【B】タイプの特徴|UCP1に変異がある“下半身太り”のせっかちさん

◆体形・性格の傾向

メリハリのある体つきで、下半身に脂肪がつきやすい“洋なし体形”。脂肪の代謝が低く、筋肉がつきやすい。エネルギッシュで知的、リーダーシップがあるが、怒りっぽい一面も。

◆注意すべき病気

イライラしやすく、ストレスを抱え込んで抗酸化力が弱まると、がんのリスクが上がる。動脈硬化から循環器系や心血管系の疾患につながることも。

◆食べ方・やせ方

辛いものや熱いものなど、刺激の強い食べ物は避ける。サーロインよりヒレ、揚げものより煮ものを選ぶなどの工夫で脂質の摂取量を減らし、脂肪燃焼を助けるビタミンB2の豊富なほうれん草やブロッコリーなどを積極的に。油を摂るなら、オリーブオイルや亜麻仁油など、良質なものを選ぶ。水泳や登山など、下半身を使う運動が◎。

【B】タイプ|下半身太りするならとにかく脂質を減らす

日本人の4人に1人は、脂質を代謝するのが苦手な「UCP1」に変異があるBのタイプだ。


見た目は中肉中背だが、通常と比べると基礎代謝が50~100kcalほど低く、皮下脂肪型肥満になりやすい。女性なら、若い頃はいわゆる「メリハリボディー」の人も少なくないが、その分、下半身から脂肪がつきやすく「洋なし体形」になりがちだ。

「このタイプは、低脂肪食を心がけないと、すぐに太る。食べる順番ダイエットが向いています。脂質の分解をサポートするビタミンB2の豊富なほうれん草やブロッコリーなどを中心に、野菜から食べ始めて、最後に脂質を摂るのがおすすめです」

◆料理にはオリーブオイルやえごま油などを

料理に使う油には、不飽和脂肪酸が豊富なオリーブオイルやごま油、えごま油などがいい。

「できるだけ、炒める、揚げるのではなく、蒸す、煮るなど、油を使う量が少ない調理法を選んで。炒めものをするなら、油を引かなくてもいいテフロン加工のフライパンを使ったり、揚げものの余分な油をキッチンペーパーで吸い取るなどの工夫を。

野菜はゴロゴロと大きめに切ることで油を吸いにくくなるし、噛む回数が増えて満腹感も増すので、ダイエットしたいならぜひ試してみて」(麻生さん・以下同)

肉を食べるときも、脂肪分の多いサーロインやひき肉、ウインナーなどは避けて、脂肪分の少ないヒレ肉や脂肪燃焼を助けるL-カルニチンの豊富なラム肉などを選ぶ。


「マヨネーズやドレッシングも脂質が多いので要注意。間食も、ケーキやクッキーではなく、脂質の少ない和菓子や果物にするのがベター」

◆たんぱく質を摂取して運動を

このタイプは運動をすればすぐに筋肉がつくので、たんぱく質も効率的に摂取したい。

「たんぱく質は、肉よりも小豆や黒豆、豆腐など、豆製品で摂るのがおすすめです。代謝が低いので、食事量を減らすと体温が下がって、ますます太りやすくなってしまう。食べる量自体はそのままに、脂肪分の多い食べ物の割合を減らすようにして。

登山やスキー、水泳など、下半身をよく使う運動をすれば、効率的にやせられるでしょう。続けているうちに、内臓脂肪が減ってから、徐々に皮下脂肪も減少して、体形に表れてきます。根気強く続けることが大切です」(陰山さん・以下同)

性格的には、エネルギッシュで頭の回転が速いとされる。一方で怒りっぽい人も多くみられるため、循環器系疾患や脳血管系疾患には要注意だ。


【C】タイプの特徴|ADRB3またはFTOに変異がある“太りがち、むくみがち”なおっとりさん

◆体形・性格の傾向

全体的にぽっちゃりしていて、お腹回りから太りやすい“りんご体形”。基礎代謝が非常に低く、特に糖質の代謝が苦手。のんびり屋でマイペースだが、忍耐強くおおらか。

◆注意すべき病気

メタボリックシンドロームになりやすく、肥満により高血圧や糖尿病になる可能性も高い。

◆食べ方・やせ方

糖質制限が最も向いているタイプ。主食を雑穀米、玄米、そば、ライ麦パンなどに変えて、主食は最後に食べる。きのこや海藻などでかさ増しした炊き込みご飯なら無理なく糖質量を減らせる。ジャンクフードや清涼飲料など、質の悪い糖が多い食べ物は避ける。ブドウ糖を燃焼しやすいウオーキングなどの有酸素運動がおすすめ。

【C】タイプ|糖質制限が合うのは生まれつきぽっちゃりの人

【C】の合計点数が最も高く、子供の頃からずっとぽっちゃりしているなら、「ADRB3」または「FTO」の変異により、糖質の代謝が苦手なタイプかもしれない。お腹回りにでっぷりと脂肪がついた「りんご体形」になりやすく、日本人の3分の1がこのタイプだといわれている。

「生まれつき代謝が悪く、標準型より基礎代謝が約200kcalも少ないタイプです。特に糖質をエネルギーに変えることが苦手なので、“食べる量を減らしたのにやせない”“水を飲むだけで太る”という人も多い。基本的に食欲旺盛で、ストレスで暴飲暴食に走る傾向もあります。

◆糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病になりやすい


お腹回りに脂肪がつきやすいということは、メタボリックシンドロームになりやすいということ。高脂血症や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病に気をつけてほしい」

生まれつきダイエットの悩みが尽きないように思えるが、糖質制限が最も効果を発揮するタイプでもある。


「白米や食パン、うどんなど、白い炭水化物は体内でブドウ糖に分解されて血糖値を上げ、それを下げるために分泌されるインスリンは、余ったブドウ糖を中性脂肪に変えて体にため込む作用がある。これが太る原因になるのです。主食の量を減らすのがいちばんですが、雑穀米や玄米、ライ麦パン、そばなど、主食を『低GI食品』と呼ばれる、血糖値を上げにくいものに変えてもいいでしょう。

ご飯の量を減らしたくないなら、きのこやひじきなどの海藻類、大豆など、食物繊維やたんぱく質の豊富な食材でかさ増しした炊き込みご飯なら、満足感を得ながら糖質量を減らし、ダイエットにいい栄養素も摂ることができます」(麻生さん)

ジャンクフードや清涼飲料などに含まれる質の悪い糖質の影響を特に受けやすいので、気をつけたい。

◆忍耐強いので、ランニングなど有酸素運動を

のんびり屋でもの静か、めったに怒ったことがないような、忍耐強くておおらかな性格の人が多いともいわれており、このタイプは体力や持久力も高い方だ。運動するなら、長時間体を動かすようなことが向いている。糖質を消費しやすいウオーキングや軽いランニングなどの有酸素運動が効果的。まずは、食後の散歩など軽いものから習慣づけたい。

DNAタイプがわかったら生活習慣を見直して


自分の遺伝子の特徴がわかったら、それに合わせて生活習慣を見直すことが大切だ。たとえ体に合ったものでも、食べすぎたり、運動を怠けたりしていては、どれだけ知識があっても意味はない。

それを肝に銘じつつ、遺伝子に合った食べ方、体の動かし方を実践すれば、今度こそストレスフリーなダイエットがかなうはずだ。


タイプAと、タイプ調べかたはこちら💁‍♀️https://diet.news-postseven.com/60682