動物病院の獣医所見によると”発作”とは言えないとのこと・・・)

 

何が起きたか分からなかったのですが、記録が大事ということだけは海外生活で身にしみていたので、すぐにスマホで動画を撮りました。

 

その映像から、動物のクリニック(かかりつけの獣医)では「てんかん」だろうと。
(彼女は”典型的なてんかんの発作だ”と言っていましたが・・・)

 

ただ、犬によっては人生に一度しか起きないこともあるし、今後頻発する可能性もあって、今の段階では何の対処もできない、と言われました。

 

次回の発作の時に注入する座薬をもらい、何事もなく時が過ぎ安心していた矢先。

ちょうど11ヶ月経ったその日にまた発作が起きました。

 

 

発作が起きたら、安静にさせたいのに、パパが不在で、1歳のママっ子が抱っこして欲しくて泣きわめくので、にこにとってもいい環境ではなく私は無力でした。

 

2分以上の発作だったので、かかりつけ医の指示通り、座薬「Diazepam allgen Rektiole 5mg」を注入しましたが、きちんと薬が体内へ入っているか手応えのないパッケージでおろおろ。

 

にこは少し落ち着きましたが、2分後にまた発作。

 

薬が効かない、もしくはきちんと注入できていないのかと心配しましたが、30秒ほどでストップ。

 

 

 

そんなこんなで、すぐに救急に行くことになりました。

 

 

アニクラ(AniCura)という専門医が集まる大きな動物病院でした。24時間365日開院している地域の救急病院でもあります。ハーグ地域にお住まいの方で、8−17時以外の時間帯にペットに何か起きたら電話してOKです。緊急時でも来院にはアポが必須です。緊急時以外は、かかりつけの獣医を通してからのみアニクラにかかることができます。

 

 

 

 

人間と同じで、ペットもかかりつけのクリニックを通してからのみ「専門医の集まる動物病院」にで検査や治療を受けられる、という制度であることをこの日初めて知りました。前回の発作の時、かかりつけの獣医の回答がぼんやりしているように感じてしまったのはそのせいでしょうか。

 

 

 

にこが私の膝で落ち着いている待ち時間中に、救急、そして専門医のいる病院という特性上2件も安楽死に遭遇。

そうか、この国には、動物にも「安楽死」という制度があるのね・・・

 

 

緊急性がなかった私たちの順番は後回しに。2時間ほど待ったでしょうか。次男が生まれてから減ってしまったにことの時間をもっと増やさなきゃと考えさせてもらえる時間でした。

今回の発作は、にこからのサインなのだと思いました。

 

アニクラの獣医と話して、まずは、かかりつけの獣医で血液検査をすることにしました。ここまでは、「対てんかん」に対する処置でした。(かかりつけ獣医の所見によるてんかん発作だと思われていました)

 

 

 

 

その結果から、肝臓に関する数値がよくなく、動物病院アニクラでの超音波検査を勧められていた矢先。発作から1週間後に朝から嘔吐。

 

食欲はあって食べるのに、消化不良で食べたものが出てきてしまう。昼過ぎまでに6回は嘔吐したので、かかりつけの獣医で吐き止めの注射をうってもらいました。

 

そして翌日アニクラにて超音波検査+血液検査を受け、重度の膵炎だと診断されました。

 

 

膵臓が「沈黙の臓器」と呼ばれていることは知っていたので、膵炎としてわかった段階でかなり進行しているのだろうと予想しました。

 

 

 

 

膵炎の場合、脂肪を含む食事を取れないため、すぐに低脂肪食へと切り替えなくてはいけません。ただ、療法食は動物のクリニックやらオンラインでしか取り扱いがない上、クリスマスの時期と重なり四苦八苦。

 

 

 

獣医に勧められた上記のフード「ロイヤルカナン 消化器サポート低脂肪」をなんとか手に入れました。しかし、にこが食べてくれない・・・

 

とにかく、「食べることが大事」と言われるにこ。なので、ささみやら、じゃがいもやら、インターネットでいろいろ検索してあげてみます。

きゅうり、たまご、もチャレンジして、一度は喜んで食べてくれましたが、繰り返しは食べません。水も飲まないのでスイカをあげてみましたが、一度食べたっきり食べない。

 

そこで、ふやかした低脂肪食を舌の根元や上顎の奥にくっつける、という感じで食べさせなくてはいけなくなりました。しかし、これも嫌がって嫌がって。にこには相当ストレスだったと思います。

 

 

体重も発作時より300g減ってしまいましたが、お腹が妊婦みたいに大きく、時に張っています。そしてやたらと臭いのあるゲップをするようになりました。

 

ついにアニクラに入院。。

点滴、そして鼻チューブでの食事に切り替えることになりました。

 

2泊3日で20万円以上の費用でした。オランダの動物医療、なかなか高いです。専門医制だからでしょう。

 

退院時に、アニクラの獣医から

「血液検査の結果によるともう膵炎ではない。ただ、2度目の超音波検査でも膵臓がおかしい。もしかすると、膵臓がんかもしれない」というような説明を受けました。

ただ、犬の膵臓がんは半年に1回くらいしか遭遇しない珍しい病気で、しばらく様子をみて2週間後に血液検査、2ヶ月後に超音波検査をしようと提案されました。

 

とにかく他の犬や人が苦手なうちのにこ姫。入院中もかなり怯えていたそうで、自宅で療養する方がいいとのこと。チューブを数日後にとって、自分でフードが食べられるようになれば、大丈夫だ、と。

 

プラス、「痛み止め」「吐き止め」「胃酸抑制」の3種類の薬も処方されました。

 

 

アニクラでは、入院中の朝、前夜の様子について電話をもらえます。

昼には、担当獣医から治療や状況について電話をもらえます。

そして、上のような写真が1日1枚送られてきます。

 

 

 

 

 

年末年始に自宅で引き続き鼻チューブからの食事をあげていました。

 

 

 

 

あんなに食に欲深かったにこ。チューブにシリンダで液体ご飯を流してあげるだけ、というのは寂しく切ないので涙ばかり流していましたが、一緒に過ごせる幸せを噛み締めていました。ワンちゃんの膵炎で悩ましい方がいると思うので、ご参考までに。

 

 

その間に、ロイヤルカナンとは別の低脂肪食も準備しました。

 

 

 

アレルギー持ちのにこが、ずっと食べているプリスクリプションヒルズ(Prescription Hills)というメーカーの療法食、「i/d 低脂肪 消化ケア チキンフレイバー」です。

 

 

 

 

 

オランダでの動物医療は、日本のそれを経験した私にとっては、時間がかかるのが1番のネックです。かかりつけ獣医と専門医の相互のやりとり、診断などひとつひとつに時間を要します。

日本であれば、かかりつけの動物病院1箇所で、ここまでの診断や治療は1週間もあればできるはずじゃないかなと経験上思います。

 

 

種類は限られていますが、動物用の医療保険もあります。

個人的な試算だと、加入は不要に思います。その代わりに積み立てておく方がいいですね。

 

 

 

続きはまた今度。