コロナウイルスで延期されていた日本語補習校の入学式がようやく開かれました。
日本語補習校は、オランダが長いロックダウンに入っていたため、4月入学時からしばらくオンライン授業でした。
正直、オランダでは入学式やら始業式など全体が集まって行う厳かな儀式はないので、忘れていました。
日本とはかなり違うであろう簡単な式でしたが、子供たちはオランダとの文化の違いにも触れ、(ちょっとは)お勉強への意欲も増え、二学期のいいスタートになるのではないかと思います。
うちの息子からは、入学式が終わった夜に、
「どうして日本の人は、こうやったり、こうやったり、いっぱいするの?」
と言われました。
ひとつ目の「こうやったり」 → 起立やお辞儀のこと
ふたつ目の「こうやったり」 → 合掌やいただきます、のこと
サッカーの試合でいつも遅刻させてもらっているので、1日を通して学校で過ごし、かつ、入学式を経験して不思議に思った様子でした。
学校の始まりに、「きりーつ、きょーつけー、れー」(起立、気をつけ、礼)とやって。帰るときにも同じようにやって。
などと、一生懸命話していました。
しばらく帰国できていないですが、ポケモンブームが彼に到来しているので、日本に帰りたいとか住みたいとか言うこともあります。
久しぶりに帰ったらいろんなカルチャーショックが彼を待っているかもしれませんね。
長男の日本語力は、というと。
大丈夫なのかな、と心配になります、笑。日本人夫婦の元で育っている割に上達しません。ここ3年ほどは日本語力が変わっていないんじゃないかと思うほどです。
↓気になるのはこちら↓
・こそあど言葉(あれ、これ、それなど)が多い。
・文法がオランダ語の順番になる。
例:「きょうは、ばっかり りんごたべた」
・オランダ語を訳した、日本語の表現になる。
補習校では、日本の一年生が習う量を5倍速で習っています。日本で月曜〜金曜に習う量を土曜にいっきに習っている、という認識です。
週に1回出される宿題は、だいたいこんな感じです。
・絵日記
・本を読む
・ワークブック国語、算数 各4ページくらい
・プリント 3〜5枚
・ひらがなやカタカナの練習
二学期からは漢字もスタート
補習校の宿題は量が多い、とよく表現されます。
しかし、私からしてみると、
日本語力が低いゆえ
→ペースがあがらず
→終えるのが大変だから
→多く感じる
のだと思います。
15分くらいで終えられそうな内容を1時間もそれ以上もかけてやります。学校で習ってきたことも、どんどんオランダ語や他のことに上書きされるので、忘れてしまっていることがとても多いです。教える親も根気が必要です。
日本語を教えれば教えるほど、難しい言語だな、とも思い知らされるし、そりゃ日本人は他の言語の勉強が後回しになるよな、とも思うし。つい声が大きくなってしまい、子供が泣き、こんなになるほど日本語を頑張らせる意味ってあるのだろうか、と時々親でも嫌になったりしつつ。
親御さんによっては、
「漫画やアニメを好きになって、ある程度大きくなってから覚えた」
という声もちょくちょく聞くことがあり、
「うちもその方法でいい」
「本人が興味を持ってからでいい」
と小さいうちからの日本語教育をしない家庭も少なくありません。
実は私も移住当初、日本語教育に対してはその程度の認識でした。本を読むことを考えたって、英語で書かれたものの方が圧倒的に多いですよね。だったら他のことに時間を使った方がいいのではないかと。それに、補習校に通学させるのにもある程度の労力と出費が伴うので、子も親も楽ではありません。
他の習い事とのバランスもあるでしょう。
でも、日本語を子供のうちから学習して大人になった人たちは、
「大変だったけど、やってきてよかった」
と間違いなく言います。
勝手には伸びていかない息子の日本語力を現実に感じて、私はそっちの言葉を信じたい。今はそう思って子供と一緒にがんばっています。
日本のことよりオランダのことにどんどん詳しくなっていってる息子ですが、両親は日本人。
思春期にはいって、自分の気持ちをただでさえ口に出さなくなったときに、日本語がうまく使えず気持ちや意見をさらに表現できなくなったら、心の距離がどんどん開いちゃう気がするのです。オランダ人との友達といる方が楽だ、と、外に外に出て行ってしまったら、さみしいな。もちろん成長がそうさせる部分もあるのですが、成長とともに深い話も楽しめる相手として親のことも含めて欲しい、と思うのです。私はそうではなかったので、きっと余計にそうしたいと思っているのかもしれません。一緒に居酒屋行って話しこみたいな〜
そして、言語力がきっと将来の選択肢を増やしてくれることと思います。
と考えていると、子供の成長ってあっという間なんでしょうね。
日々の健康と笑顔を大切に。