日本人の中に「隠れ食後高血糖」なる人々がかなりいると
思われる、お話し。
①日本人の通常量とされる1食100gの糖質を摂取する群(通常食群)
と、摂取カロリーは多いもののロカボ食で糖質摂取量を
1食30g程度に抑えた群(ロカボ食群)で食後1時間の
血糖値を比較しながら食品企業の社員にセミナーをすると
いうことを何回も実施。
・ロカボ食群の食後血糖の平均値は120-130mg/dL程度だが
通常食群では空腹時血糖が正常であっても、
食後血糖は平均で180mg/dLまで上昇していた(unpublished data)。
・これまでの50回ほどのセミナーでは通常食群の
食後血糖値が平均200mg/dLを超えた回が2度ほどあり。
食前血糖値は全員正常にもかかわらず。
つまり、健康診断で空腹時血糖が正常と診断される
一見健康な日本人の中に、いわゆる「隠れ食後高血糖者」が、
かなりいると推定。
食後高血糖は、酸化ストレスや動脈硬化にかかわり、
臓器に対する負担は必ず起こっている。
だからこそ、健康人にも食後高血糖を抑える糖質制限の
動きを広げた方がいい。
②糖尿病患者さんが最終的に糖質を摂取する量は、
どうにもコントロールできませんが、糖質制限食を作る側の目安、
あるいは糖質制限を指導する側の目安としては、
1食当たり20-40g、嗜好品ならば10g/日。
糖質制限の理解が足りない方は、残念ながらカロリー制限に
対する理解も不足している。
そもそもカロリー制限食の目的は、減量にあり。
日本糖尿病学会は2002年に最初の
「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」をまとめ、
2016年に最新版は、その時に初めて食事療法の目的を明記。
・「体重の減量にある」と書かれ、このために採用している食事法が、
カロリー制限食だけとなっている。
④では肥満じゃない糖尿病患者さんは、どうすればいいのか。
3大栄養素である糖質(炭水化物)、蛋白質、脂質のうち、
糖質のバランスを変えれば血糖改善が期待できるが、
カロリー制限食で蛋白質や脂質も減らされれば、
それこそ懸念があり。
・実は、欧州の研究(Diabetologia 2014, 57, 1807-1811)で
蛋白質を加えるとグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)が出され、
日本の研究(Br J Nutr 2014, 111, 1632-1640)で脂質を加えると
グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)が
分泌される。
つまり、血糖の改善に対しては蛋白質と脂質を摂取していた方が
良いことになる(Am J Clin Nutr 2011, 93, 984-996)。
・カロリー制限食で蛋白質と脂質の摂取量も減らされれば、
結果的に血糖の上昇に対し促進的になってしまう。
健康人であれ糖尿病患者であれ、日々の食生活で
これらのバランスを保ちつつカロリーの摂取量を
抑えた食事を続けるのは、現実的には難しく血糖値の上昇に繋がりかねない。
⑤だからこそ、糖尿病治療に対しては糖質制限食が良いと考えられる。
肥満の人では減量効果が認められ、肥満の有無にかかわらず、
データでも中性脂肪(TG)の改善効果があります(Intern Med 2014, 53, 13-19)。
また、肥満の解消を介しての2次的効果であろうと考えられますが、
血圧の改善も示されている。
DIRECT試験のデータでは、推定糸球体濾過量(eGFR)が
30-60 mL/分/1.73m3と慢性腎臓病の重症度が中等度の人でも、
最もeGFRを改善させたのが糖質制限との結果(Diabetes Care 2013, 36, 2225-2232)。
臓器保護効果が認められ、合併症の予防効果がある。
https://www.m3.com/open/clinical/news/article/507951/
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