先日、いつものようにお迎えに保育園へ行ったところ。あまり見覚えのないM先生が引き渡しに対応してくれました。
もう園に残っている子供はいなく、戸締まりをする先生がもう1人いただけでした。
帰りの身支度をしているときに、その先生からその日の連絡を受け、今まで見たことのないお昼寝ルームを見せてもらうことになりました。
もう戸締りのために灯りも消えていく、薄暗い部屋の中、お昼寝の様子について少し話をしていました。
すると、いきなり、そのM先生が私と息子に向かって、いわゆる「つり目ジェスチャー」とやらをやってきたのです。
私は一瞬目を疑いました。
一旦、そのジェスチャーをやめたかと思うと、また、そのジェスチャーをし始めます。そして、私に抱っこされている息子を見ながら、自分の指を動かして息子の目の形を真似るように、細く保ちつつもあれこれ動かします。
しかも、
"You have beautiful eyes"(美しい目をしているね)って言いながら。
そりゃ美しい目をしていますよ、息子に限らず子供たちの目の美しさにはいつも驚かされます。
でも、褒めてもらっているのか、けなされているのか分かりません。
名前も知らない先生で、長男のお迎えにも行かなくてはいけなかったので、私はその場では何も言えずに、「行かなきゃ」と踵をかえして出ました。
その後、さんざん考えましたが、どうしてあの先生があのジェスチャーをしなくてはいけなかったのか、美しい目だと説明するのにあのジェスチャーが必要あったのか理解できませんでした。
悪そうな先生にも見えなかったのに、実は悪意があったのだろうかと考えてしまいました。だとすると、息子はどのように保育園で扱われているのだろうか、と。
1日おいて、保育園に向かうと、またM先生が息子のグループにいました。ただ、もう1人は、いつもの担当の先生でした。そこで、少し時間をもらって担任のT先生に話してみました。
すると、T先生も驚いた様子。
どうしてM先生がそんなことをしたのかわからないと言い、あとで電話をもらうことになりました。M先生は、欠員補充の保育士で、あちこちの保育園にスポット的に入るようです。
その後、T先生から電話をもらった時には、すでにマネージャーに報告してくれた後でした。マネージャーもT先生もそういった差別的な出来事を見過ごすことはできない、と同じ見解をもらえて。とても安心しました。
日本を離れてから、自然にやっていたことや発言が差別的であると知らされることがたびたびありました。日本では馴染みのある言動も、いっぽ外へ出ると、悪意はいっさいないのにも関わらず、それが差別的な場合がいろいろあります。
「もしかして、M先生のつり目ジェスチャーもその類なのかもしれない(つまり、悪意はない)」
と考えたり、
「表現がダイレクトなオランダ人にとっては、意外となんて事のない、意味のないことかもしれない」
「このことを問題に思うことすらオランダ人には理解されないかもしれない」
と思ったりしていたのですが・・・
謝罪をしないオランダ人が、素直に「ごめんなさい」と言ってくれたので、私の心はだいぶ軽くなりました。
やはり、あれが差別的表現だと考えるのは私だけではなかった、と保育園側と理解し合えたことがよかったです。
その後の対応については、私がオランダ人に期待している以上で進んでいます。(今回のことで気付きましたが、オランダ人への期待値はわたし低めです、笑)
普段から、マイノリティとして生活していると差別的な出来事は起こりうるものですが、これまでは通りすがりの関わりのない人なので無視できました。息子の保育園の先生ともなると、見て見ぬ振りはできぬ問題でしたね。
これは、私が移住直後に、仲良くなったオランダ人が教えてくれた動画です。
本来は、誕生日の人に向けて祝福を贈る動画なのですが、0:47から「Hanky panky shanghai」(インチキ上海)とうたうオランダ人女性たち。
つり目ジェスチャーをしています。正直なぜこのお祝いの場面で歌う必要があるのか一切理解できません。
ただ、左側手前の女性だけは、気まずそうで、ジェスチャーもしません。
不愉快な動画ですが、たった4分の1の彼女だけが救いです。仲間に流されてついやっちゃってもおかしくない場面です。
私も、マジョリティに流されることなく、自分の常識や信念にブレずにいたいです。
「オランダ人」と一括りにすれども、本当にいろんな人と考え方があります。日本だって、そうですよね。
出会うオランダ人がみんな親切で子供好きとは限らないので、外国に住む以上覚悟は必要です。しかし、常識的な人もたくさんいますので、これから移住を考えている方も過度にご心配なく。