ふぅ。
互いへのリスペクト、そして大統領という地位への誇りと責任感がほとんど見られなかった、結果残念な討論会でした。
前回もところどころお祭り騒ぎでしたが、今回はもっとひどい。
アメリカ国民の悲しいツイートや怒りの投稿でTwitterやFacebook、SNSは溢れています。
今朝、日本時間の朝10時に行われた第2回大統領候補者のディベートを観れなかった方。
とりあえず以下のポイントさえ知っていれば、あとは別にいいかなと思います…。
わざわざ観るようなものではないので、残念ながら…。
1.討論会が始まる何日か前から、カオスは始まってました
ブログでも書きましたが、金曜日にトランプさんの女性を軽視する卑猥な発言が入った音声ファイルが公開されました。
トップニュースはこれでしたが、討論会が始まる直前まで、また色々あったんです。
(日にち・時間はすべてアメリカ時間です)
【金曜日】 問題のトランプの音声ファイルを米新聞ワシントン・ポストが公開する
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【金曜日】 数時間後、ジュリアン・アサンジがWikileaksにてヒラリーさんの秘密情報を暴露。
バーニー・サンダーズをどう倒そうか、ヒラリーと彼女のアドバイザーたちが議論しているメールの内容や、ヒラリーが多額の講演料を受け取りウォール街の企業などを相手に行った非公開スピーチの内容などを暴露。
アサンジはアンチヒラリーで、懸命に彼女を潰そうと数々の文書やメール内容を暴露してきたが、今回はタイミング的に、トランプさんの音声ファイルが出てきて「やばい」と思って、ヒラリーさんが公開するのを拒んでいたメールや講演内容をリークしたんでしょうが…。トランプさんの音声スキャンダルがでがすぎて、今回のヒラリーさんの暴露は比較的に騒がれない。
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【土曜日・朝】 トランプさん、謝罪。動画を公開。「It was just locker room banter...」との発言がまた問題になる。
(locker room = 更衣室。banter = 軽い会話・言い合い・冗談。男性がジムの更衣室などで話す、軽い話をlocker room banter といいますが、「こんなセクハラ発言、普通の男性は更衣室でもしない」「一緒にするな」と、トランプさんは批判を浴びる。)
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【土曜日】 トランプさん、下院議長の共和党員ポール・ライアンとウィスコンシン州でキャンペーンイベントを行うはずだったが、招待をライアンにとりさげられてしまう。
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【日曜日】 トランプさん、討論会が始まる直前に、ビル・クリントン元大統領を過去にセクハラ・痴漢・性的暴行などで訴えたことがある女性を伴い会見を開く。
(source)
急な会見だったので、多くの記者は出席できなかったよう。このディベート、そして大統領選挙の論点は何なの?と思わせる会見。トランプさんいわく、「こんなビルを、夫として、そして当時の大統領として許したヒラリーはおかしい」と言いたかったようなんですが、いやいや、実際にセクハラ発言で問題になってるあなたが言うことか?と言いたい。開き直り感がすごい。
と、こんな感じにディベートは始まりました。ね、すでにお祭り状態。
ヒラリーさん側の最前列にはビルさんと娘のチェルシーさん。トランプさん側の最前列には一緒に会見を開いたビルさんを訴えたことのある女性たち。
アメリカ人じゃなかったらこの状況をみて、「なんだこれ」と笑えるんですが、ここは私の母国ですからね…。
恥ずかしい。
2.タウンホール式討論会の大切さ
(source)
タウンホールスタイルのディベートとは、一般の参加者が直接候補者や政治家に質問できる形式の政策討論会。一般の人からかけ離れた内容の討論会にならないように用いられるんですが…。
今回は逆に、レベルが低すぎる討論になってしまいましたね。
せっかく人種構成も配慮され、幅広い年齢が代表されるように選ばれた参加者で、質問もしっかりしていたのに、しょっぱなから偏った、パーソナルなディベート…というより、喧嘩になってしまった。
ここで面白いのが、トランプさんとヒラリーさんの、タウンホール形式での討論スタイル。
ヒラリーさんは質問する参加者の目をしっかり見て質問を聞き、答えるときはその参加者に歩み寄って、参加者の名前を言い、アイコンタクトを保ちながら答えます。
逆にトランプさんは最初から喧嘩しに来てるので、質問をされたら即行前を向き、吐き出すように、訴えるように、カメラ目線・もしくはモデレーターの二人に向かって答えます。
タウンホール形式なので立つか座るかも自由。ふつうはヒラリーのように、相手が答えているときは座り、落ち着いて聞いているのですが。
トランプさんはボクシングリングの中にいるのかと思うくらい、ヒラリーさんが答えているときはウロウロとステージを歩き回る。
アニマル的というか…笑
この討論会を全体的にみてもそうだけど、ヒラリーさんのサポーターはもっと彼女を支持するようになり、トランプさんのサポーターは戦っているトランプさんをみて、もっと熱く彼を支持するんだろうなぁと思いました。
逆にスイング・ボーター(swing voter = swing・ぶらんこのように、どっちつかず、どちらにでも揺れる投票者)はこの討論会をみて、さらにどっちに行けばいいのかわからなくなっただろうな。
3.印象に残った場面・発言
- 予想通り、トランプさんはビル・クリントンの女性関係を批判、ヒラリーは恥ずかしくないのかと罵倒します。これに対してヒラリーさんはミシェル・オバマさんのいじめに関する名言「When they go low, you go high(相手が低レベルのことを言ってきたら、自分も同じレベルに落ちるのではなく、高レベルに(気高く)生きましょう)」を引用し、スルーしました。
- 前回同様、トランプさんは数々の間違った発言をし、頑固に自分のポジションを貫き通しました。今の時代、ファクト・チェッキングと言って、発言が事実であるかどうか、ネットで調べてすぐ答えが出るのですが、トランプさんは相変わらず自分が信じることが事実だというスタンス。もうここで述べる必要がないくらい色々と真実がない発言を。
- 私が個人的に一番びっくりしたのが、トランプさんがシリアの問題について、共和党の副大統領候補者のマイク・ペンスと正反対のことを言ったこと。ペンスは、ロシアがシリアのアサド政権とグルになって国民を殺しているなら、アメリカはロシアともアサド政権とも戦うべきだと述べましたが、トランプはロシアはISと戦っているため、ロシアを攻撃するべきではないと。「ペンスさんが言っていることと真逆ですが」とモデレーターに突っ込まれたら、「彼とこのことに関しては話しあってない」と、意味不明な言い訳を。
- 自分が大統領になったら、ヒラリーさんは徹底的に調べられ、刑務所にいれられるだろう、とトランプさん。大統領になるかもしれない人が言うような発言ではないですね。
- ヒラリーさんは、前回よりももっとクールに、そして台本通りに、弁護士のように討論していました。もともと弁護士ですしね。アドリブはほとんどなかったんじゃないでしょうか。トランプさんが自爆するのを冷静に見ている、って感じでしたね。
もっといろいろあるんですが、長くなるので…。
4.で、結局誰が勝ったの?
討論会直後にCNNが行ったポーリング調査によると、ヒラリーが勝ったと答えた人が57%、トランプが勝った答えた人が34%。
まぁでも今回のスキャンダルも踏まえてヒラリーの圧勝かと思ってたら、トランプさんは、辛うじてですが生き残ってますね。
ハードルが低いんですよ、トランプさんの。彼が特にこのスキャンダルのあと、討論会に出場して意味不明な発言を連呼しても、ただ戦ったことだけで「まぁ、100%クレイジーではなかったかな」と評価される。
逆に、ヒラリーさんは真面目な政治家なため、ハードルが高すぎる。戦っても一歩引いても、「あのクレイジーなトランプに対してこうするべきだった」とたたかれる。
はあああああ
長かくなりましたー。
あと一か月…さらに色々ありそうですね。討論会もあと一回ありますし。
みなさーん!アメリカはこんな国じゃないんですよー!アメリカ国民もこのディベートや、今回の大統領選挙について不満を持っている人がたくさんいます。
What do you think?!
Have a wonderful Monday...!
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