ここのところご無沙汰していました。

 
実はオランダの病院で手術を受けました。
 
コロナ危機でホームドクターや病院も通常と違っていたため、検査から手術までおそらく2ー3倍の期間がかかったと思います。
聞くところによると手術の8割はキャンセルされている状況だったそうで、手術を受けることが決まってからも待機リストに名前を載せられました。
 
 
詳しい病気の経過やオランダでの医療については、どなたか同じ病気で困った方の役に立てればと思い、別ブログを用意しようと思っています。 
 
 
今日は、オランダの医療や保険ってどうなの?という疑問をお持ちの方に少しでもお役に立てればと思い、日本とは違うな、と思った以下4つのことについて記しておきたいと思います。
 
 
ーーーーーーーーーー
 
 

1. 一定額以上の医療費は負担なし

 
 オランダの医療保険は外国人だろうと加入が義務づけられています。
 年齢や条件にもよりますが、ひと月1万円前後とよく聞きます。
 
 それさえ支払いできていれば、1年にかかった医療費を385ユーロまでは自己負担しなくてはいけませんが、それ以上は負担なしが基本です。この自己負担額は自分で増やすことができます。
 あまり病院にかかる予定がない人であれば、1年の自己負担額を最高額の885ユーロに設定しておくと、保険料が割引されます。
 (今回はコロナのせいもあったのかもしれませんが、私の意思に関係なく)バストイレシャワー完備、テレビ付きの広々とした個室入院でしたが、医療費の負担は385ユーロ以上の支払いはありませんでした。
 
 妊娠出産にかかった費用も一定の自己負担額以上は支払いません。
 ただ、保険会社とそのプランによって保険でカバーされるものや通院可能な病院に差異があるので、ご自身の健康状態によって詳細を確認しておかれることをお勧めします!!
 
 また、歯科治療や整体ケアなどは追加プランに入らないと全額負担になります。
 
 
 

2. 個人負担は軽い分、無駄を省くオランダの病院

 
 私の病気は、日本だと事前1泊入院、術後7日入院のようでした。
 入院費や諸々の医療費は日本では個人が3割負担ですよね。その代わり個人で保険会社と契約して、もしもに供える方もいらっしゃると思います。
 
 オランダでは上記のような保険制度のため、個人の負担が少ない分、保険会社の負担もなるべく少なく^^;、ということで、手術日朝に来院で、入院するかどうかは術後の状態で医師によって決められました。
 結果、術後1泊だけ入院し、翌日の昼に帰宅しました。
 
 これは、出産後も2〜3時間で帰宅になるのと同じようなものですね。
 
 どっちがいいのでしょう〜。。。オランダのやり方では個人の懐はいたまないですが、病気の回復や精神的な安心感ではマイナスかもです。家族や友達の助けを借りられる方なら問題ないと思いますが、私たちは子供たちも小さいのでちょっと大変なこともありました。
 
 
 

3. 人間が本来もつ自然治癒を信じ、投薬しない・少ない

 
 これは今回個人的に一番引っかかったところです。
 
 痛み止めはきちんと処方されます。
 「オランダ人はすぐパラセタモール(日本でいうバファリンみたいな)を飲め、という」と茶化して言う人もいるくらいです。
パラセタモールは薬局でもかなり安く簡単に手に入ります。
 
 しかしその他の投薬は本当によしとされないです。
 
 日本だと風邪で病院にかかったとしても抗生物質を含む何種類かの薬を処方されますが、オランダでは例えホームドクターへ行ったとしても、「水分補給してよく寝ること」につきます。
 
 私は今回、痛み止め以外で処方してもらいたいものがあったのですが、ドクターに話しても無駄でした。
 
 製薬会社の儲けに加担し、気休め程度でも服用して精神的安心を得るのか、はたまた、自己免疫をあげて自らの手で己の体を最終的には修復させるのが長い目で見て結果的にはいいのか。
 
オランダに来て、フィトテラビー(植物療法)などの西洋医学以外のものも知りましたが、小さい子を抱えた身としては「頼りたい」と言うのが本音かもしれません。
 
 
 

4. 言葉の不安

 
 いくら英語が通じるオランダ人とはいえ、お互いに英語は第二言語。
 
 今回の件で、病院関係者にも「英語が苦手で」と言われることも数回ありました。 
 
 外国人だからと甘く見られたり、大事なことを省略されたりするのがいやで、きちんと理解した上で手術に臨みたかったので、今回はオランダ語通訳の方に同行をお願いしました。
 
 コロナで基本的に付き添いの同行はダメだったのですが、通訳はOKでした。
 
 精神的にも支えになって下さったので、大変助かりました。
 
 
 
ーーーーーーーーーーーー
 
 
 
こう4つ並べてみると、マイナスに思われるポイントが多くなってしまったような気もしますが、看護師さんなどの対応には、日本と同様感謝です。
 
本当に医療従事者の方には頭が下がる思いで、素晴らしいお仕事だなと尊敬しかありません。
 
 
このご時世いろいろと調べられてしまうので、ついつい日本とオランダを、さらには、アメリカやイギリス、EU諸国とオランダを比較して、勝手に落ち込んでしまったり、勝手に喜んでしまうことがありました。
 
 
今回は、私がオランダで体験した個人の感想によって書いています。個人の状況によって、感じ方、考え方は違う事柄だということはご理解ください。
 
とにかく、人間としての生きる力を求められているような、試されているような・・・
「7日も介抱される必要なんてないんだよ、だって君はもう自分の力でゆっくりでもよくなるんだから。君に本来備わっている治癒力を信じてくれ。大丈夫だよ、君は介抱が必要な病人じゃない、自分の脚で立つことができるんだ、がんばれ。」
って言われているような・・・
 
 
 
オランダに長期的に住むのならば、歯科治療もとても高いので、予防が大事ですね。
 
次回かその次か。。その歯科治療について書こうと思っています。
 
写真は朝9時半ごろの朝散歩にて。