今回は精進料理の「精進料理の器・食生活・食べ方」について
※宗派により違いはあります
[応量器]
日常使いの器は、5つ重ねの黒塗り椀。
曹洞宗では「応量器」、臨済宗では「持鉢(じはつ)」、黄檗宗では「自鉢(じはつ)」、その他の宗派では「托鉢(たくはつ)」と呼んでいたりで、場所や宗派によって呼び方に違いはあるようです。
修行僧が日常使いとして用いる食器で、箸や匙と一緒に袱紗に包んで収納しています。
食事の時は、ご飯(粥)や汁、おかずをいれるのですが、収納するときはひとつにまとめることができて場所もとらず、とっても効率的な器だと思いませんか?
我が家でも透漆の応量器を使っていて、手におさまる形が気に入っています
これとは別に、来客をもてなすときは「皆具」」呼ばれる朱塗りの漆器を使うこともあります。
あそれい精進料理教室では、おもてなし精進料理用、こちらの皆具を使用しています
[1日3食]
お寺さんの食事文化は1日3食。
江戸時代初期までは、日本では1日2食文化だったようなので、お寺さんの3食文化は、修行僧だから夜の薬石(やくせき)が追加されたのかもしれません。
朝食=粥座(しゅくざ) 白粥、たくあん、梅干
昼食=斎座(さいざ) 麦ご飯(雑穀ごはん)、味噌汁、野菜の煮つけ(1汁1菜)
夕食 =薬石(やくせき) 昼の残り物をおじやに
すごくシンプル!・・・というか少ない!?と思いませんか?
お米をちょっとしか食べない方は、この内容だと1日2000kcal程度に調整難しいかもしれません・・・
朝、お粥をいただくのは、臓器を温めてカラダを起こし、かつ消化も良いので午前中も効率的に活動できます
昼は一番ボリュームがあって、午後のパワーチャージに
夜は寝るまでの間に胃の消化が終わるくらい軽めに
ごはんを麦や雑穀をいれてミネラルを補う、味噌汁に野菜や大豆食品をたっぷりいれるなどの工夫をすれば、大人の方の食事としては、栄養素やカロリーの観点でも大丈夫です
現代は便利で飽食の時代。食べすぎた日があったら、たまにはこんな素食日があっても良いのかな。と思って、私も時々この食生活を思い出して実践しています。
禅宗寺院では、「斎堂(さいどう)」、「応供堂(おうくどう)」、「香積堂(こうしゃくどう)」などと呼ばれるの食堂でいただきます
[食べ方]
永平寺で修行された方にお話伺ったとき、精進料理を食べる作法があるとおっしゃっていました。
料理が運ばれてきたら、合掌をして頭をさげ、箸袋から箸を取り出します。
右手で包み込むように箸を持って左手を添え、汁椀に10時20分の角度で箸を置きます。
「五観の偈」を唱えます。
唱え終わると飯椀を両手で持って目線より高くかかげ、「いただきます」といって食べ始めます。
最初にごはんを一口。噛んでいる間は箸を汁椀の上で休ませます。
両手は太ももの上に置いて、口の中のものを飲み込んでから再び箸をとり、煮物や汁物をいただきます。
食事中は音を立てず、食べ物と対話して、食べることに集中することも修行のひとつだそうです。
日常生活の全てが修行なんですね
精進料理についての詳細はコチラ
http://shojinryori.jp/shojinryori.php
精進料理教室
http://shojinryori.jp/index.php
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