土橋重隆さん(外科医)の本を読みました。
『ガンを超える生き方
―ガンはあなたの人生に届いたメッセージ』
病院での治療は対症療法だと感じることが多い私。
共感するところの多い本でした。
病院では「ガンの原因」はあまり考えない
ガンの診断や治療には、ガンの原因が何であるかはあまり問題になりません。
タバコや石綿などが原因とされるものもありますが、一部です。
「なぜ、病気になるのか」「なぜ、ガンになるのか」
についてもっと考えても良いのではないでしょうか?
本書では、次のような視点が語られています。
- ガンの原因は自然治癒力の乱れにある
- ガンを治すのもまた自然治癒力
- 心理的ストレスがガンの発症に強く関わっている
右乳ガン・左乳ガンの違い?
印象的だったのは、右乳ガンと左乳ガンの違いに関するエピソードです。
- 右乳ガンの患者さんの多くは「心当たりが全くない」と言う
- 左乳ガンの患者さんは「きっと〇〇が原因だったと思う」と話す
右乳ガンの場合、家庭内のストレスが日常化して自覚されていないケースが多いのだそうです。
ときどき両側の乳ガンと診断される方もいますが、興味深い視点だなと思います。
医学では拾いきれない「捨象」されたもの
本書で初めて知った言葉に「捨象」があります。
- 出来事 = 抽象 + 捨象
- 抽象:医学的根拠や科学的事実
- 捨象:生活史、心の問題、個人の背景など医学的に見落とされがちな部分
「抽象」とは、物事のある側面・性質を抽出したもの。
医学的根拠あるいは科学的事実などがこれに当たります。
それに対して、「捨象」されたもの(生活史、心の問題など)がある。
医学的根拠を得るために捨て去られたもの、無視された事実に当たります。
病気を丸ごと理解するためには、捨象された個人的な生活史、生き方を見つめなおすことがヒントになるのかもしれません。
ガンと生き方のつながり
著者は、西洋医学や代替医療を否定しているわけではありません。
ただ、こう語っています:
「抽象の産物である科学的診断・治療には限界がある」
「ガンを治すのではなく、自分の生き方を変えるのです」
治癒した人たちには心理的変化が起こっていて、心の変化こそガンを治す力になるというのです。
ガン予防にも大切な視点が書かれていると感じました。
興味のある方は読んでみてくださいね。