2017年の「国民健康・栄養調査」の結果を発表、

依然としてカルシウム不足の状況にあることがわかった。

ビタミンCは20~50代で男女とも推奨量に達していない。

また、今回初めて調査した60歳以上の「骨格筋指数」は、

男女とも年齢が高くなるほど有意に減少。

 

80歳以上は男女とも約2割が「低栄養」傾向だった。

男性高齢者の場合、週1回以上の外出がない場合、

「低栄養」の割合が跳ね上がることがデータで示された。

 

糖尿病傾向増加

男性の18.1%、女性の10.5%で、「糖尿病」が強く疑われる。前年度に比べ、男性で1.8ポイント、女性で1.2ポイント増えた。

年齢層別にみると、男女のいずれでも、「糖尿病が強く疑われる」人の割合は年齢が上がるにつれて上昇する。

 

 

肥満横ばい

・BMI(体格指数)が25以上の肥満の割合は、男性で30.7%、女性で21.9%に上り、この10年間でほぼ横ばいだ。肥満者が多い年齢層は、男性では40歳代(35.3%)、60歳代(34.1%)、30歳代(32.0%)、女性では70歳以上(26.5%)、60歳代(25.8%)、50歳代(22.2%)

 

若い女性はやせ

・BMI(体格指数)が18.5未満のやせの割合は、男性で4.0%、女性で10.3%。若い女性でやせが多く、20~29歳で21.7%、30~39歳で13.4%、40~49歳で10.1%に上わる。

 

高血圧は減少

・最高血圧が140mmHg以上の人の割合は、男性で37.0%、女性で27.8%。年齢調整してみると男女ともに緩やかに減少している。

 

 

女性の5人に1人は高コレステロール

・脂質についてみると、総コレステロールが240mg/dL以上の人の割合は、男性で12.4%、女性で19.8%となっている。前年度に比べ、男性で2.6ポイント、女性で2.5ポイント、それぞれ増えた。

 

摂取エネルギー量60歳代多く、若者減少

・食事で摂取する1日当たりのエネルギー量は男女とも60歳代がもっとも多く、男性で2,218kcal、女性で1,794kcalとなっている。20~40歳代のカロリー摂取量は20年間で1割前後減少している。

 

炭水化物摂取は年齢が高いとあがる 

・調査では、エネルギー摂取量に占める脂質摂取量の割合(脂肪エネルギー比率)は、年齢が高いほど低く、炭水化物摂取量の割合(炭水化物エネルギー比率)は、年齢が高いほど高い傾向があることは示された。

 ・タンパク質・脂肪・炭水化物のそれぞれのエネルギー比率は、60歳代では男性 14.6%・26.6%・58.8%、女性 15.6%・28.7%・55.7%となっている。20歳代では男性 14.3%・29.2%・56.5%、女性 14.8%・30.5%・54.7%。80歳以上では男性 14.6%・23.4%・62.0%、女性 15.3%・24.8%・59.9%。

 

年齢が高いと魚から摂取、穀類はさがる



・タンパク質の食品群別摂取構成は、年齢が高いほど肉類からの摂取割合が低く、魚介類からの摂取割合は高い傾向にある。また、炭水化物の食品群別摂取構成は、全ての年齢階級で穀類からの摂取割合がもっとも高いが、年齢が高いほどその割合は低下する傾向がみられる

 

カルシウム、ビタミンC不足

・20歳以上の栄養摂取状況(1日当たり平均値)をみると、カルシウムは男女とも全年代で食事摂取基準の「推奨量」を下回った。ビタミンCも不足が目立ち、20~40代は「推奨量」の8割未満となっている。

 

食物繊維不足

・男性20~60代で「目標量」が20g以上となっている食物繊維の摂取量は、20~50代で15gを下回っており、成人で最も少ない20代は12.8gだった。女性の食物繊維「目標量」は20~60代で18g以上。摂取量は、20代が11.8g、30代が12.5g、40代が13.0g、50代が14.3g、60代が16.5gだった。

 

 

引きこもりがち高齢者、男性に低栄養

・引きこもりがちで週に1度も「外出しない」65歳以上の男性は、「外出がある」人と比較して、低栄養に陥りやすい傾向があることも分かった。

 ・65歳以上の高齢者で、一般的に低栄養とされるBMI(体格指数)が20以下の人は男性が12.5%、女性が19.6%。年齢階級別にみると、80歳以上では男性の17.3%、女性の20.8%が低栄養だ

 

睡眠時間 40歳代の半数6時間未満、40歳代の3割睡眠での休養が不十分

 

男性の喫煙率がはじめて3割を切る 「たばこをやめたい」人は過去最高

 

 

日本の65歳以上の高齢者の総人口に占める割合は28.1%と過去最高を更新した。高齢者の総人口に占める割合は、日本は世界でもっとも高い。超高齢化社会への早急な対応が迫られる現状があらためて鮮明となった。

 

労働市場で高齢者が担う役割が拡大

・65歳以上の人口に占める男女別の就業率は男性が31.8%、女性は16.3%で、いずれも6年連続で上昇した。

 

介護をしている高齢者も増加 ネットショッピングも活発に

・親や配偶者などの介護をしている15歳以上人口は627万6,000人で、うち高齢者の数は2017年に197万2,000人に上った。

・高齢者世帯について、ネットショッピングを利用した世帯割合をみると、2017年は18.2%となり、10年間で2.6倍に増えている。高齢者世帯のうち世帯主が75歳以上である世帯では12.5%となった。

 

 

国民健康栄養調査

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177189_00001.html