皆様こんにちは。

 

今から20年前

 

閉鎖的な田舎の町に嫁に行き

 

暮らしていたときのこと。

 

 

朝から町内放送がはいりました。

 

その町である日、ひき逃げ事故が起こり

 

轢かれた老婆は亡くなったとのこと。

 

 

小さな狭い町ですから

 

犯人がすぐ捕まるかと思いきや

 

まったく犯人の手掛かりがなく

 

町中がその話で持ち切りで

 

「あっこのよそから来た

 

あんなんじゃなかね?」

 

「酔っ払い運転でま~えつかまった

 

あっこのドラ息子じゃろ。

 

あそこは親がか●わ(ハンディーキャップを

 

持った方の蔑称)やけんの」

 

とデマが飛び交いました。

 

 

そしてたいてい「犯人」と推測されるのは

 

いわゆるよそ者や

 

普段からのけ者にしている人

 

彼らが同じ町民として

 

認めようとしない人たちでした。

 

 

 

そして、ひき逃げ犯が捕まるまで

 

色んなうわさが飛び交いました。

 

車をぶつけた形跡があろうものなら

 

「あの車じゃなかね?」

 

と騒ぎ、町中で犯人捜しが始まります。

 

 

 

わたしもスーパーに車を停めて

 

買い物したものを後部座席に詰め込んでいたら

 

「あんた!!車のその傷はなんね?」

 

と聞いてくる町民もいました。

 

 

そしてそれから1か月ほどたち

 

ひき逃げ犯が捕まりました。

 

 

某集落の婦人会の会長で

 

役場に勤めている中年女性でした。

 

あの小さなコミュニティの住民が

 

一番信頼しているポジションにいる

 

女性でした。

 

 

しかしそれはそれで

 

町民たちは

 

その女性とその家族を

 

悪く言い始めるのです。

 

 

 

当時の姑も旦那も

 

夕食のおかずは

 

その人の悪口です。

 

 

何か事件が起きて

 

恐怖や疑惑に支配された田舎町は

 

本当に怖いのです。

 

 

わたしの車のキズについて

 

知らない人から問い詰められた話を

 

元旦那にすると

 

血相を変えて

 

「今すぐ車のキズを直してこい!」

 

と怒り狂いました。

 

 

そのキズはだいぶ前に

 

家の車庫でぶつけたものです。

 

ぶつけたときは

 

気にしなくていい

 

(旦那は極端なケチでお金がかかることが

 

大嫌いでした)

 

と言っていたのに

 

わたしは夕食を中断させられ

 

車の修理屋さんに行くはめになりました。

 

 

田舎の人が人の目を気にするのは

 

こういう時、何を言われるかわからない

 

明日は我が身だと知っているからでしょう。

 

 

しかし、それを知っているからと言って

 

その空気を変えようとする人は

 

村八分にされてしまうのです。

 

 

普段はとても穏やかに見える人たちも

 

いざとなると鬼のように冷酷で

 

排他的になる。

 

その行動は自分の事を好きでいられるか?

 

 

上記リンクの記事にも書きましたが

 

わたしは当時、今よりも若く

 

青臭いところがあったので

 

そういう人間になりたくないと

 

強く思い、離婚して都会に戻ってきました。

 

 

 

都会もデマは飛び交います。

 

しかし都会にはたくさんの人がいるおかげで

 

どの価値観で生きるかは選択の余地があります。

 

 

 

小さな田舎は皆同じ、

 

皆仲間にならないと

 

つまり一緒にゾンビにならないと

 

生きていけない雰囲気を

 

醸し出しているコミュニティーです。

 

 

そこで強く生きるには

 

変わり者と言われても

 

自分なりの美意識と自分の哲学

 

これを強く持つことかもしれませんね。

 

 

田舎住みでなくとも

 

ネットの掲示板やTwitterなども

 

ある種、この田舎の構造と同じです。

 

 

匿名を利用して

 

陰湿なコミュニティーを作り上げ

 

誰かを血祭りに上げる。

 

 

わたしたち人間には

 

そういう残忍なことを好む本能が

 

あるのかもしれません。

 

 

しかしそういう野蛮な本能は

 

知性でいくらでも

 

コントロールできると思うのです。

 

田舎やネット社会などの

 

小さなコミュニティーで

 

自分をしっかりと持つことは

 

難しいかもしれませんが

 

自分の中の野蛮な本能が

 

暴れ出さないよう

 

環境を変える決心も

 

必要かもしれませんね。

 

 

それではどなたさまも素敵な午後を♥