この時期になると、オランダでは2022年へ向けての改革がいろいろと見えてきます。
税の見直し、料金の見直し、保険料や保険内容の見直し・・・などなど。
それは、年度始めの9月にオランダ国王に提出された来年の予算案を、各所で調整し、予算や政策施策を見直す、というところからきているのですが。。
11月なかば頃になると、新しい方向性を見据えた調整が各所からメールやらで飛んできます。
そして、コロナウイルスによるパンデミックで迎える2回目の秋冬になり、各所の新たな予算確保やルールの見直しも顕著化してきたように思います。
我が家に関することで一番問題になりそうなのは、「教師不足」がより深刻化していること。
うちの兄弟は、それぞれ別々の保育/教育機関でお世話になっていますが、どちらも「教師不足」と「保育費の値上げ」を訴えてきています。
まず、先生や先生の家族がコロナの症状により検査や自宅待機で休むことになると、その1日、2日、もしくは1週間を補充する先生が必要になります。
急な学校/学級閉鎖になると、オンラインレッスンの準備を強いられます。
また、政府によるコロナルールが変更になるたびに、学校も対応や対策が必要になり、その準備に追われます。
他にも、私たちが知る由もないところで負担が増大しているのかもしれません。今は、ここオランダでも教師という職業がさらに不人気になっています。
<教師が不人気職業の理由>
・キャリアアップや給料アップが大きく見込めない
・負担や労働量
・フルタイム週5日で働けない/働きたくない
そのせいで、
・先生が急に辞めてしまって自主学習を強いられている。
・先生が体調不良で2ヶ月休んでいて、クラス編成を行う必要が出てきた。
・保育士の数が足りないので、4つのグループのうちひとつかふたつを閉鎖する必要が出てきた。
・学童の時間中に習い事への送り迎えをしてくれていたが、対応できなくなった。
など、我が家だけでなくこのような問題に直面している話を聞く機会が増えました。
学校や保育期間は、「補充用の教師」を抱えているそうなのですが、それでも人手が足りないので、教師の活力やモチベーションを上げるために、来年は6.5%の保育費値上げが実施されることになりました。(オランダは保育費が時給計算です)
先生たちのみならず、労働に見合った賃金を受け取るのは権利です。
そして、子供は無実で、どの子供にも教育を受ける権利は平等にあるはずです。ましてや、オランダは12歳でその後の進路を左右するCITOテストを受けます。
先生たちが気持ちよく子供と向き合って職を全うしてくださるのであれば、子供の学力低下や社交の場を失うよりも値上げもやむを得ない、ですね。
他にも、交通費の値上げやら、保険料の値上げやら・・・いろいろとお知らせが飛んできています。値上げの嵐になりそうです。